シエナを訪ねて三千里・・・1枚の絵画を求めて

2007/08/30 - 2007/09/01

シエナはイタリアのトスカーナ地方に位置する丘上都市です。
13〜14世紀に繁栄を迎え、大国フィレンツェとトスカーナの覇権を争うまでに成長しました。
しかしペストの流行により、町の繁栄は終焉を迎えてしましまいた。
そのため、シエナは中世の姿がそのまま残っています。


たった一人で遠いシエナを訪ねた理由は、ズバリ卒論の研究のため！！
この町にはシエナ派絵画の名作がたっくさーんあるのです！
３年前私は１枚の絵に一目ぼれをし、この絵を求めてシエナを訪れました。

シエナはフィレンツェからバスで１時間ほどの距離にあります。
しかし、昔々お隣のフィレンツェとは犬猿の仲だったのでした。

だからでしょうか。２つの町の雰囲気は対照的です。
フィレンツェ人は知性や合理性を重んずる傾向にあります。
対してシエナは情緒豊かな、女性的な町。実際にシエナは「聖母の都市」と呼ばれています。

シエナには歴史的背景から、興味深い文化遺産がのこっています☆
それらも交えて、シエナを紹介していきたいと思います。

ではでは早速、市街の散策に出発！！

エリア シエナ(イタリア)

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: 高速・路線バス

シエナ色（Burnt Sienna）

シエナ色とは、この町の色が由来になっています。
市街の建物はすべて、赤みの強い茶色のレンガで建てられています。

シエナ色に統一された町並みは、ここまでくれば芸術です！
きっと昔の人がシエナの美しさに心奪われ、この名をつけたのでしょう。

バンキディソプラ通り
その名の通り、“銀行通り”です。

１３世紀、シエナを繁栄に導いたのは金融業でした。
現在でも、イタリア最古の銀行が残っています。

朝一なので通行人も少なかったですが、
昼になると原宿の竹下通りの如く、人が歩いています。

カンポ広場

突然目の前に現れると、その迫力に誰もが圧巻される。
私のお気に入りスポットＮＯ１♪

まるで劇場のような広場。
世界一美しい広場と言われているんだとか。

広場は扇の形をしていて、その付け根にあるシエナ市庁舎に向かって緩やかに傾斜しています。

広場に座ってぼーっと日光浴しててもいいかも

シエナ市庁舎

カンポ広場の中心にそびえるのは、シエナの中枢パラッツォ・プップリコ（シエナ市庁舎）

驚くべきことに、現在もシエナの市庁舎として機能しているんです！
実際、市役所の職員が出社している姿が。
すごい違和感…

なんだか同じ地球にある国とは思えない（汗）
東京だと毎朝通勤ラッシュにもまれているのに、のほほーんとした雰囲気。

マンジャの塔

市庁舎のマンジャの塔。
朝日がまるで後光のように塔を照らしていました。

中世では高い塔の建設ラッシュがおこったそうです。
こぞって権力者は塔を建て、自らの権力を誇示しようとしました。（籠城にも役立つし）ところがトラブルの種になったので、市が建設を禁止したのだとか。

入場料を払えば塔の上まであがれます。
カンポ広場とシエナの町並みが一望できて、オススメです♪

善政の寓意

私は３年前シエナ派の画家、アンブロージョ・ロレンツェッティに出会いました。
今思えば、これは運命だったのかもしれません。
アンブロージョがいなければ、私がシエナを訪れることはありませんでした。

目的の絵は、市庁舎の一室「平和の間」に残っています。
アンブロージョは、この部屋に「善政の寓意」「悪政の寓意」「善政の効果」の３作を描きました。

その中の１作「善政の寓意」には、９つの美徳が描かれています。
政治的なアレゴリーがユニークに描かれています。

ドゥオモ内部

ロムルスとレムス像

伝説上のローマの建国者・ロムルスとレムスの双子の赤ん坊と雌狼の像。

これらの像はシエナのシンボルとして、市内の各所に見られる。

ローマに起源をもつ町の歴史の古さと格式の高さを表そうとしたのである。（でも実際にはシエナの起源に関係してない）

シエナの裏路地

観光名所とちがって、もの静かな裏路地。
観光客は１人もいませんでした。

シエナは丘上に建っているから、坂道の多いこと多いこと。
そして道幅が狭い。車1台通るのがやっと！

でも路地ひとつとっても絵ハガキのよう(^_^)
風情があります。

ドゥオモ美術館の上からパシャリ☆

実はここが穴場！
早めに行ったから誰もいませんでした

カンポ広場とマンジャの塔を独り占め♪

この旅行記へのコメント （1）

• churros　さん 2008/11/29 10:58:04

  Ｂｕｏｎ　ｇｉｏｒｎｏ

  bluemoonさん、Buon giorno。
  
  ご訪問ありがとうございます、昨年私もシエナとサン・ジミニャーノを周って来ました、元もと私のテリトリオはスペインなのですが元妻のリクエストでイタリアを周り、たいへん美味しい旅をさせて頂きました。
  
  旅行記の表紙の写真はどこから撮られたのですか？プッブリコやドゥオモが見渡せる所って在りました？すばらしいアングルですね。
  
  bluemoonさん、と同じく私も絵が好きなんでゴヤやグレコを観にプラドによく行きます、グイド・ダ・シエナやシモーネ・マルティーニなんか興味深く見せて頂きました、プッブリコの真正面のリスタウランテ（庇テントも真ん中の店）のラザーニャはいける味でした、機会があれば又行ってみたいですね。
  
  来年はトリノでショコラーテを食べたいと言うのでスペインからの帰りに寄ってこようかと考えています、旅行記をアップしましたら是非お寄りください。
  
  　　　　　　　　　　　　　　　　churros ひらた