2002/03 - 2002/03
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あるぱかちゃんさん
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「カレー食べた?」インド帰りの者に対する侮辱ではまさかあるまいが、必ずこう聞かれる。一般的な日本人がもつインドの知識とはまあ、こんなものだろう。確かにインド人はカレーしか食べない。それもおそらく、いつでも何処でも誰とでも。彼らに言わせるとスパイスや調理方法によって全く違う料理だというが、僕らにしてみればククレカレーかボンカレーかという問題とさして変わらない。有名なナンの他に、より安価なチャパティーやライスと一緒に食す。しかし味は日本で食べる本場インドカレーなるものを信用してはならない。本物の本物はまずい、のである。味の好みが人によりけりなのは当然だが旅で出会ったほとんどの日本人が声高にそう宣言していた。日本国民の期待を裏切るこの発言はインドを訪れた者だけに与えられる特権である。うまいと言い切る派閥もあるが僕にはそれは、マイノリティーに属する「うまい派」になることで、自分がインドの最大の理解者であることを主張しているように聞こえてしまう。まあ、どっちもどっちか…。
味と共に気になるのが、食べ方である。もちろん手だ。素手という表現がより相応しいかもしれない。左手でケツを拭き、右手で飯を食う。文明人には野蛮とも思えるこの行為を彼らは忠実に守る。ただしほとんどの店にスプーンが用意されていて旅行者が困ることはない。しかしこの甘え(カレーは辛い)が、僕達から手を使う勇気を奪ってしまう。旅をすれば現地民に溶け込む行為に心ひかれるものだが、目の前にスプーンがあるのにわざわざ手で食べるのはわざとらしくて少し気恥ずかしいし、やっぱりこれみよがしに主張してしまうのだ、「インドって最高です!」と。
そんなある日、親しくなったインド人から結婚式のパーティーのお呼びがかかった。親族の家の屋上で行われたその宴、コンクリートの地べたにランチョンマット代わりの葉っぱが敷かれていく。その上に葉っぱでつくられた皿が置かれてゆく。そしてその中に盛られいったのは…。一生に一度あるかないかのメモリアルデーのメインディッシュは、ここでも疑うことなくカレーだったのある。ひしゃくから水をたらしてもらい、それで手を洗う。念願叶ったこの瞬間。僕の右手がその夜、初めて道具になった。
あの日のカレーは素直にうまかった。味付けが好みにあったからなのか、腹の減り具合のおかげか、結婚式という特別の思いからなのか、はたまた手で食べたからなのか、それは今でも謎のまま。翌日、僕は行きつけの食堂で出されたカレーを少し悩んだあとスプー
ンですくって食べた。日本のカレーが恋しいと独りごちながら。手を使って食べたのもインドカレーがうまかったのも、あの日が最初で最後だ。
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