【第８回】 ローカル私鉄電車紀行 ～遠州鉄道～

2007/08/16 - 2007/08/16

地方都市を走る私鉄電車を訪ねる旅。

遠州鉄道はJR浜松駅前の新浜松駅から北に延びる郊外電車。
地方私鉄の中ではかなり元気な路線で、全線単線で列車も短編成ながら、高頻度運転により利便性は非常に高い。
浜松市郊外のベッドタウンを貫くように走り、さらに市街地では立派な高架線を走ったりと、さながら大手私鉄のミニ版のような雰囲気の路線だった。

エリア 浜松(静岡)

JR浜松駅前。
奥に見える高層ビルは、地上45階、高さ212mの「アクトタワー」。
完成時には首都圏・関西圏以外では一番高いビルだったとか。

JR浜松駅北口の西隣にあるのが遠鉄百貨店。
その名の通り遠州鉄道系列の百貨店。
かつて浜松に進出した大手百貨店を全て駆逐してしまったらしく、現在ではここが浜松市内唯一の百貨店。

遠州鉄道のターミナルである新浜松駅へは、この百貨店の2階から連絡通路で繋がっている。

新浜松駅改札口。
改札は2階に、ホームは3階にある高架駅。

遠州鉄道では、定期券・プリペイドカードはIC化されており、改札口にはICカードリーダーが設置されていた。
写真一番手前の通路や、駅員の前に設置されている機械がICカードリーダー。
しかし紙の乗車券は磁気化されていないので、駅員に手渡しする。

新浜松駅ホーム。
2面2線のホームだが、通常は片方しか使われず、もう1面はラッシュ時専用で昼間は閉鎖されている。

車両は何だかバスみたいなデザインの2両編成。
地方私鉄には珍しく、自社発注車らしい。
日中稼動している電車は全てこのタイプだった。

反対側のホームに留置されていたラッシュ輸送用の旧型車両。

電車の車内。
ごく普通の通勤電車。

第一通り駅。
新浜松駅から暫くは浜松の市街地を高架で走る。

八幡駅。
新浜松行の電車と交換。
12分ヘッドなので頻繁に列車交換がある。

八幡駅を過ぎると地上に降りる。
この先遠州上島駅まで高架線を延伸する計画があるらしい。

線路横には既に橋脚が立ち並び、多くの箇所では橋桁も乗せられていた。

遠州上島駅。
遠州鉄道では多くの駅名に旧国名「遠州」が付くが、実際には「遠州」を省いた名前で呼ばれている。
利用客が勝手にそう呼んでいるのではなく、駅名標や路線図、案内放送でも「遠州」は省かれている。

自動車学校前駅。
遠州鉄道が経営する自動車学校に隣接する駅。
駅舎はマンションの1階という、地方私鉄にはよくあるタイプ。

遠州西ヶ崎駅。
保線用と思われる小さな機関車と貨車が留置されていた。

遠州小松駅。
遠州鉄道には、意外と有人駅が多い。
また、列車も2両という短い編成にもかかわらず、車掌が乗務している。
無人駅に到着すると、車掌がホームに出て切符を回収するローカル線方式。
同じ県の私鉄である静岡鉄道と違い、自動改札は設置されていない。
ただ、ICカードの利用率が高く、自動改札は無いものの、簡易型のICカードリーダーは各駅に設置されていた。

浜北駅を過ぎても沿線には住宅地が続く。
東海道線では浜松駅を出ると割と早くに街並みが途切れるが、遠州鉄道の沿線はどこまで行っても人家が途切れない。

遠州小林駅付近。
やっと景色が郊外らしくなってきた。

まもなく終点。

終点の西鹿島駅に到着。
狭い敷地にたくさんの車両が留置されている。

西鹿島駅改札口。
12分ヘッドながら、列車別改札が行われており、発車直前までホームには入れない。

西鹿島駅。
洒落たデザインの駅舎。
この駅からは第3セクター線の天竜浜名湖鉄道も出ている。
遠州鉄道から天竜浜名湖鉄道への直通列車を走らせよう、という構想もあるらしいが、費用(天竜浜名湖鉄道は非電化)に見合う効果を得るのは難しいようで、なかなか話は進まないようだ。