2007/06/14 - 2007/06/19
15位(同エリア142件中)
服務員さん
第2部では大同と近郊の史跡を紹介します。
今回尋ねたのは大同市内の上・下華厳寺、朔州の崇福寺、応県の木塔、そして雲崗の石窟(善化寺は今回割愛)。
山西省は遺跡の70%が地上にあると言われるほど古代建築(中国語で古代というのは古い時代という意味で殷や周のことではありません。)の宝庫ですが、特に唐〜宋・遼・金代の建築の豊富さは他省の追随を許しません。ちなみに陝西省は70%が地下にあるといわれてます。
中国史に興味がある方なら華麗な大唐王朝の宮殿がどんなものだったか一度は思い描いたことがあると思いますが、これから紹介する寺は唐王朝が滅亡してすぐあとの時代に建てられたものが多く想像するよすがになると思います。
参考までにずばり唐時代の建物は五台山の外れに仏光寺と南禅寺があり、これはこれですばらしいものです。
「雲崗の石窟は五胡十六国の北魏王朝時代に開削が始められたが洛陽遷都後は衰凋した。その後長い間歴史から忘れられていたが、20世紀になり脚光を浴び現在では世界遺産に登録され内外の観光客を集めている・・・。」というのが教科書風にごく簡単にまとめた雲崗石窟のあらまし。
しかし、ほとんどの方は知らないと思いますが、本格的に雲崗石窟の精緻な調査を行ったのは京都大学の東方文化研究所なのです。
戦前・戦中の困難な時期に数次にわたり調査を行った日本人の学者たちの苦労を思い描きながら見学すれば一層感慨深い旅となると思います。
- 同行者
- カップル・夫婦
- 一人あたり費用
- 5万円 - 10万円
- 交通手段
- 高速・路線バス
- 航空会社
- JAL
- 旅行の手配内容
- ツアー(添乗員同行なし)
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まずは下華厳寺から。大同博物館を兼ねており、宗教色は薄いのですが、さすがに薄伽経蔵はすばらしい建物です。法隆寺にも似た入母屋造りの華麗な屋根を支える斗供、堂内の太い梁、そして美しい堂内の塑像。18年前に来た際は修理中で見学できなかっただけに感動もひとしおでした。
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薄伽教蔵のアップです。境内が狭いので建物全体を写せないのがとても残念でした。
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下華厳寺から見た上華厳寺です。寄棟造りの巨大な屋根が印象的です。建物の正面は53メートル、奥行き29メートル、屋根の上に聳えるし尾は4メートルにもなるそうです。
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上華厳寺へ通じる参道です。以前はごちゃごちゃした胡同の奥にひっそりと建っている感じでしたが今はすっかり再開発され土産物屋、仏具屋、が並んでいます。
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上華厳寺の扁額です。日本にはあまりない風習です。自己主張が強いのは人間ばかりでなく建物もなんですね。
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上華厳寺の大雄宝殿の外から写真を撮ったら内部が写ってました。
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上華厳寺からみた下華厳寺の屋根です。この伸びやかな屋根の形とても美しいとは思いませんか。
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上華厳寺の香炉の前に小さな祠があり、中にはかわいい布袋様!!
霊験あらたかに思えます。 -
上華厳寺の大雄宝殿の前には「念仏堂」があり、夕方になると近在の仏教徒のおばちゃんたちが続々と集まり各自が持ってきた袈裟姿に着替えて念仏を唱えます。宗教を問わず民衆に支えられる姿はいいものです。
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翌日はローカル列車に揺られて・・・、といえば旅情を誘うが現実にはご覧のように人民たちの中に詰め込まれ我慢の2時間かけて朔州へ移動。
なにしろ人民たちといったら禁煙の表示の前でプカプカタバコは吸うは窓からゴミをポイポイ捨てるはやりたい放題。
挙句の果てに停車駅で乗る客、降りる客が互いに譲らず駅員に怒鳴られるのを目撃。久しぶりに「華●振り」を堪能しました。 -
朔州の駅に着くと例によってタクシーの運ちゃんたちが押し寄せてきます。
一応値切り交渉して4元で崇福寺へ。
多分どのガイドブックにも紹介されていない古刹です。 -
こちらは経蔵閣で明の洪武年間(1383年)の創建。瑠璃瓦が印象的な楼閣です。
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崇福寺は山門、経蔵閣、鐘楼、鼓楼、大雄宝殿、弥陀殿、観音殿を擁する規模が広大な寺院です。
写真は大雄宝殿で明代(1469年)の建立です。 -
これが崇福寺の中心をなす弥陀殿です。金代(1143年)の創建。正面は50メートルほど、奥行きも20メートルぐらいあります。
基壇の高さも2メートル以上、こんな田舎町になぜこんな壮麗な建築群があるのか、あるいは田舎町だからこそ保存されたのでしょうか。 -
弥陀殿のシ尾、華麗な瑠璃瓦で造られてます。
五台山の南禅寺、仏光寺や大同の上・下華厳寺と比べると次第に凝ったつくりになっていくのがよく分かります。 -
弥陀殿の扁額です。縦4.3メートル、横2.1メートルもあります。写真では分かりにくいのですが、実物を見ると「金大定24年」の文字がはっきりと読み取れます。
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境内の最も奥にある観音殿です。創建は金代(築年は不詳ですが、弥陀殿と同じぐらいと思います。)。殿内には中心に明代の観音菩薩像、左右に普賢、文殊菩薩像を祀ってます。
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こちらが観音菩薩像です。
普通日本の寺であれば建物と仏像は同時期に造られた物が多いと思うのですが、中国の場合建物と比べて仏像が新しい場合が多いようです。
途中で廃仏があった?あるとき宗派が変わり破棄された?もともとは金銅仏だったのが時の権力者に強制的に供出させられた?想像は妄想を呼びます。
本当のところはどうなんでしょうね。 -
朔州から応県まではバスで2時間。変化に乏しい平坦な道のりです。チケットは朔州の駅前にあるバスターミナルで楽勝で買えます。
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応県の木塔は遼代(1056)年の建立で、正式には仏宮寺釈迦塔といいます。
中国では珍しい木造の塔です。8メートルの基壇の上に建ち、外観は5層ですが、実際は実際は9層、高さは67メートルもあるそうです。 -
塔内には仏像が安置されています。
第一層の釈迦像はなかなか大きいものでした。 -
第3層の釈迦像です。前回来たときは塔の内部の参観が出来なかったので感動です。
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この巨大な木造建築物を作るには相当の木材が必要だったと思いますが、建立した九百年前は今では木材資源が枯渇している山西省でも相当の木材資源があった、つまり山々には巨木が生い茂っていたのでしょう。
伐採したあと植林せず、下草は羊に食べられ禿山状態となり、強風や豪雨により表土層が流失したのがいま私たちが見る殺伐とした山西省の山々なのでしょうね。 -
塔に入り、階段を上ります。フラッシュを焚きましたが、実際は傾斜がかなり急なうえ、足元に小さな照明があるだけですので、滑ったり、踏み外さないよう注意が必要です。
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第1層の釈迦像の後ろには壁画が描かれています。
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最後にもう一枚、木塔の写真です。ちなみに入場料は60元です。日本人のレベルで見ても相当高価です。いわんや中国人から見て・・・。
塔の保存に使われるならまだしも、次の写真にあるような街の再開発に使われているとしたら噴飯物ですな。 -
応県の中心を貫く街道から木塔までの道は写真のようによく整備されていましたが、店で売っているものといえば日用品や衣類で旅行者とは無縁のものがほとんどです。
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いよいよ雲崗石窟を再訪します。
入場料は60元。見ごたえからいってこの値段は納得。
崖の上に見える城壁は雲崗堡といわれる明代の要塞の一部です。万里の長城ではありませんので念のため。 -
雲崗石窟は京都大学が調査した当時、雲崗石仏寺といわれ、東は第5窟から西は第13窟までが寺域と認識され、それ以外は土壁で仕切られ石窟のすぐそばまで農家が迫り石窟の中は納屋として利用されていたというのは驚きです。
この20窟の釈迦像も膝まで過去に崩落した土に埋もれていたとのことです。 -
第5窟を覆うお堂です。
清代のものですので念のため。早朝にもかかわらず中国人の団体客がわんさか詰め掛けています。 -
第5窟
本尊の大仏です。オーブっていうんですか、たくさん浮いています。他の写真にはほとんど写っていないのに不思議ですね。 -
窟の番号を失念してしまいました。
すこしオーブが写っています。 -
第11窟
7仏像。浮き彫りになった美しい仏様です。壁から浮き出るかのような見事なつくりです。 -
第6窟の壁面に彫られたお仏様たちです。
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こちらも第6窟の仏様です。
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第6窟
左から文殊、釈迦、維摩居士の三尊です。 -
第8窟
ヴィシュヌ神像。インドの神様もいらっしゃいます。 -
第11窟、
円空仏にも似た親しみやすいお顔の仏様です。彩色は清代の補修です。 -
仏像なのでしょうが、私は俗人の夫婦姿に思えてなりません。
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あまり目立ちませんが脇に彫られた小さな仏様もいいものです。
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こちらも比較的小さな仏様、美しいお姿です。
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窟の番号は忘れましたが、供養菩薩です。とてもきれいなので思わず撮ってしまいました。
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うりざね顔の仏様です。次の第3窟の唐代のお顔と比較すると興味深いですね。
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第3窟
雲崗石窟の中でも後期に属する像。他の像に見られないふくよかな姿は唐代の仏像に通じるものがあります。 -
第16窟。
曇曜5窟といわれる雲崗石窟の中で最も早く開鑿されたものです。
北魏の皇帝を模したといわれています。 -
第19窟
曇曜5窟の仏様はみな堂々とした体躯をしています。 -
第17窟だったかな?
凛々しいお姿です。 -
第20窟光背横の飛天像。
なかなか見つけにくいのですがいかにも飛んでいる!っていう感じです。 -
雲崗石窟へは駅前から3−2路の直通バスでいけます。料金は2.5元、市内はたらたら走りますが、郊外に出ると猛烈に飛ばします。
郊外のバス停に停車するとバイクタクが雲霞のごとく集まってくるのが面白かったな。
帰りもこのバスが止まってますので交通の心配はありません。 -
左が4年前に太原で買った「山西導遊」という山西省内の旧所名跡を紹介した本。オールカラーで日本では紹介されていないところが数多く紹介されています。
ただし、行きかたについては記述がないため、次に紹介するガイドブックと併用するといいでしょう。
この本、今回の旅行の先々で売っていましたから意外と人気があるのかも?。
右が在路上シリーズ「山西」。省別に出版されていて地球の歩き方中国版といったところ。観光地への交通、ホテル、レストラン、気候、治安等を網羅しています。私のお気に入りの一冊。中国で見つけたら是非購入することを勧めます。 -
こちらは雲崗石窟についてのネタ本。
左がNHKブックスで、戦中京都大学の雲崗石窟調査の際隊員だった長廣敏雄氏の著作。当時の状況、苦労が偲ばれます。当時大同からの観光バスが運行していたというのは驚きです。
右が奈良の飛鳥園の写真家、小川晴昜氏の雲崗石窟の写真集。
60数年前と現在の石窟を比較してみると面白いものです。新潮社からの出版ですが絶版となっていると思います。石窟に興味がある方にお勧め、古本屋で探してみてね。
京都大学の調査隊に便乗して撮影したらしく上記の京都大学の方々にとってはいい迷惑だったらしいとの記述が上記のNHKブックスにあったのは笑えました。
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