2007/05/27 - 2007/05/27
150位(同エリア168件中)
早島 潮さん
平成19年5月27日(日)
昌珠寺を後にしてラサ空港へ向かった。
ラサ空港はヤルツォンポ川の河川敷に作られた空港でありラサ市内までは車で1時間半どもかかる不便な場所にある。
空港前のレストランでチベット風のサンドイッチを食べた。これがなかなか美味しい。
ラサの国内線は新しく建設された建物で使い勝手もよく北京オリンピックからラサへ流れる観光客を意識して設計されたものと思われる。
ラサから成都を経由して北京まで飛び北京で一泊して成田へ帰ってきた。
新しい北京空港でフライト待ちをしている時、経験した出来事をいくつか書きとどめて今回の紀行記を閉じることにする。
便意を催し手洗いに駆け込んだら個室はいずれも使用中らしく鍵がかかっている。仕方がないので空くのを待つことにした。他の旅客も何人かが入ってきたが空室がないのを知るとそのまま立ち去っていく。部屋には筆者だけが残された。その時やおら清掃人が現れて使用中の個室を鍵で開けた上、紙で便器を拭き手招きして使えと言う。不思議に思いながら入っていくと手を出してチップと言う。たまたま使い残した現地の小銭があったので与えたが、このような手口で小遣稼ぎをするしたたかな中国人がいる現実を知った。
空港待合室は座席の数も多くオリンピックに向けた国の力の入れ方が反映している。
待合室に自動販売機が設置されているが使いかたが複雑で紙幣は弾き返されることが多い。観察していると一度で目的を達成できたひとはなく何度もトライしてやっと目指す飲み物を手にしていた。コインの流通量が少ないからなのだろうか。謎である。
北京から成田までは隣の席に中国人の青年が座ったので話しかけると親会社の新潟の工場へ生産革新の研修のために同僚9人と2週間の予定で出張するのだと言う。9人のリーダー格のようである。メモ用紙に筆談で会話を楽しんだ。簡体字が出てくると判らないと言うと繁体字に書き直してみせた。向学心に燃えた好青年であった。
書き残したことの幾つかを付記しておこう。
チベットは様式文化の国であり個性の発揮は疎んじられる。タンカの制作は定められた通りの形状に定められた通りの描法で描かなければならない。
チベットに伝えられるタンカ等の芸術的な名作には作者の署名がないので誰が作成したものか不明のものが沢山ある。
個性が疎んじられるからチベットには伝記が残されていない。そして墓がない。
遺体は鳥葬に付され骨は土に混ぜて土偶にし峠などに放置され土に返るのを待つことが多い。
遺体は川に流されることもあるので、魚は遺体を食べていると信じており魚を食べることを嫌う人が多い。
空気が乾燥しているので入浴の習慣がない。
中国政府はチベット人民を奴隷社会から解放したと宣伝するがチベット人の本心は政治・宗教の権限を持つダライ・ラマ制度の復活を心密かに待ち望んでいる。
- 同行者
- その他
- 一人あたり費用
- 30万円 - 50万円
- 交通手段
- 観光バス
- 航空会社
- 中国国際航空
- 旅行の手配内容
- ツアー(添乗員同行あり)
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