プロローグ　http://www.tetujin60.com<br />ヨーロッパで一番先に春を迎えるキプロス島。<br />四国の半分ほどの島は南北を<br />分断しているグリーンラインは<br />東西３００ｋにも及ぶ。<br />そのうち３３％の領土は北側であり、<br />未だに３％の基地をイギリスが保有している。<br /><br />昔は仲の良かった民俗をイギリスとアメリカが分断した。<br />北と南では貨幣も物価も違い、<br />国境を越えるには全ての人がパスポートを必要とする。<br /><br />１９７４年７月に北はトルコ系住民の保護を理由に<br />独立宣言「キプロス連邦トルコ系住民共和国」となる。<br /><br />南北の分断は５ヶ所に通関のあるグリーンラインを、<br />地図上で色分けされている。<br /><br />分断以来、国連平和維持軍が配属され<br />厳重に警戒されているようであるが、<br />何だか形式的なものを感じる。<br /><br />その証拠に軍隊に挨拶をすると<br />手を振って答えるほどのリラックスさ。<br />２００４年５月に南部がEUに加盟して<br />南北の交通が自由になり、<br />観光客も北を訪れる事が出来るようになったのは<br />まだ三年前のことである。<br />９０００年の歴史を持つ島は、<br />春先には黄色いディジーの花が南北を問わず<br />路端沿いに国境線を越えている。<br />何時しかひとつになる時を期待しているが、<br />イスラム教とカトリック教の違いが統一を遅らせているのだろうか？<br /><br />キプロスの長い歴史は交通の利便さから幾多の民族の標的にされた。<br />ギリシャ・アッシリア・エジプト・ぺルジャ・ローマから<br />ベネティア共和国時代を経て１９６０年にキプロス共和国が誕生している。<br /><br />島では４つの貨幣が使われユーロ・USドル・キプロスポンド・<br />北トルコリラ、北のレストランでは北以外の貨幣は使えず何が何だかわからないが、<br />物価が高いことだけは確かだ。<br /><br />地中海の中ではシチリア・サルディアに次いで三番目の大きな島だ。<br />私がこの島を是非訪ねてみたいと思ったのは、<br />５年前にある雑誌の記事に出会ったからである。<br /><br />香港在住の日本人がキプロスのパフォスの近くに永住を求めた。<br />その理由は「この島には子供の頃に育った日本の田舎と同じものがある」<br />「近所づきあいも多く、人々は温かく、<br />多くの国が失いかけているものがここにはまだある」と感じた…とあった。<br /><br />黄色いディジーや菜の花が花絨毯のように水平線まで敷き詰められ、<br />花ずおう・ゲジェナイト（夜に香る）、<br />スモモにアーモンドの花が満開、まるで日本の春の風景。<br /><br />石灰岩にしがみ付くように咲いているのは舌を噛みそうな名前の<br />「アラピスプルピレア」（キプロスだけの花）は<br />、標高１９００mの岩肌に咲く美しさにバスも臨時にストップ。<br />ヘアーピンカーブの道中も疲れを感じさせないお花見。<br /><br /><br />

地球の島めぐりー４３島目キプロス島・プロローグ

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2007/03/18 - 2007/03/29

53位(同エリア64件中)

#世界遺産

鉄人６０さん

プロローグ　http://www.tetujin60.com
ヨーロッパで一番先に春を迎えるキプロス島。
四国の半分ほどの島は南北を
分断しているグリーンラインは
東西３００ｋにも及ぶ。
そのうち３３％の領土は北側であり、
未だに３％の基地をイギリスが保有している。

昔は仲の良かった民俗をイギリスとアメリカが分断した。
北と南では貨幣も物価も違い、
国境を越えるには全ての人がパスポートを必要とする。

１９７４年７月に北はトルコ系住民の保護を理由に
独立宣言「キプロス連邦トルコ系住民共和国」となる。

南北の分断は５ヶ所に通関のあるグリーンラインを、
地図上で色分けされている。

分断以来、国連平和維持軍が配属され
厳重に警戒されているようであるが、
何だか形式的なものを感じる。

その証拠に軍隊に挨拶をすると
手を振って答えるほどのリラックスさ。
２００４年５月に南部がEUに加盟して
南北の交通が自由になり、
観光客も北を訪れる事が出来るようになったのは
まだ三年前のことである。
９０００年の歴史を持つ島は、
春先には黄色いディジーの花が南北を問わず
路端沿いに国境線を越えている。
何時しかひとつになる時を期待しているが、
イスラム教とカトリック教の違いが統一を遅らせているのだろうか？

キプロスの長い歴史は交通の利便さから幾多の民族の標的にされた。
ギリシャ・アッシリア・エジプト・ぺルジャ・ローマから
ベネティア共和国時代を経て１９６０年にキプロス共和国が誕生している。

島では４つの貨幣が使われユーロ・USドル・キプロスポンド・
北トルコリラ、北のレストランでは北以外の貨幣は使えず何が何だかわからないが、
物価が高いことだけは確かだ。

地中海の中ではシチリア・サルディアに次いで三番目の大きな島だ。
私がこの島を是非訪ねてみたいと思ったのは、
５年前にある雑誌の記事に出会ったからである。

香港在住の日本人がキプロスのパフォスの近くに永住を求めた。
その理由は「この島には子供の頃に育った日本の田舎と同じものがある」
「近所づきあいも多く、人々は温かく、
多くの国が失いかけているものがここにはまだある」と感じた…とあった。

黄色いディジーや菜の花が花絨毯のように水平線まで敷き詰められ、
花ずおう・ゲジェナイト（夜に香る）、
スモモにアーモンドの花が満開、まるで日本の春の風景。

石灰岩にしがみ付くように咲いているのは舌を噛みそうな名前の
「アラピスプルピレア」（キプロスだけの花）は
、標高１９００mの岩肌に咲く美しさにバスも臨時にストップ。
ヘアーピンカーブの道中も疲れを感じさせないお花見。