ヨルダン･シリア１８

2007/04/15 - 2007/04/15

４月１５日（日）

ホテルの窓から朝日を見た。ここまでお供をしてきた宅急便のカバーはとうとう破れてしまった。ありがとうよ、とゴミ箱に入れた。代わりに、熱海市の大きなゴミ袋をかけた。熱海の宣伝だよ。真鶴でなくて残念だけど、こっちの方が大きいんだ。

アレッポを後にして、バスはラタキアへ向った。
先ずはエブラ遺跡による。エブラは小高い丘の上にあり、360度の視界が広がる。今は斜面の緑で羊たちがのんびりと草をはんでいる。

ここに7500人ほどの人たちが暮らしていたのだそうだ。エブラとは「白い丘」と言う意味で、１９６８年イタリアの考古学者らが発掘して、BC３０００年からの文明が存在していたことがわかった。エブラ文書と言う粘土板が発見された。

サラディーン城に行く。
サラディーン軍とが十字軍との戦いの場である。谷を隔てた丘の上にある。車で上まで行くというのでカメラバッグを持っていったら、入り口から階段を上った。しかしすごいところ。
バスは入れないので、小さな車に乗り換えて移動。急峻な谷沿いの坂道を下って、上っていく。ここの攻防も激しかったという。

お仲間の女性が、「自分はクリスチャンだけど、知れば知るほどイスラムは寛容。それに引き換え、キリスト教は偏狭」と言った。「そうなんだけど、日本には欧米を通したキリスト教世界から見たイスラムしか伝わっていないから、誤解が多いよ。ヨハネ・パウロ２世が十字軍は誤りだった、と謝罪したね」すると彼女「サラディーン素敵ね。旅するたびに歴史上の人物に恋しちゃう。私は恋多き女」と言った。「歴史上の人物に恋いしたって、実害はないんだから、大いに恋して頂戴」旅すれば知る、それが異文化の理解につながるのは喜ばしいことだ。

ウガリット遺跡。フェニキア人の作った町。小さな遺跡だが、ここでアルファベットの原型となったウガリット文字の石版が発見された。遺跡は咲き誇る花々で覆われ、甘い香りが当たり一面満ち満ちていた。どの花の香りなのだろう、探したが、わからない。きっと一つ一つはかすかな香りなのだろうが、無数に咲き乱れる花々から香るので、この空気をいい香りに変えているのだろう。
ここには空色のアイリスもあった。

ラタキアはBC3世紀にフェニキア人がつくった地中海に面した港町。人口100万。ホテルにはプライベートビーチがある。しかしあいにくなことにルームは海側ではなかった。

エリア ラタキア(シリア)

日の出。まだ眠りから覚めないアレッポの町。右、高い建物は市庁舎。

エブラ遺跡

こんにゃくの仲間（サトイモ科）だと思うんだけど、
この花はなんて名前？

Eminium spiculatumということがわかりました。

サラディーン城遠望。
昼食を取ったサラディーン・キャッスル・レストランは谷を隔ててサラディーン城と相対している。

谷に囲まれた山の中の要塞。BC1000年殻フェニキア人が要塞を築いてきた。その後十字軍が強大な要塞を築いたが、1187年、サラディーンがこれを包囲、2日間で落とした。

上空から城を見ると菱形をしているそう。

ウガリット遺跡で私達を迎えてくれたのは、あたり一面に満ち満ちている甘い香と無数に咲き乱れる、この黄色い花だった。

遺跡はお花畑を散歩しているようなたのしいものだ。アザミの種類が何種類も見られる。これはチョー特大のアザミの花。蕾と開花と並べてみた。

ウガリット遺跡。たくさんオ粘土板が発見されたところ。

テーブルに使った石だとか。円卓だったんだね。

ウガリットから発見された粘土板から、フェニキア人が使っていた楔形文字がアルファベットの原型になったといわれる。

ウガリット楔形文字

熱海のゴミ袋をかけたバッグ。

今回は宅急便のカバーをかけておいたので、汚れなかった。そこでいつも持参している大判のゴミ袋をバッグにかけた。Good　ideaでしょう。ゴミ袋にポリ袋をたたんでしばって手にした。

ツアーの皆さんの荷物と比べたら小さいので、このバッグはいつも荷物の一番上に乗っていた。