2007/01/01 - 2007/01/03
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worldspanさん
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私がイランのエスファハーンの安宿に宿泊していた時の事、知り合ったドイツ人の男性とチュニジア人の女性が世界の国の中で何処の国が最も魅力的なのか?を言い合いしはじめた。当時安宿のドミトリーで同室だったこの二人のうち、チュニジア人は自国の美しさをまるで詩を詠んでいるかの如く喩えた。一方のドイツ人はチュニジアの美しさに関して否定したわけではないが、この北アフリカから中近東の地域で何処の国よりも突出した美しさを持つのはイエメンであると彼は言い切った。
私はこの激しい論争の傍観者だったが、そもそも旅をしていてドイツ人に逢わない事がないといっても過言ではないほど、ドイツ人は日本人の旅行者と同様に「本当の旅好き」が多い。そのドイツ人に美しいと言わしめたイエメンは一体どのような国なのであろうか、と初めて関心をもった。元々イエメンはとても魅力的な国であることは他の日本人の旅行者からも聞いていたが、訪れてここまで良いとは思いもしなかった。
今回サナアに滞在したのは僅か三日間、短期間で知り尽くす事はできないが、今まで訪れた街の中で最もビジュアル的なインパクトが強い街の一つであったことだけは確信できる。萱と泥を固めたこげ茶色のレンガ作りの建物は、窓や際の部分を白い塗料のようなものが塗られ、まるでチョコレートケーキに生クリームでデコレーションをしているようにも見え、建物を齧ってしまえば砂糖の甘さが口の中に広がっていくのではないかと思えてしまう。
この白い塗料のようなものは石灰質の岩石を火で炊いた後、叩いて潰し、漆喰を混合したものだと聞く。この塗料のようなものはヌラーと呼ばれ、建物の風化防止や防水の役割を果たし、ヌラーはその昔、大変高価なものだった為、建物にこの「白色」が多いことは裕福な家の証しでもあった。
城塞都市でもあるサナアでは、城壁の中で人口の膨らみと同時に上へ上へと建物は増築され、11世紀には世界でも類稀な高層建築都市に発展した。こうしたサナアの建築物は、一階に家畜が飼われ、二階が道具の保管室、三階は食料庫と台所を兼ね、そして四階よりも高い階に人が居住していたそうだ。建物は隣同士ほんの僅かな隙間しかないものが多いが、これは城壁内での土地が少ないこともさることながら、侵略者が城壁を破り侵攻した際、隣の建物を伝って逃げることもできるようになっているのだと言う。尤も、侵略者が容易く中に攻め入らぬように、路は迷路のように曲がりくねり、一体何処に通じているのかも、わからないくらいだ。
建物の窓は扇形をした「カマリア窓」と呼ばれる小窓が設けられ、現在その小窓にはステンドグラスがはめ込まれているものも少なくない。一階は外敵の侵入を防ぐために窓が殆どなく、サナアの旧市街は本格的な城塞都市といえるだろう。
ギュウギュウ詰めに、肩を寄せ合うように築かれたサナアの旧市街もすばらしいが、サナアの良い所はなんといってもサナアの人たちの優しさだ。路を尋ねて、仮に彼が道を知らずとも、知っている人を探してくれもする。「昨日の友は今日の敵」と言うのがアラブの国民性、と何かの本に載っていたが、サナアでは本当にそうなのだろうかと疑ってしまうほど社交的で、気が優しい。そして路で出会う人の多くが「ハロー!」と声をかけてくる。東南アジアの路上で声をかけられたりした時には、まずその人を疑ってかからねばならないが、サナアの人たちは純粋に社交的なのであろう。女性は殆ど全てアバヤを着、顔をベールで隠しているが、そんな彼女達でも声をかけてくる。
続きは写真の解説にて・・・
- 同行者
- カップル・夫婦
- 交通手段
- 高速・路線バス タクシー
- 航空会社
- エミレーツ航空
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マリーブに都を置いたシバ王国の支配下の紀元前10世紀頃、サナアはインドからの香料、中国からの絹織物、そしてオマーン南部やイエメンの塩や乳香の交易で栄えました。特に乳香は宗教の儀式などに用いられ、当時金と同等価で取引され、シバ王国の重要な収入源となっていました。
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キャラバンたちの中継地点として、当時類なる発展を遂げたサナアの町ですが、海上輸送の発達による交易ルートの変化や、乳香の重要性を失うことによりシバ王国は紀元前1世紀には衰退していきます。
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サナアはその後、5世紀にヒムヤル王国の都としても栄えましたが、7世紀ペルシア人の襲来により、サナアの住民はイスラム教に改宗されたといわれています。
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イエメンの伝統的な建築様式をそのまま利用したタージ・タルハホテル。
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6階建ての建物で、エレベータは当然ありません。階段の一歩一歩が高く、更に町自体が高地にあるせいか、階段を上がるときにいつも以上に息が上がってしまいます。床にカーペットが敷かれ、マットレスの上に寝ます。扉はまるでお蔵の扉のようでした。
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写真はホテルの食事。
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かつては5門あったイエメンの旧市街ですが、今ではこのイエメン門を残すのみ。街を囲っていた城壁も未だに多く残されています。こうした城塞都市は敵に囲まれ篭城戦を展開することも想定してか、旧市街にはこうした農場も作られたことからも、本格的な城塞都市であることが判ります。
因みにイエメン門の前に止まっている黄色と白色の車はタクシー、その多くが日本製ですが20〜30年前の古い車ばかり。旧市街の細い路地を走るせいか、運転が荒いのかどれもボコボコです。メータータクシーではないので、事前に交渉が必要です。 -
こうした城塞都市は敵に囲まれ篭城戦を展開することも想定してか、旧市街にはこうした農場も作られたことからも、本格的な城塞都市であることが判ります。
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町のいたるところにモスクがあり、早朝、夜も明けぬうちから大音響で、競うようにアザーンが響き渡り、何事かと飛び起きてしまうほど、ビックリします。
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サナアの旧市街から所変わって、タリハール広場周辺にあるレストランです。パレスチナと言うレストラン、これで合計800円くらい(二人分)!意外と高くつきました。
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一方その向かいにあるファーストフード店はこれで一人200円弱・・・。こっちにくればよかった。右のフライドチキンとポテトにはケチャップ、チリソースのほかにニンニクソースも付いており、ニンニクソースはチキンにもフライドポテトにも抜群の相性でしたが、胃腸の弱い自分は後にお腹にガツンと一発来て、トイレの近い場所から離れられなくなってしまいました。
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イエメンの伝統的に土をわらのようなもので編んで作られた建物。木製の出窓がおしゃれですがちょっと力をかけると落ちそうです。
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一方右側は最近建設された、若しくは改築されたであろう建物。古い建物と異なり、窓が多く、レンガつくりなのが特徴です。
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タージ・タルハホテルの屋上から見た夜景。写真で撮ると、少し明るく見えますが、実はかなり薄暗く、夜景を楽しむと言う感じではありません。しかしながら夜屋上に立ちアザーンの流れる旧市街を見渡すとなんともいえぬ心地よさがあります。
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タージ・タルハホテルの向かいの建物を改装した新手のホテル、ダーウィットホテル。こちらの方が写真を見ての通り、改装が新しいため部屋も綺麗で、最近ではタージ・タルハホテルよりもこちらの方が人気があるのだとか。
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イエメン人の男性は本当にフレンドリーで、街を歩けば声をかけてくるほど陽気です。道に迷えば、親切に教えてくれ、イエメンに訪れた人たちはイエメンが好きになると言うのも、この民族性があってこそなんでしょうね。
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男性はお腹の辺りにジャンビーヤと呼ばれる半月刀を差している人が多く見受けられます。ジャンビーアは日本で言えば武士の魂の刀のようなもので、その昔この刀を抜くと言うことは相手を殺す事を意味していたので、現在でも相手に向かってやたら滅多に振りかざすことはないそうです。指している人のジャンビーアをいくつか見ましたが、刃は焼かれておらず、お土産店で売られているような形だけのものも多いようです。
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イエメンは敬虔なイスラム教徒が多いようで、旅行者以外の女性でアバヤに身を包んでいない女性は全く目にかかることはありません。目だけを出した女性もいれば、右の写真のように目までもこうしてベールで覆った女性も多々見かけます。とはいえ彼女達は全て閉鎖的というわけではなく、街を歩いていると通りすがりに「ハロー!」と声をかけてくる人たちも中にはいました。アバヤとベールに包まれた女性でどうやって自分の妻や友人だと見分けが付くのか不思議ですよね。
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一方小さな女の子はこうして顔も出して歩いている子が殆どですが、中にはアバヤを纏った子供も中にはいます。女の子も外人を見るとニコニコしながら話しかけてくるところをみると、アバヤを着た女性は取っ付きにくいですが、実は社交的な側面があるのかもしれません。
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この旅行記へのコメント (4)
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- aminaさん 2008/08/20 00:34:37
- 社交的で心優しいアラブの人々
- はじめまして。
本当に、アラブの人々はものすごく親切で心優しく、フレンドリーですよね・・!
すごく親日的で、歩いていると出会った人皆が話しかけてくれる。この何とも言えない温かさがなんともいえず心地よく、ほっとして幸せを感じます・・。
シリアやパレスチナなどでもそうでした。
「今日の友は明日の敵」など、本当にアラブ、イスラムの人々に関しては人間性のないような言葉が多く書物やメディアで広まっていますが、本当に、あまりに本当のアラブ、イスラムの人々と違うので、正反対と思えます。
こういう実際には存在しないアラブ、イスラム教徒への悪いイメージは、中世ヨーロッパの十字軍の時代、中東の繁栄を妬んで略奪を行った時期から創り出され広められ、そのまま欧米の情報を日本が学んだ結果だそうです。
そして今はイスラエル系資本のCNNを初めとした大手メディアがそれを思いっきり多用している訳です・・。
本当に、実際の世界で一番明るく心優しいアラブ、イスラムの人々が勘違いどころか差別されている現状がかわいそうでなりません。
イエメンは、本当に世界中を旅した人にどこが一番行ったら良いか聞いた時に皆答えますね。
ぜひぜひ行って一目見たいです・・・!
- worldspanさん からの返信 2008/08/20 12:47:21
- RE: 社交的で心優しいアラブの人々
- aminaさん
はじめまして。書き込み有難うございます。
アラブ人は相手が高慢に出られると日本人以上に相手に対して嫌悪感を持つのだそうです。とりわけ欧米人はアラブやアジアを低く見る人が少なくないので、アラブ人も感じ取るのだと思います。アラブ人は嫌いになると、それがもう許せなくなってしまい、欧米人もアラブ人の態度にあまり良い印象を受けないのだと思います。
それに対して日本は経済大国として一目置かれている上、そんな大国の国民が腰が低くアラブ人に接するので、アラブ人は日本人に対してはとてもよい印象を持っているということを聞いたことがあります。なかでもイエメン人の優しさは群を抜いてました。エジプト人はカネ、カネ、カネなので嫌気が差しましたが、イエメン人と接すると本当のアラブ人の姿を垣間見れたような気がします。
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- sate8さん 2007/06/22 20:23:08
- お気に入りに登録ありがとうございました。
- こんばんは。
さきほど気がつきましたが、shijoさんの
海外渡航地図、ユーラシア大陸が
ほぼ塗りつぶされていますね。
イエメンの旅行記、拝見しました。
建物の茶色と、飾りの白のコントラストが、素敵ですね。
旅行記の中に出てきた
タージ・タルハホテルの向かいの建物を改装した
ダーウィットホテル、
夜になって、窓にあかりが灯るとキレイですね。
タージ・タルハホテルホテルもでしたが、
窓の上の方は、ステンドグラスになっている建物が
多いのでしょうか。
- worldspanさん からの返信 2007/06/22 23:58:21
- RE: お気に入りに登録ありがとうございました。
- sate8さん
こちらこそ承認ありがとう御座います。
ユーラシア大陸・・・、そうですね(苦笑)。でも私の好きな中東欧圏がユーラシア大陸を占める割合が広いので、そのようになっているのかもしれません。東南アジアはトランジットで立ち寄ったついでに足を伸ばしたりしたものばかりですから(笑)。
さてステンドグラスですが、普通の窓にステンドグラスを入れているの建物は殆ど見たことがありませんでした。タージタルハホテルもそうですが、ダーウィットホテルのように扇形のカマリア窓にしている建物はいくつも見かけることがありました。尤もダーウィットホテルのステンドグラスは改装したので、余計に綺麗に見えるのでしょうね。
それにしてもsate8さんの仰られるとおり、建物の白色とこげ茶色のコントラストは本当に最高ですよね。タージタルハホテルの屋上からボーっと町並みを眺めたりしたのですが、それがまたなんともいえぬ光景で最高でした。
日が暮れた頃、アザーンがいたるところで鳴り響くわけですが、そんな時やどの屋上で座り、サナアの夜景を見ながらアザーンを聞いていると、このアザーンが何とも心地良いんですよ。心が安らぐというか・・・。
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