カンクンでカンキンできない＠カンクン

2006/12/01 - 2006/12/01

物価がとても高いことで知られるユカタン半島のリゾート地、カンクン。僕はこの町で窮地に陥っている。メキシコに入ってから突然、銀行のキャッシュカードで現金をおろせなくなったのだ。何度ATMで試しても、うんともすんとも言わず応答がナイ。予備のキャッシュカードは強盗に襲われたときに失ってナイ。代替できるトラベラーズチェックはほとんど使ってしまいナイ。（残り２５０ドル）グアテマラ通貨を両替した手持ちのメキシコペソは心元ナイ。（残り５００ペソ＝５０００円強）

　現金がなければ、これ以上旅を続けられない。日本のCITIBANKに電話して、使えない理由を確認しよう。こういうときに限って電話は話中で繋がらない。国際電話なのでこの支払いも安くはない。「もうしばらくお待ちください」というアナウンスが無常にも繰り返されるばかり。オペレータが出たらどれだけ怒ってやろうかと考えていたが、怒ってしまうとその分通話料がかかる。仕方ない、とにかく単刀直入に伝えたいことだけ話そう。イライラしながら待つこと１５分、やっと繋がった。と思いきや、担当者は「理由はわからない、どうしようもない」の一辺倒。ム、ムキィィィーーー！！！こっちは海外で窮地に陥っているのにもう少し考えんかい！と電話で怒ろうと思ったがこれまた通話料が心配。別れの挨拶も早々に電話を切り、次の対策を考える。

　虎の子のトラベラーズチェックを使おう。銀行は週末＆月末でめちゃめちゃ混んでいた。行列で店外まで溢れんばかり。中米の銀行は何処でもそうだが日本では考えられんほど混雑する。何でも給料は振込ではなく、銀行での現金払いが多いかららしい。とにかく僕も並ぶしかない。1時間30分ほど経過してやっと僕の番が来た。

　窓口にトラベラーズチェックを見せると露骨に嫌な顔。ここで僕が怒って、相手の機嫌を損ねて換金できなくなってしまっては元も子もない。「ぽるふぁぼぉぉーーーる〜（お願いします）」と謙虚にペコペコ頭を下げる。今の僕は現金をくれるのであれば何でもする。謙虚さが受けたのか、窓口はそこにサインしろとの指示。250ドル分残り全てのトラベラーズチェックに急いでサインし、窓口に手渡す。窓口はそれを持って奥の部屋へ向かったが、すぐにやっぱり出来ないと戻ってきた。理由を聞くとよくわからんが直営のアメックスで換金しろとの返事。おいおいおいおいおい、サインまでさせといてなんでやねん。しかも別の日本人は昨日換えれたと聞いたぞ。これだけ並ばせといて。面倒くさいだけやろが。僕の怒りは頂点に達した！しかし、スペイン語で怒りの表現が出てこない。日本語で怒るべきか？一瞬迷ったが、頭の回転が怒りに追いつかず出てきた言葉は

「ブカペロンスパンベチョンブレェー！！！！！！」

何だかわけのわからない奇声を発しとにかく怒った。

　窓口は圧倒されかなり驚いてはいるが、返事は変わらず出来ないのジャスチャー。僕はサインしてしまったトラベラーズチェックを奪いとり、「プップツクプププププゥ〜〜！！！！！！」とまたしてもよくわからん怒りの自分語を捨て台詞に走り去った。

　他の銀行はこの時間もう開いてないし、何よりサイン済みのトラベラーズチェックを換金することはできるのだろうか？この怒りを何処にぶつけようか。

「パッパロペロンデビチャァー！！（もはや自分語）」

ビール片手にカリブ海に向かって叫んだ。まあいいや、現実逃避しよう。現金がナイ。この旅最大のピンチ。進退窮まったナリ。

エリア カンクン(メキシコ)

カンクンﾎﾃﾙゾーンのビーチです

カンクンセントロの夜景

カンクン　カリブ海