2006/10/01 - 2006/10/01
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秘湯マニアさん
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10月1日(日)曇り
二人の旅は長野から始まって、北海道から沖縄までほとんどの地域に足跡を残してきた。しかし、ただ一つ、未だに一歩も足を踏み入れたことのない大きな島がある。それは四国だ。しまなみ街道など本州と四国を結ぶ橋が四つもできて便利になった、とは言うが所詮、関東からでは飛行機の旅になる。今年は旅行に出る回数が多過ぎるが、やはり知らない土地を訪ねる誘惑には抗し難い。今回もANAの格安航空券の発売に合わせて出かけることにした。
四万十川は日本最後の清流として、いろんなメディアに登場している。それでも僕たち昭和30年代を知る者にはノスタルジィを感じるので四万十川は外せない。折角四国に行くのだから、明治維新の立役者坂本竜馬の像が太平洋を見つめる桂浜も行ってみたい。
で、この2ヶ所を結んで3日間のコースとし、松山から四国カルスト台地を通って自然の造形美を楽しみ、四万十川沿いに下って土佐中村から足摺岬へ出て、桂浜を見たあと高知から帰って来る、というコースを設定した。
行く前にはガイドブックもインターネットもいろいろ調べたのだが、行ってみなければ分からないことも沢山あった。それこそが旅行の楽しさでもあるのだが。
四国松山への飛行機は7時20分羽田発松山行きANA641便。前回の九州黒川温泉への旅の時よりも1時間も早い出発だ。今回は、朝5時出発を目標にしていたが、実際には少し遅れた。それでも東名も湾岸も順調に走って空港中央までほぼ1時間で到着。第三駐車場の3階に停めて、全日空カウンターでチェックイン手続きをしたあと朝食。3階にある和食の店「門左衛門」。僕の鯵の開き定食と文子の鮭の定食で1,960円。今日は時間がないので食べ終わって早々にチェックインする。飛行機には109番からバスで行く。
飛行機は熊本へ行く時と同じボーイング737-300だが、朝早い便のせいか満席状態だった。飛行機の中で到着地の天候は雨、と案内がある。1時間20分の飛行で着いた松山空港は、周りに民家が沢山立ち並ぶ町中の空港だった。雨はそれほど激しい降りではないが降り続いている。トヨタレンタカーはistを手配しておいたのだが、今日の車はベルタだった。トヨタの営業所の直ぐ向かい側にローソンがあるので、最初にそこに入れてお茶の仕入れと、今回は500円のビニール傘も買う。今日の予定は四国カルスト台地に上がって景色を堪能したのちホテルに入る予定だったが、この雨では景色は期待できない。それどころか聞いた話では霧が深いそうだ。ということで最初の目的地を道後温泉に変更することにした。道後温泉は東の草津と並ぶ西の横綱だ。それに「千と千尋の神隠し」の舞台になった由緒ある建物でもある。四国カルストに行く場合でも時間があれば本来は寄ってみたいところだった。松山の市街地を抜けて道後温泉までは30分もあれば着いてしまう。道後温泉本館の前は狭い道で駐車場も分からなかったが、斜め向かい側に駐車場を発見する。入場は立ち寄り入浴と休憩付き入浴、それに部屋まで付く入浴とランクが分かれている。単なる入浴は500円と安いが座って休むこともできないので、その上の休憩付き入浴にする。これは部屋で休めてお茶とお煎餅が付いて800円。それに、持ち帰りのタオルを買うと200円なので、丁度1,000円になる。入場して奥の狭い階段を上がると大きな広間に着物を畳んで入れる浅い箱と座布団がセットで置かれて、沢山並んでいる。ここにはこの部屋専用の係りの人がいて、浴衣とタオルを用意してくれる。ここで男は着替えて湯殿に行く。女性は別途着替える場所がある。神の湯という湯殿はこのフロアの下(受付と同じ階)にある。脱衣所は一つだが、東の浴槽と西の浴槽に分かれている。どちらもタイルの同じ造りでシャワーもある。お湯は透明でやわらかい感じがする。タイルの色も薄いブルー系だからかもしれないが、露天でもないのにそんなに熱くはならない。西の浴槽の方が混んでいたが、驚いたのは浴槽に近いところのタイルにそのまま座り込んで手桶で沢山お湯をかぶっていたお爺さんが二人もいたこと。道後温泉では、これが昔からの入浴法なのかもしれない。東の浴槽に行ってみると、こちらは3人しかいなくて空いていた。一人が身体を洗っていた場所の下のタイルに円形の印があるが、ここが古代から、この地に湧き出ていた第一号源泉のあった場所だそうだ。お風呂に浸かっていた時には、それほど感じなかったが浴槽から上がると結構身体が火照っている。汗っかきの僕には浴衣付きのコースで良かった。上がってから利くのが道後温泉なのであろう。
2階の休憩所に戻ると文子も上がっている。道路に面した方に向って座っていると小雨交じりの風があって涼しい。お茶を飲みお煎餅を食べて、壁に貼ってあるいろんな紹介記事などを見てから着替え。女性は別に着替える場所があるそうだ。
外へ出てから道後温泉の街を歩く。女性が喜びそうな洒落たお店やスィーツのお店がある。店内の品全て千円、というお店は江ノ島にもあった。商店街のアーケードを抜けると道後温泉の駅に出る。この電車は伊予鉄道というそうだが路面電車だ。車両は結構洒落ていた。それに、ここには坊ちゃん列車という伊予鉄道初期の蒸気機関車がある。丁度、この蒸気機関車の入れ替え作業中で、実際に煙を吐いて走っていた。この駅の向かい側には坊ちゃんカラクリ時計という塔が建っている。道後温泉は夏目漱石の小説「坊ちゃん」の中に登場させているので坊ちゃんにちなんだものが多い。駐車場に戻って時間を見るともう11時半になる。どこかでお昼を食べるなら道後温泉で食べて行こうと思いガイドブックを見ると「にきたつ庵」というお店が載っている。さっきのアーケードから近そうなのでそこへ行く。アーケードの途中から右手へ歩いて行くと造り酒屋があって、そこが水口酒造。この造り酒屋さんの商品が「仁喜多津」という日本酒で明治28年から続いているそうだ。そのお酒を飲めるのが隣りにある「にきたつ庵」だが、入り口から和風で洒落た建物。店内に入ると靴を脱いで上がる。でも和室ではない。案内された席はカウンター近くの窓辺に面したテーブル席。カウンターの向こう側には一升瓶が沢山棚に並べられ、夜にはここが日本酒バーのようになることが分かる。カウンターの隅には、昼からお酒を飲んでいる老人が一人いた。僕たちが注文したのは1日限定20食という「蔵元膳」。ここのランチはみんな桶料理だが、桶料理にサラダ、お造り、ご飯と味噌汁、それにデザートの付いたお得なコースだ。桶の中には9種類の小さな小鉢が並べられ酢の物やお豆腐などが少しづつ食べられるようになっている。ここには地ビールもあるので1杯だけ頼む。このところ飲酒運転の事故が相次いだことから取締りが厳しいので僕は一口味見をするだけに留めた。僕たちが食べている間に店の外には入店待ちの人の列ができている。僕たちは待ちもせず直ぐに入店できたし、限定20食のお料理も食べられたのは余程タイミングが良かったらしい。
食べ終わって車に戻る時には雨が結構降っていて、傘があっても濡れてしまった。結局、駐車場には3時間も車を停めていたことになる。でも車のカーナビを今日の宿「雲の上のホテル」にセットすると、目的地到着は3時頃の予定、と出るので、意外と近いらしい。松山の街の中を通って松山自動車道へ向う。松山ICから松山自動車道に乗ると、高速とは言っても対面通行の道路だった。カーナビは内子五十崎ICで降りるように指示しているが、ここまでは松山から35キロくらいしかない。それでも地理不案内の人にとっては高速は便利で早いと思う。内子五十崎からは県道を通って国道197号線に向う。雨の中の単調な走り。途中、見るべきものもなく1車線の国道は淡々と続き、梼原の町に入る。狭い街中を抜け、峠に掛かったところで急に開けたところに出ると、そこが道の駅梼原。そして、それに隣接して雲の上のホテルと雲の上の温泉が建っている。ちょっと時間が早いので、少し戻って梼原の街から地芳峠という四国カルストへ登る国道440号線へ入ってみる。ところが街を抜けたとたん、道幅は極端に狭くなる。丹沢林道よりも狭い感じで、しかも悪路。それでも少し行ってみると、今度は工事で通行止め。迂回路はあるようだったが短時間では不可能だと判断して戻ることにした。でも、もし道後温泉に行っていなかったら、四国カルストからホテルへ行くにはこの道を通らなければならなかったはずだ。
結局、宿に到着したのは3時半。どこがホテルのエントランスか分からなかったが、レストランの横から2階に通じている階段がホテルへの入り口だった。レストランにも人がいなくてホテルも空いている感じなので心配になるくらいだったが、このホテルは高知ホテルの経営なので、対応は良かった。部屋は201号室。廊下の一番端で気兼ねなく使える。部屋はツインベッドの洋室。窓を開けると下の敷地にある雲の上の温泉の施設が丸見えだ。もう1面にも窓があるが、こっちのカーテンを開けるとレストランから見えてしまうので、こっちは実質的には閉めたままにしておいた。早速温泉に入りに行く。お風呂はホテルの中にもあるが、ホテルの方は露天がないので下の温泉まで歩く。でも宿泊者は無料で入れる券をくれるのだ。タオルとバスタオルも無料で貸してくれる。時間が早いせいか温泉は空いていて、露天にも人が少なかった。それでも初めは3人いたのだが、みんな上がってしまい、途中からは僕一人で占領していた。そう広い露天ではないが、横に長いので5〜6人は入っていられる。景色も山の中なので綺麗ではないが展望は開けている。ゆっくり浸かって出てくると丁度文子も上がってくる。温泉施設からホテルまで少し歩くが、火照った身体に丁度良いくらいだった。
夕食は6時半からレストランで。誰もいなかったが、僕たちの食事が終わる頃になって2組ほどテーブルに付いていた。普通のレストランをそのままホテルの夕食に利用しているので席はテーブルのままだが、料理は会席で美味しかった。前菜はツブ貝と川海老だが川海老は四万十川産となっている。お造りは鰹とハマチ、その後に焼き物として雨子が出てくるが、塩も利いてとても美味しかった。煮物は梼原産の野菜と鶏、そしてテーブルの上の陶板焼きでは梼原産の牛肉がサイコロステーキで焼かれている。最後に米茄子が出てご飯とお吸い物、そしてデザート。デザートはムースだったが、お皿にソースで綺麗に描いてあり、都会で食べるように美味しかった。
レストランを出る時に、温泉の入浴券をもう一枚貰っておき、お腹がこなれた9時頃に入りに行く。温泉の閉館は10時で、場所も場所なので中は空いていた。今度は露天風呂も貸し切り状態だった。雨は止んではいないが、小雨程度。露天に浸かっているには気持ちが良いくらいだった。温泉棟からホテルに戻る時に温泉の駐車場にキャンピングカーが1台止まっていた。今夜はここで泊まりなのだろうか。
- 同行者
- カップル・夫婦
- 一人あたり費用
- 3万円 - 5万円
- 交通手段
- レンタカー ANAグループ
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