2001/03 - 2001/03
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イスカンダル亜力山大さん
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三峡下り3日目
<西陵峡&三峡ダム&あわやタイタニックか?!編>
2泊3日の三峡下りクルージングも今日が最終日。
午後には宜昌で下船する。
短かったクルージング最終日は、まったりとした西陵峡から、三峡ダム建設現場を見ながら、葛洲ダムの船閘(船のエレベーター)を通って、宜昌で完結。
朝靄の向こうには、世界最大三峡ダムの工事現場が偉容を現す。
-
下の甲板から断崖を眺めた。
李白が『両岸の猿声啼きて住(や)まざるに』と詠んだ断崖も、上の方は煙雨に煙って見えない。 -
『軽舟已に過ぐ万重の山』
李白は江陵まで下ったが、私たちは、この向こうの宜昌で下船する。 -
西陵峡の朝焼け
雲の切れ目から朝日が差してきた。
なんとか晴れるかも。
晴れたら、三峡ダムの工事現場が見える。 -
北斗号の前を行くこのクルーザーは、どこまで下るのかなあ。
宜昌までだろうか。
それとも武漢まで。
まさか終点が上海、ってことはないだろうなあ。
晴れてきた\(^o^)/ -
前方にうっすらと三峡ダムの工事現場が見えてきた。
でかすぎて、ようわからん。
前回来たときは、延々と堰堤が続いていたが、今回はどでかい建造物とわかる。
けど、やっぱしでかすぎて、全貌はようワカラン。
内外の反対を押し切って、2009年の全面供用開始を目標に、長江(揚子江)中流に三峡大壩(三峡ダム)が建設真っ最中だ。
場所は西陵峡下流の三斗坪。
正確には、
北緯30度49分29.80秒、東経111度00分21.15秒。
(Google Earthによる) -
林立するトンボクレーン
三峡ダムは、1994年12月14日起工。
97年11月には長江左岸を仮堰き止めした。
2002年11月に第二次本流堰き止め工事が始まり、いよいよ本格的に水嵩が増す。
2003年には全部で26基予定の発電機のうち2基が運転を始め、送電開始。
2009年完成時には26基全体で出力1,820万kwの発電所が完成する。 -
世界最大級 三峡ダムの船閘入口(上り下り2列×5段)
ダムの堰堤の長さ2,300m、高さは185m。
完成時には長江の水位は175m上昇する。
ダムから600km上流の重慶でも水位は14m上昇する。
ダムには5段2列の船閘が造られ、1万トン級の船舶の航行も可能だ。
4〜5千トンクラスまでのクルーズ船も、世界最大の船舶用エレベーターで落差175mを5段階で上下する。
これは、パナマ運河と同じ方式。 -
この時点では巨大なコンクリートの塊で、ダムらしい形はしていない。
三峡ダムの規模は、南米ブラジルとパラグアイ国境にあるイタイプダムを抜き、世界最大になる。
これは黒四ダム発電所の54倍、エジプトのアスワンハイダム発電所の8倍だ。
発電の種類は違うが、日本最大規模の徳島県阿南市小勝島の橘湾石炭火力発電所が最大出力280万kwだから、その規模は6.5倍。
全中国の電力需要の8分の1を三峡ダム発電所でまかなう。 -
これって、ダムのどの部分でしょ?
発電と同時に、このダムは洪水調整用のダムでもある。
戦前、1943年の大洪水ではじつに14万人もの人が亡くなった。
1998年8月1日に湖北省潜江市の堤防決壊に端を発した長江大洪水では、三峡ダム下流の葛洲ダムがフル稼働したが、それでも3千人の人が亡くなり、洪水による経済的損失は、三峡ダム建設費に匹敵する2千億元に達したという。
もはや、葛洲ダムだけでは洪水被害は食い止められない。 -
全体でクレーン何基稼働していることやら
新たに出現するダム湖は1,084平方kmで、琵琶湖の1.6倍、香川県の6割の面積に匹敵する。
つまりそれだけ広大な土地が水没するのだ。
ダム湖の長さは東京−神戸間と同じ距離。
それによって周辺の130万人が移転を強いられ、古代の歴史遺産が水没する。
父祖の土地を追い立てられた人の中には、あてもなく都会へ流れて、定職に就けない者もいる。
古代の交通路、蜀の桟道跡なんか、完全に水没する。 -
ダムが完成したら、ジェットフォイルは廃航路?
中国はダム建設を強行した。何故か?
中国では未だ電気未開通地域の人口が1億人を超えるという。
無電化地域に電気を供給する。
これは国の絶対命題。
日本の人口に相当する電気無し地域の生活を考えた場合、現代文明の恩恵にどっぷり浸かっている者が、その人たちに電気の恩恵に浴するな、と言えようか?
別の方法、火力発電や風力発電等々いろんな発電方法はあろうが、例えば火力発電には地球温暖化、化石燃料の問題が伴う。
風力発電は、ウルムチ/トルファン間の達坂城のような、常時吹き付ける強風が必要。
太陽熱発電は無理。
「蜀狗日に吠ゆ」という言葉がある。
蜀、すなわち四川省、湖北省西部はいつもどんより曇っている。
めったに日が射さないので、たまに晴れると狗(犬)がビックリして太陽に向かって吠ほえる、というのだ。 -
これってタービン本体辺りかな??
そこで、中国政府は総合的に判断して、三峡にダムを造るのが一番との結論に達した。
しかしこの決定までには内外から多くの反対があり、孫文が最初に提唱してから、じつに80年の歳月を要した。
以前、どこかの国の某元知事は『ダムはムダ』と脱ダム宣言して当選した。
ここでは、ムダやムリを押し切ってでも、電気が要ることを優先した。
北斗号は三峡ダムの工事現場をすり抜け、すぐ下流の葛洲ダムへ差しかかる。
葛洲ダムは西陵峡の最下流、三峡下りも終わりに近い。 -
葛洲ダムの小船閘(ここへ船が入っていく)
葛洲ダムには、大小2列の船閘(船のエレベーター)があり、大船閘はクルーザーなら一度に並列6隻、小船閘は縦列で2隻入れる。
北斗号は小船閘へ。
っで、このあと船名をタイタニックに変えなアカン?!事故発生! -
左舷が船閘入口の側壁にガッシャーン!
なんか左に寄りすぎとチャうん?
ほやな、当たるンとチャうか!
予想的中!
甲板員がデッカいクッション玉を準備する間もなく、、、
ガッシャーン、ぎぃ〜〜〜っと、船体が悲鳴を上げた。
身体がよろけるぐらいの衝撃があったでワ。
あっけにとられて、決定的瞬間のシャッターチャンスを逃してもたでワ。 -
左舷が凹んだか?
一番下の階の手摺りが、ちょっと曲がっとうなあ。
まあ、たいしたこと無いかあ。 -
っで、当たった側壁は?
ありゃま、北斗号の青い塗料がこびりついとうでヨ。
ほらまあ、ごっつい音がしたもんなあ。 -
はてさて、船の損傷は、っと?
えっ?!
何か、でっかい傷が入ってません??? -
急いで作業甲板へ降りていったら、、、、
あっちゃあ〜〜、でっかあにえぐられて、破れた船体の隙間から、川が見えとうでぇ。 -
船縁から身を乗り出して、
外側の当たった所を見たら、、、、
何じゃあこりゃあ〜〜。
ふっ、船に穴が開いとう!
\(゚o゚;)/ヒエーー
この亀裂、2mぐらい有るん?
横に割れとうだけじゃワな!
縦に裂けたら浸水するでぇ!
けど、これ以上確認でけへん。 -
船閘に入る北斗号
何事もなかったかに振る舞って、北斗号は船閘へと入っていく。
前方に見えているのはデッカい扉。
そこまで前進して、船閘の抜水を待つ。
後方の扉が閉じたら、船閘内の抜水が始まる。
ほうやねえ、船閘内で、15mぐらい水位が下がると思うねえ。 -
上流側の扉が閉まるのを見ようと、後部デッキへ行ったら、、、、
手回し良く、警察船が入ってきた。
早くも現場検証か?!
っと思ったけど、単なる偶然。
下流側の扉が開いたら、警察船はさっさと北斗号を追い抜いて、消え去った。 -
上流側の扉が徐々に閉まる。
扉の上は歩行者用の橋になっていて、長江の両岸で人々の往来がある。
この扉が閉まったら、いよいよ船閘内の抜水開始。 -
抜水速度は速い速い!
これは下流側の扉。
ついさっきまで、『注意安全』のすぐ下、扉の色が茶色く変わる辺りまで、長江の濁った水が満々とあったのに。
一気に水位が下がっていく。 -
たちまち周囲にコンクリートの壁が出現。
北斗号は、巨大な浴槽の底に沈んだ、おもちゃの船みたい。 -
約半時間ほどかけて、葛洲ダムの船閘を通過。
そのまま宜昌港に入港。
港ったって、長江沿いの堤防から、簡単な桟橋が川に延びただけのモノだが。
下船して、船外から改めて船体を見たら、予想以上のダメージ。
これ、喫水線から下へ亀裂が走ってたら、ホンマにタイタニックじゃワ。
北斗号には、莱昂納多・迪卡普里奥(レオナルド・ディカプリオ)も凱特・温絲莱特(ケイト・ウィンスレット)も乗り合わせていなかったし、船内のBGMで泰坦尼克(タイタニック)のテーマソング、席琳・狄翁(セリーヌ・ディオン)が歌う我心依旧(My Heart Will Go On)も流れていなかった。
けど、衝突事故のおかげで、ちょこっとだけタイタニック気分を味わうコトができた。
事故後に船長と操舵手が辿った運命はワカランけど。
< 水没前の三峡下り 全編完結 >
→→→ 次の旅行へつづく →→→ -
おまけの写真 その1
三峡下りのクルーザーには、こんなのもある!
龍を模した『乾隆号』
中国人好みのド派手クルーザーだ。
私ゃコテコテ乾隆と呼んでいる。 -
おまけ写真 その2
葛洲ダムの小船閘
画面上(川上側)から船が船閘に進入中。
側壁に当てたらアカンでえ!
船閘の川下側(画面下方)には、逆Vの字型の船閘の扉が写っている。
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この旅行記へのコメント (3)
-
- こまちゃんさん 2006/09/24 15:22:42
- これが取れませんでした・・・
- 2002年10月に、本当の「秋最後の三峽」へ行ってきました。
2003年6月が、最初の135計画(135m増水)浸水開始でしたので、
秋の三峽原型は最後だったし、2003年春は客が混み混みになると思って。
この乾隆号を確保したかったのですが、秋の観光シーズンに重なって仕舞い、
5星の船は全て大きな旅行社に押さえられ、我々には取れませんでした。
結局、4星の長江之星号でした。(こまの旅行記アルバム有り)
三峽の可動で電力が安定しても、下流都市で今以上に電気使うので、
結局、ダムのある地区やこれまでの電気節約地区には潤わないと聞いてます。
上流都市は上海の犠牲に成り立つんでしょうかね?・・・
船体ぶっつけは凄いですね。
ガードが有ったとしても、この勢いと角度ではダメだったでしょう。
ご無事で何よりでした。
こまはこれから、8月22日から9月19日に出掛けてきた新疆の旅の、
5000枚の写真を整理します。
何時アップできるか・・・考えただけで気が遠くなります。(~~;
- イスカンダル亜力山大さん からの返信 2006/09/25 18:57:02
- RE: これが取れませんでした・・・
こまちゃんさん、まいど!
そうですか、こてこて乾隆のチケットは入手難ですか。
まあ、中国人に超人気らしいですから。
けど、乾隆号は、あのデザイン故に、窓が小さいそうです。
ってことは、部屋からの景色がイマイチ。
乗るモノではなく、見て楽しむ船みたいですヨん。
新疆の写真5000枚!?!?!
あたしゃ整理する前に逃げ出しますσ(^_^;)
アップ待ってますね。
- こまちゃんさん からの返信 2006/09/25 23:56:17
- RE: これが取れませんでした・・・
- そうですよね、この船の場合あの尖りデザインがにょきにょき。
デッキからでも写真が撮りにくいかも・・・
そう考えたら、長江之星で良かったのかも知れない・・・
錦繍中華も、この年が使いまくりの最終年だったようで、
翌年は大改修で暫く使えなかったようです。
こまが出る時、錦繍中華が帰ってきましたが、錆び錆びのボロボロでした。
あの感じでボコボコぶっつけては、ペンキベタベタ・・・で済ましている
感じがします。。。
自分のじゃなくても、愛着って湧かないんでしょうか?
中国人のそこが知りたいけど、未だに判りません。
殆ど付き合っていますが、この「愛着」感が感じられないのですが、
本人達は「生き物じゃないし、動けばいいじゃん」って感じです。(ーー;
新疆の写真、自分で言うのも何ですが、迫力感があったり大自然の声が
聞こえたりするような写真も、ほんのチョビットですが有ります。
英英珈琲屋さんの掲示板でプレビューが見られます。
(http://www.wada-denkido.co.jp/cgi-bin/ybbs/ybbs951.cgi)
こま
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