窃盗奇談の結末は？

1996/04/10 - 1996/04/20

私はよく武漢では人力三輪車を利用した、降りるとき時事件が起きた、その時は三輪車いっぱい荷物を積んでいた。道路が多少混んでいたため降りる時になって一番大切なバッグを忘れた、
その運転者は荷物が残っているのを知っていたかのしれない私が大声で「停めて」と叫ぶのを後目に角を曲がって、また曲がって逃げてしまった。中身はトラベルチェック７０００ドル、米ドル１０００ドル、中国元５００、カメラ,パスポートなど全財産入りバッグである。早速勤めているた会社「老爺城」へ出向き、会社の陳さんと警察に手続きを取りに行った、翌日、会社へパスポートを拾ったという人から電話があった、大学正門へ取りに来いという、陳さんは「それは怪しい」と刑事を二人付けてくれた。２０ｍ後ろの車の中から見張ってくれた。１０分経っても奴は渡そうとしない、たまりかね、橋口ここで何してるんだ！と大柄の刑事がやって来た、奴はバッグだけで中身は持っていなかった。自宅にあるので取りに来いという。警察は身分を明かさないで彼らの家まで同行した。奴の仲間も３人いた、私たちは陳さん、刑事２人、私、計４名。次から次へ中身を出して最後にパスポートを出し、取引に出た、奴らも大柄の男二人が加わり５名、刑事は顔色一つ変えずに内ポケットから「これが目に入らぬか！」
と警察手帳を奴の目の前に差し出した、万事休す、水戸黄門のテレビを見ているようだった。この夜、お礼と言うことで刑事二人、陳さん、老爺城の中村社長たちを豪華レストランに招待した。署長は宴会に加わらなかったので現金１０００元進呈した。
事件２週間経過後、署長とお世話になった刑事が老爺城へやってきた。来訪の理由を聞くと事件解決のお礼として頂いた１０００元を返しに来たのである。その返却シーンをテレビカメラで撮った。私は一旦差し上げたお金を戻して頂くわけにはいかない。陳さんに相談したら、礼旗とジュースなど贈ればよいだろうということになった。それから２，３日してテレビニュースにトピックスとして武漢市に流れた。「収賄が横行する今の警察で近年希に見る警察官である」というような内容で放映されたらしい、テレビで映ったバンダナ巻きの私は時の人で有名になる始末だった。

エリア 武漢(中国)

中国に１年以上住んでいれば習慣や行動も中国人と同じ感覚になる、
ある日本人からお礼をやるお前もお前だな！といわれた。

旗は小豆色に輝く厚いサテン布地に
中国警察は最高だという意味の言葉を
絹糸で刺繍してあった。

この刑事に一番お世話になった

何回も撮り直しした。