グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード2006(その１)

2006/07 - 2006/07

先日、イギリスはグッドウッドで開催されたスピードの祭典｢グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード｣に行って来ました。たった一人の気ままな旅でした。このイベントは、自動車黎明期から現代までの古今東西のレーシングカーと当時それを駆ったレーサーが集まり、当時のままの走りを見れることでクラシックカーマニアの間では有名です。場所は、ポーツマス近郊のグッドウッド。マーチ卿という貴族の敷地内に設けられた特設コースをマシンが走るという、なんともスケールの大きなイベントです。色々見どころは多いイベントですが、まずはラリーカーのお話。

あまりラリーに詳しくない私ですが、今回のイベントで特に感動したのが、目の前数メートルの距離をド派手にドリフトするグループＢからWRCのラリーマシンの走りを見れたこと。
グッドウッドのメインであるヒルクライムは、観客席のチケットがないとまともに観戦できないのに対し、会場のはずれにあるラリーステージは遠い上に山の上にあるので観客が少なくて写真撮るにはバッチリのポイントでした。

それにしても、プロのラリードライバー達ときたらどうかしてます。車幅ほどしかない細いグラベルの道を数百馬力のグループBマシンがアクセル全開で突っ込んでくるのです。有名な左の９０度ターンをクルマがドリフトで駆け抜けた後には猛烈な砂埃が立ち、口の中まで砂利だらけになります。文字通り｢砂被りの良い｣観戦ポイントと言えましょう。

ペター・ソルベルグがスバル・インプレッサ、ハンヌ・ミッコラが超ショートホィールベースのアウディ・クワトロ、サンドロ・ムナーリがランチア・ストラトスやフルビアHF、ビオン・ワルデガルドがセリカGT4、ラウノ・アルトーネンがミニクーパーなどなど、この組み合わせはマニアにはたまりませんな。

もちろん一般の参加者が駆るデルタS4や037ラリー、ルノー5ターボマキシ、MGメトロ6R4、フォードRS200ですら、全コーナーをドリフトで駆け抜ける狂いっぷり。あんたら、上手すぎよ・・・。

エリア ポーツマス(イギリス)

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 15万円 - 20万円
• 交通手段: 鉄道
• 航空会社: 大韓航空

サンビーム・タルボ・ロータスが目の前数メートルをドリフトで駆け抜ける。かつてヘンリ・トイボネンが駆ったこのマシンは、何てこと無いハッチバックにロータスエスプリ用2.2リッターツインカムエンジンを搭載したラリースペシャル。

ペター・ソルベルグ本人が駆るのはスバル・インプレッサ。WRC本番よりも間近で見られて感激。ミスファイアリング・システムの排気音を森にバンバン響かせながら目の前をカッ飛んでゆきました。

こちらも現役WRCマシン、ランサーエヴォリューション。一応デモンストレーションランのはずですが、想像を絶するスピードでコーナーに突っ込んでゆきます。走り去った後には土ぼこりがもうもう立ち上がり全身真っ白に汚れます。

ラリー界に四輪駆動革命を起こしたアウディ・クワトロ。ハンヌ・ミッコラや女性ラリードライバー、ミシェルムートンらによって大活躍した。この日、ミッコラ本人の手によってパワフルな走りが披露された。

四駆のアウディに対抗すべく開発されたFRラリーウエポン、ランチア037ラリー。サファリ仕様のワークスマシンだが現在は一般のオーナーのもとにある。素人とは思えない無茶苦茶な速さでラリーステージを駆け抜けた。

WRC初代タイトルを勝ち取ったトヨタ・セリカ。こいつをドライブするのが元ランチアワークスドライバーにしてトヨタラリーチーム監督を務めたこともあるビオルン・ワルデガルド。

ワルデガルドと共にランチア・ストラトス使いとして有名なサンドロ・ムナーリがランチア・フルビアHFを駆る。年老いても、今尚ドライビングスクール教官を務める彼の腕前は圧倒的です。

有名なアリタリアカラーのフィアット131ラリーアバルト。

パワー競争となったかつてのグループBの中で特に驚異的スペックを誇っていたランチア・デルタS4。現役当時は航空燃料を搭載して1000馬力を叩き出していたというが・・・。

パリダカ優勝マシン、ポルシェ959。こいつを駆ったのはもちろんジャッキー・イクス本人。