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北駅からリヨン駅までの乗り換えに要する時間を40分でやらなければならなかったがこれはギリギリのタイミングで厳しかった。ジュネーブ行のTGVに乗って気がついたのだが最近は車両内に自販機がある。また、リヨン駅にはエディアールがある。時間がないときにお土産として利用できる。<br /><br /><br />ジュネーブからマルティニーまでのローカル列車は通路が広くて便利だ。おそらくイタリア人だと思うが、ベビーカーを座席の横にまで持ってきているお母さんがいた。日本ではありえないのだろうがこれだけ広いと余り違和感もなく、スイス鉄道に大変なゆとりを感じた。マルティニーからモンブランエキスプレスなのだが、前半はサラディン・マワスリというシリア人と知り合う。元ベルン大学の教授だと言っていた。彼の説明でこの前やったアラリンホルンがアラブ語から来ていることを始めて知る。アラリン=アラディン→『高貴な、高い』の意。サースグルントもやはりアラブ語が混じって『平たい丘の意』。スイカはかぼちゃの類だが、胡瓜みたいなものだ。アラブ人が西瓜を見てみてこれは何だと中国人に訊いたところ『水果=果物』だと答えたところに由来するとか。ZUCCA(甘いので砂糖に関係する)とか等ということを教えてくれた。彼は途中下車した。その後何故か、もう一度列車を乗り換える必要が生じた。荷物も多いし、席が取れなくなったが仕方ない。荷物が多くて席が取れないのは僕だけではないらしい。観ると巨大なオスプレーの70lザックとダッフル70lクラスが目の前に転がっている。一体何処のタフガイなのだろうかなどと考えていると、ザックの持ち主が現れ、それはなんと女性だった。僕が列車からドリュを見ていると、気配がしたので振り向くと、<br /><br />「あれはなんて山?」と<br />アメリカンアクセントの英語で話しかけてきた。身長は僕程度でそれなりに体格がいい。<br />「あれはドリュ。アルプス6大北壁の一つの北壁もあるし、それより厳しい西壁にはボナッティ・ルートってのもあるよ。君もクライマーかい?」<br />「ええ、私はエミリー。貴方は。」<br />「トシだ。君はアメリカ人だろ。」<br />「そうよ。ワシントンからきたの。」<br />「となると、あるいは政府機関の仕事とか。」<br />「当り!財務省のちょっとややこしい仕事ね。」<br />と言葉を濁した…。はいはい、財務省でややこしいとなると、あの秘密のお仕事ですね。すぐ分かっちゃいました。どうりで70lザックでも楽勝の体力なわけだ。リュックを指差しながら、<br />「ふ〜ん、この装備はクライミング用の物一式?」と訊くと、<br />「ええ、でも殆どアルパインがメインね。フリーはあんまりやらなくなったの。貴方は?」<br />「僕も今回は主にアルパインだね。」<br />「へえ、どれをやるの?」<br />「ダン・デュ・ジェアン南壁。英語だとジャイアントトゥースになるっけ。」<br />「ジャイアント???」<br />「グランド・ジョラスの隣り側にある奴だよ。4000m峰の一つだ。」<br />彼女は英語版アルプス4000m峰ガイドを手に持っていたのでそれを開いて説明した。<br />「ふ〜ん、厳しそうね。それは一人でやるの?」<br />「いや、ガイドと登るんだ。一人はちょっとリスキーだしね。君はソロもやるのか。」<br />「いいえ、私もソロはやらないはアラスカで酷い目にあってるしね。」<br />「ふ〜ん。で君は何を登るの?」<br />「まだ、決めてないの?2日後ツェルマットで友達と合流するんだけど、シャモニで何をするかはまだ決めてないのよね。ねえ、ガイドと登るのってとっても高いの?」<br />「そうだねえ、登る山によるけど、安くはない。でも、相手はアルプスのプロだから技術的に学ぶこともあるんじゃないかな。」<br />「そうねえ、私もガイドと登ろうかしら。」<br />「ちょっと待って、僕がガイドの料金表を持っているから。」<br />僕はその料金表を2部持っていたので1部を彼女にあげた。それから、宿を決めていないともいったので、Gite(民宿)のリストもあげた。僕はどの道ロジエールキャンプ場内のカフェ『ゼブロン』の2階と決めていたことだし。だが、ゼブロンにくればと言う気にはなれなかった。多分、精神をジェアン南壁に集中していたいという思いが念頭にあったからだろう。僕は軽い気持ちで南壁に挑むつもりではなかった。<br /><br />シャモニ駅でアメリカ人とは別れた。

ブリュッセル→パリ→ジュネーブ→シャモニ

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2006/06/28 - 2006/06/29

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アルピニスとし

アルピニスとしさん

北駅からリヨン駅までの乗り換えに要する時間を40分でやらなければならなかったがこれはギリギリのタイミングで厳しかった。ジュネーブ行のTGVに乗って気がついたのだが最近は車両内に自販機がある。また、リヨン駅にはエディアールがある。時間がないときにお土産として利用できる。


ジュネーブからマルティニーまでのローカル列車は通路が広くて便利だ。おそらくイタリア人だと思うが、ベビーカーを座席の横にまで持ってきているお母さんがいた。日本ではありえないのだろうがこれだけ広いと余り違和感もなく、スイス鉄道に大変なゆとりを感じた。マルティニーからモンブランエキスプレスなのだが、前半はサラディン・マワスリというシリア人と知り合う。元ベルン大学の教授だと言っていた。彼の説明でこの前やったアラリンホルンがアラブ語から来ていることを始めて知る。アラリン=アラディン→『高貴な、高い』の意。サースグルントもやはりアラブ語が混じって『平たい丘の意』。スイカはかぼちゃの類だが、胡瓜みたいなものだ。アラブ人が西瓜を見てみてこれは何だと中国人に訊いたところ『水果=果物』だと答えたところに由来するとか。ZUCCA(甘いので砂糖に関係する)とか等ということを教えてくれた。彼は途中下車した。その後何故か、もう一度列車を乗り換える必要が生じた。荷物も多いし、席が取れなくなったが仕方ない。荷物が多くて席が取れないのは僕だけではないらしい。観ると巨大なオスプレーの70lザックとダッフル70lクラスが目の前に転がっている。一体何処のタフガイなのだろうかなどと考えていると、ザックの持ち主が現れ、それはなんと女性だった。僕が列車からドリュを見ていると、気配がしたので振り向くと、

「あれはなんて山?」と
アメリカンアクセントの英語で話しかけてきた。身長は僕程度でそれなりに体格がいい。
「あれはドリュ。アルプス6大北壁の一つの北壁もあるし、それより厳しい西壁にはボナッティ・ルートってのもあるよ。君もクライマーかい?」
「ええ、私はエミリー。貴方は。」
「トシだ。君はアメリカ人だろ。」
「そうよ。ワシントンからきたの。」
「となると、あるいは政府機関の仕事とか。」
「当り!財務省のちょっとややこしい仕事ね。」
と言葉を濁した…。はいはい、財務省でややこしいとなると、あの秘密のお仕事ですね。すぐ分かっちゃいました。どうりで70lザックでも楽勝の体力なわけだ。リュックを指差しながら、
「ふ〜ん、この装備はクライミング用の物一式?」と訊くと、
「ええ、でも殆どアルパインがメインね。フリーはあんまりやらなくなったの。貴方は?」
「僕も今回は主にアルパインだね。」
「へえ、どれをやるの?」
「ダン・デュ・ジェアン南壁。英語だとジャイアントトゥースになるっけ。」
「ジャイアント???」
「グランド・ジョラスの隣り側にある奴だよ。4000m峰の一つだ。」
彼女は英語版アルプス4000m峰ガイドを手に持っていたのでそれを開いて説明した。
「ふ〜ん、厳しそうね。それは一人でやるの?」
「いや、ガイドと登るんだ。一人はちょっとリスキーだしね。君はソロもやるのか。」
「いいえ、私もソロはやらないはアラスカで酷い目にあってるしね。」
「ふ〜ん。で君は何を登るの?」
「まだ、決めてないの?2日後ツェルマットで友達と合流するんだけど、シャモニで何をするかはまだ決めてないのよね。ねえ、ガイドと登るのってとっても高いの?」
「そうだねえ、登る山によるけど、安くはない。でも、相手はアルプスのプロだから技術的に学ぶこともあるんじゃないかな。」
「そうねえ、私もガイドと登ろうかしら。」
「ちょっと待って、僕がガイドの料金表を持っているから。」
僕はその料金表を2部持っていたので1部を彼女にあげた。それから、宿を決めていないともいったので、Gite(民宿)のリストもあげた。僕はどの道ロジエールキャンプ場内のカフェ『ゼブロン』の2階と決めていたことだし。だが、ゼブロンにくればと言う気にはなれなかった。多分、精神をジェアン南壁に集中していたいという思いが念頭にあったからだろう。僕は軽い気持ちで南壁に挑むつもりではなかった。

シャモニ駅でアメリカ人とは別れた。

  • スイスのローカル鉄道のゆったり度はすごい。

    スイスのローカル鉄道のゆったり度はすごい。

  • シャモニでは定番のエギーユ・デュ・ミディからの風景

    シャモニでは定番のエギーユ・デュ・ミディからの風景

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