1995/05/03 - 1995/05
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buchijoyceさん
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汚染地域へ
「mamasan、チェルノブイリ近くに行ってみたいか」とセルゲイさんが言う。
「行きたい」というと、車を出してくれた。
どこでも私は「mamasan」と呼ばれている。
従って夫は「papasan」。
45キロゲートの近くは去年は見渡す限りのタンポポの野原だったが、今年は一面ジャガイモ畑になっている。セルゲイさんとオーリャさん、運転手は旧禁止地域の住民。ラドニッツァなので手帳を見せ、禁止区域への立ち入りの許可をもらう。
見覚えのあるバクシンを過ぎ、ひたすら車は走る。
森を過ぎると野原、野原の次は集落、野原、森の繰り返しが続く。今野原になっているところは、かつての耕地だ。狐がいる。コウノトリの姿も見える。黒鴻が土の道で餌をついばんでいる。私は車から下り、カメラを抱えて、未舗装の土の道をかける。
人住まぬ集落は電線はたれ落ち、朽ちるに任せている。
朽ち行く集落に対して、自然の生命力はすばらしく、木々は新しく芽吹き、特に白樺の若木があちこちに自生し、新たなる森を作ろうとしている。廃屋の周りにはサクラやリンゴが今を盛りと花をつけ、足下にはタンポポの黄色がまぶしい。
30キロ地点にも検問所がある。そこで働いているのはセルゲイさんの知り合い。ポラロイドで写真を撮って渡す。女の人もいる。ここを過ぎると人の姿は見られない。ラドニッツァの墓参りがすんだと感じるものは、集落近くの墓に飾られたきれいな布。
ラドニツッアとは日本のお盆みたいにお墓参りをし、墓前で食事をする習慣がある。沖縄と似ている。
ラージンについた。ラージンはチェルノブイリ原発から10?地点だという。車を降り、廃墟となった村を散策する。役場、学校、人の姿はないとはいえ、こぼれるような白いサクラとリンゴの花、明るい日差しとやさしい緑に包まれているので、雰囲気はさびしくはない。屋内はどうしてこんなに荒れ果てているのかと思うくらいに、ものが散乱している。急いで必要なものをまとめて避難したからだろうか。それとも、ものとりの仕業だろうか。
役場にはかつてのお偉方の肖像写真がゴミの中に落ちている。
その中にはゴルバチョフやイシコフといった面々の顔がある。
学校の教室の床には子ども達の使っていた教材が落ち、散らばっているのは痛々しかった。窓辺には残された観葉植物の枯れた鉢、デニスの学校の観葉植物の窓辺を思い出した。
プリピャチ川のそばで昼食にした。プリピャチ川はたっぷりと水量をたたえ流れている。大きな川だ。向こう岸はウクライナ。ソ連邦の時はたぶん出入りは自由だったのだろうが、今は国境。川沿いに柵が張ってあるのが見える。でもところどころ破れている。この川の先にプリピャチ市があり、チェルノブイリ原発がある。プリピャチ川は下ってドニエプル川と合流し、黒海へそそいでいる。
帰り、アーラの住んでいた家に寄った。運河があり、これを利用して物を運んでいたという。運河のそばの白樺の芽吹きは実に美しかった。
汚染地域は豊かな耕作地である。ベラルーシとしてはこんな南の耕作地を予期せぬ事故で放射能汚染され、失ったことは大いなる打撃だろう。
去年は測定器もあり、放射能を気にしたが、今回、放射能は目に見えないから気にしようにもわからない。道を、土をけって走ったが、シャワーも浴びずにいる。
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