ローランの歌(中世騎士物語)

2003/05 - 2003/05

778年8月15日に、フランスのカール大帝(フランスではシャルル・マーニュといいます。小学生でも知っている英雄。日本だったらさしずめ義経？)がサラセン軍に追われます。

この史実をもって、11〜12世紀に武勲詩、ローランの歌が書かれました。私も若いころ、美男のプリンス(と勝手に想像。実はカール大帝の若くて利口で人望の厚い素敵な甥なのです。)の悲劇的でも美しい物語を学びましたが、これが中世文学であることもよくわかっていたはずなのに。ナノに！！！

スペインのバスク地方をドライブした時、パンプルーナから山を越えて、フランス・バスクのサン・ジャン・ド・ピエ・ド・ポールに入ることに決めました。パンプルーナの街はずれに、標識があり、それに従って３０分も走らない内に、道路はどんどん山へと昇って行きます。結構傾斜が厳しい。

そして美しい山、あるいは谷を幾つか通過し、パノラマ地点では
写真を撮ったり、ドライブは快適でした。

道は一本、迷うことなく、ロンスヴォーに着いてしまったのです！まず、ローランの歌にあるロンスヴォーが実際に存在するなんて思わなかったので、胸がドキドキしはじめました。

エリア スペイン

パンプルーナからいくつかの山々、谷を越えて、ロンスヴォーの修道院に着きます。一大修道院で、中世のサンチアーゴ・デ・コンポステーラの巡礼の人々にとって、この修道院は歩き疲れた体を癒す、しばしの安らぎの場でした。

山頂にあり、眺めのいい場所で、この修道院の前には観光バスが何台も停まっています。

修道院の外壁に掘られた特徴ある十字架

こんな可愛い風景が目の前にあります。
羊が動くこともなく、ひたすら草を食べていました。
バスク地方らしい景色。

修道院の前に、ひっそりとこんなチャペルがあり
ました。思わず中に入ろうとしましたが、しっかりと
閉まっていました。

ロンスヴォーから５キロくらいあるところにOBANETA、ロンスヴォー・ヴァレーの山頂です。
お天気がよかったせいもあり、ここから眺める景色は
すごかった！
フランス軍とサラセン軍との戦場だったのか、と感慨にふけってしまいました。

遠くになにやら記念碑があります。

数台の車が止まっているので、私達も車を降りて、
記念碑にむかい登りました。

だんだん近づいていきます。

ローランの碑と書いてあるではないですか！

ローランは、サラセン軍に追われて引き上げるフランス軍のしんがりをつとめます。親友のオリヴィエは
いざとなったら、角笛を吹いて、救いを求めるよう
ローランに言い残し、別の戦場に行きます。多勢にむぜい、ローランは傷を負い、死ぬ前に角笛を吹く。。

実際の話は、叔父の裏切りとか、いろいろ複雑ですが、何故かローランは本当にフランス人に愛されている英雄ー例え、架空の人物でもーなのです。

この旅行記へのコメント （4）

• Mirabellaさん 2012/01/09 22:30:06

  ふと思い出しました

  yukibxさん、こんばんは。
  
  最近ナバーラ地方やバスクの本を読んでいて、ふとローランの旅行記があったことを思い出しました。もうずいぶんと前に旅されているのですね。
  
  バスクへ初めて行った時は、本当になんとなく行ってみたかった程度だったのですが、今になって歴史とか面白くなってきました。不思議なものですね。
  
  またフランス側バスクの旅行記も読ませてもらいます。
  
  Mirabella

  yukibxさん からの返信 2012/01/11 05:16:17

  RE: ふと思い出しました

  Mirabellaさん、
  
  新年、おめでとうござます。
  
  メッセージと投票をありがとうございました。
  
  ローランの石碑があるなんて、ガイドブックで発見した時には
  信じられませんでした。ローランの歌はまだ大学2年位の授業で耳にし、
  その悲劇ゆえになんとなく心に残っていました。
  
  Mirabellaさんもぜひ、訪れてください。ピレネー山脈を見渡せる
  素晴らしいところに、ポツンとたっていますので。
  
  今年も未知の場所へと案内してください。ミラベッラさんのきちんと
  丁寧にかかれている旅行記は貴重です。
  
  お元気で、楽しくて、ラッキーな旅を！（旅は運が大切ですもの！）
  
  yukibx
  
  

• kskspiyoさん 2010/06/23 16:38:13

  ローランの歌の舞台をアップしてくださってありがとうございます

  ちょうど今、ローランの歌を読みおわって（翻訳ですけど）場所を調べていたら、このブログに写真までアップされていて、感動です。
  
  たしかに、ここが激戦地だったんですね。フランス側ですよね。
  
  史実だと、地形を良く知っていたバスク人に山稜から攻撃されたそうですが、たしかに山の尾根があります。
  
  あとでグーグルマップでも調べてます。
  
  ありがとうございました。

  yukibxさん からの返信 2010/06/23 18:04:40

  RE: ローランの歌の舞台をアップしてくださってありがとうございます

  kskspiyoさん,はじめまして。
  
  メッセージをありがとうございます。
  喜んでいただいて、こちらこそ、嬉しいです。
  もうほぼ7年まえに訪れたところで、あの碑を見たときは、
  感激しました。
  
  おっしゃるように歴史家は、サラセンではなく、土地をよく知っていた
  バスク人に襲撃され、フランス側は生き残りゼロという烈しい
  闘いだったということを改めて知りました。
  
  kskspiyoさんはドライブでフランスの各地を旅行なさって
  いらっしゃいますが、すごく楽しんでいらっしゃる様子がわかります。
  
  これからもいろいろ教えてください。
  
  いい夏休暇を！
  yukibx