2005/12/24 - 2005/12/24
560位(同エリア577件中)
637さん
さて、お昼ごろまでRiadで休憩し、元気を取り戻した後、迷宮のフェズ魅力に迫るために私達は再びメディナへと飛び出しました。
まずはどうしても見てみたかったタンネリ(皮なめし職人エリア)を先に見てしまおうということになり、買い物はおあずけにして地図を片手にメディナに入ります。
フェズのメディナはマラケシュのメディナよりも坂道が多いように感じました。
あちらこちらにロバや馬たちがいて、今日もたくさんの荷物を運んでいます。
細々と曲がりくねるいくつもの道は本当に迷路のよう。
タンネリ周辺は匂いがすさまじいということで、近くにいけば匂いでわかるだろ、とタカをくくっていたのですが、どんなに鼻をひくひくさせても、強烈な匂いはやってきません。
ガイドには頼らまい!と思っていたのですが、想像以上のメディナの道の細かさに圧倒され
「タンネリこっち、案内するよ」
タイムリーに現れた現地の若者に
「じゃ、じゃあお願いしようか・・。」
とあっさりと着いていくことに。
「こっち、こっち」
彼の言うままに道を曲がり、登っていくと、あるお店にたどり着きました。
着いた途端、でしょうか。
ものすごい強烈な匂いが周辺に漂ってきたではありませんか。
日本では嗅いだことのない匂い。
バブーシュをたくさん集めて目の前で嗅いだような匂い。
とにかく何とも表現しがたい匂いです。
彼が言うに、この皮製品のお店の2階からはよくタンネリが見えるのでここから見るといい、とのこと。
どうやら彼とこのお店のおじさんは提携しているようで、じゃあ、みたいな感じで合図を送ると、さっそく店のおじさんが私達を案内し始めました。
まあ、そういうことだと思ったけどね。
2階に上るともっと匂いがキツくなり、今度はバブーシュの固まりに顔を押し付けたような匂い(さっきと変わってない・・?)へと急変!
テラスに出るとタンネリを目の前で見下ろすことが出来ました。
数人の男性が体をべっとりと染めながらしゃべらずにモクモクと作業をしています。
この距離でこんなに匂うというのに、あの場所では一体どれほど・・。
別の場所では染められた皮が干されているところでした。
この数だけ動物が同様に使われているのですよね・・。
この後、職人さんによって(まあ、機械の場合もあるだろうけど)加工されて、たくさんの過程を経て商品になっていくのだなあ。
皮製品ってものすごく手間がかかっているのだ!
それに生き物の命をもらっているのだ!
そう思ったら、自分の持ってる皮製品、もっと大事に使っていかなくては、と思ってしまいました。
タンネリ見学は一種の社会科勉強みたいな感じでした。
見学を終えると、その後は強烈なまでのおじさんの売り込み。
ラクダの皮のクッションとか、ペンケースとか、全ての商品の説明が始まったと思ったら、今度はいくらなら買うかどれが欲しいかをまくしたてる次第。
ここまで激しい売り込みは後にも先にも初めてでした・・。
ただ、タンネリに近いこともあってお店の匂いも強烈だったため、商品をゆっくり見るような気分では無かったので、気持ち程度のチップを払ってこの場所を後にしたのでした。
色んな意味で濃い場所です、ここは・・。
そしてぶらぶらとスークで買い物をすることに。
スークを歩いているとよく見かける一つに、ランプのお店があるのですが
スタンド式のランプ、壁にかけるランプ、天井から吊り下げるタイプのランプなど扱ってる種類は様々です。
形もかわいいので一つくらい欲しいなあ、と思っていたのですが、何しろ荷物になるということでこれまで手にとって見ることはありませんでした。
しかし、ぷらりと入ったお店で友人がスタンド式のランプの値段を聞いてみると何と800円というではありませんか!
らくだの皮、羊の皮で作られているちゃんとしたものです。
爪でランプをはじいてみるとボーンと小さく太鼓のような音が響きます。
思った以上の安さに友人が迷ったあげくに一つ買って帰ることにしました。
私はこれ以上荷物を持てない、ということで買えませんでしたが・・残念!
そういえばスークですれ違うフランス人もランプを購入しているのをよく見かけました。
スタンド式と一口で言ってもその形は実に様々。
玉葱みたいな形のユニークなものや、ゆらゆらと揺れる炎をモチーフにしたもの。
スタンダードな長方形のもの。
大抵はヘナで絵が書かれており、皮の色は赤や黄色の原色、はたまた淡い紫色までこれまたカラフルでバラエティに富んでいます。
モロッコに来たらお気に入りのランプを見つけるのも良いかもしれません。
友人は迷いに迷ったあげく、自分のお気に入りを見つけ出すことが出来ました。
見ていたお店は比較的小さなランプ屋さんだったのですが、私達が熱心にランプを見ている様子を見て、店のおじさんが私達を数メートル先の二階建ての倉庫らしき所に案内してくれました。
そこにはランプ以外にもありとあらゆる商品がところせましと置かれており、アンティークもあるから良かったら見てくれということでした。
私が友人がランプ選びをしてる間に見つけたのはお香入れと、アクセサリー入れに使えそうな小物入れでした。
おじさんに寄ると、両方ともベルベル人による手作りで、作られたのは数十年前のもので年代モノとのこと。
確かに言われてみればそんな感じもしないでもない・・。
でも何しろ年代モノであるか無いかより、この手作りゆえの形とデザインが気に入ったので買うことを決めました。
掘り込んであるデザインがすごく細かくてかわいらしいのです。
お香入れは、砂漠に行く途中のバラが有名なエリアでポプリを購入していたので、それを入れたいと思いました。
友人もランプを購入するので、まとめて買うから安くしてくれというと、お決まりのメモが用意されて交渉の始まりです。
「デモクラティックプライス!」
出されたミントティーをすすりながら、お互い譲るところは譲って、何とかファイナルプライスを出すことが出来ました。
モロッコに来たばかりの頃は、買い物をする際、交渉して手に入れるということは、とにかく安い値段で手に入れることだと思っていました。
でも、あまりにこちらが一方的に値切り倒して商品を手に入れても、何だか気分がすっきりしないことに気づきました。
交渉というのは売る側と買う側の両者で行うものなのだから、両者が納得して気持ちよく取引をする、ということが買い物を楽しむ方法ではないかと思うようになったのです。
それが出来そうに無い買い物なのであればやめておく。
お互い笑顔で「バーイ」と別れることが出来れば、それは良い買い物をした、ということになるのでは?と思いました。
ひとしきりスークで買い物を堪能したら、どっと疲れが出てきて、これは栄養を補給せねば!ということになりました。
そこで、とあるジューススタンドに立ち寄ることに。
フェズに限らずモロッコではジューススタンドをよく目にします。
ジューススタンドと言っても日本で最近流行っている最新式のものではありませんが、目の前におかれている果物をミキサーでジュースにしてくれる何とも素朴なタイプのお店です。値段も安くて気軽にビタミン補給することができます。
置かれている果物はお店によって違いますが、オレンジ、桃、洋ナシ、アボガド、バナナが一般的なようで、中でも私がハマったのはアボガドジュース!
普段からアボガドは食べるのですが、ジュースにしてまではちょっと・・という感じだったのですが飲んでみるとバナナのような甘さで意外に美味しい!
モロッコに行くと必ず目にする事があると思うので試す価値アリです。
夏にはサボテンジュースなんかもあるらしく、興味をそそります。
モロッコではホテルの朝食で出されるオレンジジュースも生絞りタイプのものが多く、この旅でいくつかのホテルを利用しました朝食のオレンジジュースが生絞りタイプでなかったホテルは1つだけでした(あの時はがっかりした・・)。
すっかり生絞りにハマった私達は、歩いて疲れたりするとジューススタンドやカフェに寄り果物ジュースを摂るのが習慣になっていました。
これを飲むだけで疲れて頭痛までし始めた体も一気にシャキッとしてくるから不思議です。
もしかしたら、これがモロッコ人の元気の源の一つなのかもしれません。
また、歩いていると食べ物屋の屋台に出くわすことが多いのですが、これがまた楽しみの一つでもありました。
結構色々な種類の屋台があって、エスカルゴだったりケーキの量り売りだったり、ケバブを挟むサンドウィッチだったり・・。
その中でもフライドポテトは食べなれた味である上、大抵が二人で分けて食べることが出来るくらいの適量なのでよく利用しました。
フライドポテトを見つけると体が自然と引き込まれてしまい、またムシャムシャと食べているという感じでした。
そしてまた懲りずにスークを出て見つけたフライドポテト屋のポテトを食べながら、ランプとベルベル人の小物入れを持って、私達はフェズの迷宮を後にしRiadへ帰ったのでした。
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