１９８８年のヨーロッパ、その３、スウェーデン (冬) 編 (ストックホルム＆マルメ・スコーネ地方)

1988/03/31 - 1988/04/03

　自由旅行でのヨーロッパ、二カ国目です、もう３月も終わりとはいえ、まだまだ寒い、北欧の春です。
　首都ストックホルムから一路、夜行列車でマルメへ、過ってはお隣、デンマークと奪い合った、スコーネ地方の、お城を見て廻ります。

　写真は、そのスコーネ地方にあるマーシユヴィンホルムズ城、個人のお屋敷なのに、親切に招き入れて頂き、改装中の部屋の様子まで見せていただきました、しかし、いかんせん、絵画などの審美眼については、はなはだ頼りなく、猫に小判であったかと･･･残念であります。
　

　

エリア マルメ(スウェーデン)

ストックホルム、王宮(ガムラスタン)
　王宮前広場での衛兵の交代式です、ロンドンのバッキンガムほど華やかではありませんし、観光客もいませんけれど、一応、イングランドと同じ、立憲君主国なのです。

ストックホルム、ガムラスタン(旧市街)

　大広場の風景です、背の高いスウェーデン人と、細長く、背の高い建築物が、良くマッチしています。

ストックホルム
　港の風景です、北のベニスと言われるだけの事はある、美しい風景ですが、ベニスより、建物は、遥かに大きく背も高く、街中に運河も無いので、雰囲気はだいぶ違う、比べるのが無茶。

ストックホルム、港の風景
　スウェーデンがカルマル同盟(デンマークの支配)を離れて独立(グスタフ･ヴァーサ)するのが1523年、グスタフ･アドルフ(北の獅子王)が、宗教戦争に参加して、ヨーロッパの歴史の表舞台に登場するのが1630年、ヴェネチアと比べても、町はやはり新しい、けれど、その分清潔で美しい。

ストックホルム、シェップスホルメン島
　元、王様の保養地であったとか、ガムラスタンの旧市街からは、目と鼻の先にある島で、歩いても行けます、それほど大きな建物は無く、のどかで、対岸の風景も美しく、散歩にも、ちょうどよいところです。

ストックホルム、シェップスホルメン島
　この島は、元スウェーデン海軍の島でもあったとの事で、写真の、現在、ユースホステルとして使用されている帆船(Chappman号)は、その名残でしょうか ??

マルメ(スコーネ地方)　駅前の風景
　ストックホルムから夜行列車で到着しました。
　早朝の風景です、まだまだ、人けのない、冷たい空気の中を歩いてみました。
　建物は、庁舎? かも知れません。

マルメ(スコーネ地方)　駅前の風景
　ひっそりとした風景は、早朝故でもありますが、昼間でも、あまり変らないような、そんな気がします、やはり、人口密度が、日本とは違いますから。

マルメ、マルメフュース
　お城といっても、城砦タイプと城館タイプがあると思うけれど、平地にあって、堀はあっても、城壁が見当たらない事から、城館タイプなのでしょうね?

マルメ、マルメフュース(正面入口)
　城館タイプの代表と言えば、フランスのロワール川周辺のお城を連想するけれど、こちらは、華麗さとか、華やかさなどとは、全く、エンがありません、殆ど、実用一点張り、経済力の差もあるのでしょうが、素朴、無骨の印象です。

マルメ、マルメフュース(内庭)
　素朴、無骨、実用一点張りといえば、聞こえは悪いけれど、見方を変えれば、合理的、現実的、実務的、これは近代文明の文明としての、長所でもあります、北欧諸国の、近代文明への適応力の高さの要因は、このあたりかも??

イスタ(Ystad)近郊(スコーネ地方)
マーシュヴィンスホルム城(Marsvinsholm)

　イスタから、バスで行け、比較的行きやすいところにあります、但し、日曜休日は要注意。

　マルメフュースやグリミンゲフュースよりは、よほど、城館らしいお城です、多少の飾り気もあり、人の住まいとしても、十分、合格点でしょう、事実、個人(ファミリー)のお住まいとして、現役でありました。

　庭の広さに比べると、小さなお城ですけれど、住むとなれば、これでも、一家族には、大きすぎるでしょう。

マーシュヴィンスホルム城(スコーネ地方)
　ご主人が親切で ｢中を見るかい?｣ と言われて、見せていただきました(写真の男性はおじいさん)、カラフルで美しい部屋もあり、全て100年以上前のデザインであるとのことです。　
　現在、家族だけで修復･改装をやっておられるとの事で、何年かかるか ?? 部屋数を考えると、他人事ながら、気が遠くなります･･･。

マーシュヴィンスホルム城(スコーネ地方)
　お城の前の広い庭で、坊ちゃんと嬢ちゃんが遊んでいました、なかなか、人見知りをしない活発な子供達です、そろそろ、二人とも二十歳くらいになっているでしょう。

マーシュヴィンスホルム城(スコーネ地方)
　何処かから、資本を入れて、今流行の「古城ホテル」にでも出来ないものでしょうか、どうなんでしょうね、スウェーデン政府は、どう考えているのでしょう??　

マーシュヴィンスホルム城(庭園)

　とにかく、庭園が、無茶苦茶広いです、行けども行けども庭です、この庭の敷地だけでも、相当な代物だと思うのですけれど･･･

イスタ近郊、スヴァーネホルム城(スコーネ地方)
　｢ニルスの不思議な旅」に出てくる名城であるらしい、美しい水上楼閣。　訪問した時間が遅くなって中へは入れなかった、これも、古城ホテルにすれば、受けそうな雰囲気。

イスタの街角(スコーネ地方)

　お城めぐりの拠点として、宿泊しました。
　北欧らしい、清潔で、閑静な町です。

イスタの街角(スコーネ地方)
　街の教会前の風景です。　おじさんが胡散臭げにこちらを見ています、東洋人が珍しいのかも知れません。　でも、町は住んでみたいほどにのどかです。

イスタの街角(商店街)

　石畳の、意外としゃれた商店街です。
　写真を撮っていたら、両手を広げて、おじいさんが近づいて来たので、逃げました。

イスタの駅
　イスタは、スコーネ地方観光の拠点として便利な町です、でも、ホテル料金は、当時でもやはり高かったです、１Bedroom 270Kr (約\\6000) 一番安くて、これです、今は ? 恐ろしい。

イスタ近郊、グリミンゲフュース城

　マルメフュースなどとほぼ同じで、素朴、無骨、実用オンリーのお城の代表でしょう、お城というよりは、野戦用の休息所(基地)と言う程度の建物だったのではないでしょうか? スウェーデンとデンマークが、たびたび奪い合ったと言うのも、純粋に、戦略的な利用価値の大きい位置に、あったのかもしれません。

　このお城を見ていると、北欧の寒さ、環境の厳しさと言うものが、遊び心や、華麗、優美などと言うものを、吹き飛ばしてしまっているような、そんな気がしてきます。

グリミンゲフュース城
　このお城も、周りに小さな堀をめぐらしてはいるけれど、城壁は無い、城と言うより、物置? に見える。

グリミンゲフュース城

　城館への入口であるけれど、何故か、小さい。

　決して、大きな城館ではないけれど、それにしても小さい、窓も小さい、寒さ対策だろうか??

グリミンゲフュース城の内部

　実際は、写真よりもずっと暗いです、窓の小さく、数の少なさから見ても、想像が付く事でしょうが、その上、小さな部屋が入り組んでおり、通路も狭く、実に、奇怪な設計になっている、そもそも設計に基づいているのかも疑問??の、奇怪な建築物です。

　城館としても、住みやすいとは思えない、こんな建物を取り合ったとは、物好きですねえ･･･

　マア、夜露と夜風を防ぐ為の、寝床としてなら、使えるでしょうが。

スイムリスハムンの駅(スコーネ地方)

　グリミンゲフュースからヒッチハイクでスイムリスハムンへ、此処から、マルモへ戻って、ルンドへ向かう。

スイムリスハムンの町

　少し時間があったので、駅近くの町を歩いてみたけれど、どんな町だったか、写真はあっても、あまり記憶に残っていない。

ルンド、大聖堂

　歩き方のガイドによれば、デンマーク王クヌートの都として栄え、1103年、北欧最初のローマンカソリックの司教区教会となリ、さらに、12〜13世紀、北欧の中心地として栄えたとある。

　けれど、旧市街と言われる所を歩いてみたが、それほどの歴史は感じない、但し、この大聖堂と大学だけは別、十分に年季が入っている。

　ちょうどミサが行われており、中へ入るのは止めたのだけれど、考えてみれば、つくづく残念。

ルンド、大学(1430年、神学校として創設)

　この建物も、ごらんのようになかなか重厚で、歴史を感じさせる、スウェーデン最古の大学であるらしい。

　

ヘルシンボル、シェールナン城(スコーネ地方)
　デンマークの対岸、ヘルシンボーにあるお城です、塔が一つと、この城門しか残っていません、でも、この地方では、城門のあるお城の方が珍しいし、多分、過ってはお城らしいお城だったのでしょう。

ヘルシンボル、シェールナン城のドラゴン
　城門の入口を飾っています、なかなか迫力があります、翼があり、細長い胴に、尻尾は蛇のように、くねくねと、とぐろを巻いています(後肢の無いのは、北欧系ドラゴンの特長とか)。

ヘルシンボル、シェールナン城
　
　城門の内側は小高い丘になっていて、今は公園です、そしてその中に、塔が一つ残っています。
　上に昇ったのかどうか、記憶になかったので、当時の日記を調べてみたら、これを 「昇るだけで5krの入場料を取られる｣ とありました、｢こういう、細かい出費が馬鹿にならない !｣ とも、記してありました、昇らなかったのですね･･･。

　小さな海峡を挟んで、対岸の町(ヘルシンゲア)には、ハムレットのモデルとして有名な、クロンボー城があります、写真からは、少し、霧が出ているようですが、見えたかも知れません。