2005/08/19 - 2005/08/20
129位(同エリア138件中)
night-train298さん
- night-train298さんTOP
- 旅行記222冊
- クチコミ3件
- Q&A回答8件
- 470,492アクセス
- フォロワー18人
8月19日 (金)
05:30 Laza → 16:00 Xunqueira de Ambia (35km)
/Albergue 泊
久しぶりだった。ペドロ、ぺぺ、ミカさんと四人だけで歩くのは。
私たちはペドロに対し、ちょっと怒っていた。
何があったのか知らないけれど、いったいどうしたの?!
それでも、イサベルのためにも、このグループの平和のためにも、何も知らない顔で通 すことにしていた。
PR
-
最初は砂利道だったが、しだいに山道に入り、登りがきつくなった。
今日がこの旅の中でもいちばんキツイ登りだったと思う。
山の上までは、なんとかペドロについていった。
ペペは、途中でトイレ休憩をしていて、なかなか来なかった。
後で聞いたら、道を間違えたらしい。
途中ではいくつもの山火事を目撃した。 あちこちで煙が出ているのである。
風もあるし、煙の方角に歩いていかなければならない時は恐怖だった。
パキは1時過ぎか、5時のバスで来る予定だった。 どちらにせよ、早く目的地に着きたかった。 -
今日の目的地、Xunqueira de Ambia(シュンケイラと発音) にたどりつく。
ここのアルベルゲも例外ではなく、きれいだった。
部屋は二つに仕切られていて、手前の部屋に、ペドロとペペが寝ていた。
私たちは少しでも二人を避けて、奥の部屋に入った。
人の気配はなかったが、一番奥のベッドに、リュックが置いてあった。
パキのものにも見えたし、そうでもないようにも見えたので、ペペに聞いてみると、まだ誰にも会っていないという。
するとそこにやってきたのは・・・
・・・パキだった!
私たちはキャーキャー言って喜び合い、パキをペドロとペペに紹介しに行った。
パキの明るい笑顔のお陰で、暗くなっていたムードが一変した。 -
シャワーを浴びる間、待っていてもらうと、パキはベッドで本を読んでいた。
その本の大きさは、A4を少し小さくして、厚みは4cm、ハードカバー。しかも図書館の本。
「これおもしろいのよ!」
えっ?重くないの?と聞くと
「たいしたことないわよ。でも『銀の道のガイドブック』は何も持ってこなかったけど。」
・・・・・!。
早速パキの話は私を笑わせてくれた。
「昨日はバスでオウレンセに着いたのだけど、夜も遅くてそのままタクシーでホテルに行ったの。そしたらそのホテルがすごく汚いの。それでね、寝袋をベッドの上に敷いて寝たのよ。そうそう、実は寝袋を新しく買ったの!去年の大きさの半分なのよ。(ちょっと自慢げ)ところがね、次の朝小さい袋に戻そうとしても戻らないの。一時間かけても戻らなくて、おかげでオウレンセの街はぜんぜん見ないでバス停に行っただけで終わっちゃったのよ。」
それでその寝袋は今どうなっているのか聞くと、リュックから取り出して見せてくれた。
その姿を見て、笑いが止まらない。一部だけ袋に入って、あとはそのままリュックに押し込めてあったのだ。リュックから出てくる出てくる・・・黒いおばけの抜け殻のような物体。
「きっとこれを作った工場では入れる機械があるけれど、一度出すと、もう二度と戻らないものなのね。」
私は
「いや〜、きっと入るわよ。明日の朝、手伝ってあげるから。」 -
私たちはバルで再会を乾杯するために外に出た。
パキは
「良かったら、母が作ったサンドウィッチを食べてくれない?たくさん作ってくれたのだけど、もう今日はうんざりしちゃって食べる気がしないの。」
喜んで受けると、そのサンドウィッチとりんごが二つ入ったピンクの紙袋を持って出かけた。
そして・・・
「実はね、昨日バスに乗った時、このピンクの袋をなくさないように、とても気をつかっていたの。というのはね、去年のSantiago巡礼のあと、家に帰るバスの中で、おばさんや家族に買ったおみやげを棚に入れたら、降りる時に、私も弟もすっかり忘れてしまったの。とてもショックだったわ。だから今回も、常にこのピンクの紙袋に気をつけていたのよ。・・・長い旅のあと、昨日の夜、オウレンセに着いたでしょ。その時も、このピンクの紙袋をしっかり持っていることを確認してバスを降りたの。ルンルンで歩いて行って、100メートルくらい行ったところで、運転手さんが追いかけてきたの。なんと私ったら、リュックのことを忘れていたの。」
な!なんて呑気なヤツだ!!
銀の道のガイドブックも持っていないし、クレデンシャルもまだ発行してもらっていない(セビリアでもらえるのに!)
そして何よりも大切な家財道具一式をバスに忘れるなんて!!!
イサベルが数日前に、こう言っていた。
「バルセロナから飛行機でくる時、私は荷物を預けなかったわ。もしロストバゲッジにあってしまったら、それで終わりでしょ。」
あ〜〜〜っ、ずいぶんと違う二人であった。
バルでパキのお母さんの特製サンドウィッチをいただく。とてもおいしいではないか。
ビールで乾杯をしながら、パキは私たちがくる前に、すでにこのバルに入っていたという。
「アルベルゲに着いた時、鍵がかかっていたので、人に聞いて探しにいったの。そこで自転車の巡礼者に会って、一緒にお昼ご飯を食べようということになってここに来たのよ。サラダがすごくおいしくてね!その人たち、あなたたちのことを知っていたわ。」
昨日も一昨日もみかけた二人組に違いないと思った。
「二人の話も面白かったわ。とても苦労した話をたくさん聞いたのよ。Sevillaから出発して、暑くて大変だったのですって。道もよく間違えたし、水がなくなって困ったそうよ。」
それなら私たちも経験しているが、自転車ならどこかの村に逃げ込むのも簡単そうに見えるけど・・・。
「ある日ね、もう暑くてどうにもならなくなったのですって。それで、豚の水飲み場に行って、大量 に群がっている豚をおびき寄せて、水場からどかせ、二人でその中に飛び込んだのですって!」
その時の写真も見せてくれたと言う。
それはすごい!豚も団体だとこわい。
それよりも、彼らは臭いのだ。水も臭いはず。
自転車の人たちも、大変だったのだなぁ。
「そういえば、今日は山を走っている時に、笛を吹いて一人で歩いている巡礼者に会ったそうよ。」
それはイワンに違いない。 -
私はパキに、Sevillaを出てからここまで出会ったすべての人の話をはじめた。
どこで誰と初めて会い、どこで再会し、別れたか・・・。図で示したり、その人のキャラクターも交えて、オールキャストを紹介したのだった。
パキは長い話につきあって、よ〜く聞いてくれた。
そしてほんの少しだけ、今の状態も話しておいた。
わけあって、今はペドロとペペを避けている状態を。(ペペは何も関係ないのだが)
話を聞き終わったパキは不思議そうな顔をして、
「一週間前に電話で話した時、あなたは巡礼者には誰にも会っていないと言っていたじゃない?!あなたって本当にスペイン人みたいね!」 -
-
そこにペドロ&ペペがやってきた。アルベルゲの鍵を持っているからだ。
寒くなってきたので、一度アルベルゲに戻るところだったので、鍵を預かり、またあとでこのバルに来るから、もしペドロたちが先に戻るなら、ここで受け渡しをしようということになった。
バルを出て、スタンプをもらいに行く。パキはかわいい手帳を持っていて、そこにスタンプを押してもらっている。
小さい村のこと、また二人の姿が遠くに見えたが、なるべく会わないようにした。
私はどんな理由で問題がおこったとしても、イサベルについていきたいのだ。
もう一度同じバルに戻る。今度はパキのお勧めの、おいしいサラダを食べるためだ。
奥のレストランスペースに入った。
デザートを食べた頃、ペドロとぺぺが入ってきた。
一緒のテーブルに座って、お茶を飲むことになってしまった。
パキと楽しそうに話をしている。 ペドロはすっかりパキのファンになったに違いなかった。
一緒にアルベルゲに戻った。そこにはここから役に立ちそうなパンフレットがおいてあり、もらっておいた。
それは、後々ガイドブックを持たない私達にとって、とても役に立ったのだった。 -
8月20日 (土)
07:00 Xunqueira de Ambia → 13:30 Ourense (20km)
Albergue 泊
写真は、アルベルゲ -
今日はパキ、ミカさんと3人で、ペドロたちより一足早く出発。
暗い中、懐中電灯だけで支度をする。
パキは慎重に最後の点検をしている。するとベッドの裏から何かを拾いあげ、リュックにつめた。
この人ったら、何をやっているのだろう? 私はその姿を見ているだけで楽しかった。
そして昨日の話題の寝袋を手伝って詰めてあげる。袋にはなんとか収まった。
「すごいわ。私が昨日一時間かけても出来なかったことなのに。」
これから最後の日まで、私はパキの寝袋まで袋に詰めなければならなかった。
昨日もらっておいた資料のおかげで、村からの出方がわかってよかった。
パキがいたからにほかならないが。
一つ目の村で、バルが早朝から開いていた。もちろん迷わず中に入る。
バルのおじさんにミントの飴をたくさんもらった。
バルを出ようとした時、ペドロ達がやってきた。
今日は20km。昨日頑張って歩いた理由がここにもあった。それは、昨日頑張らなければ、その分、今日歩かなければならない。パキの初日の歩きには、ちょうどいい距離だと思う。 -
それでも目的地、Ourenseに入ってからも坂が続き、まいってしまった。
アルベルゲに着くと、もうペドロたちは着いていたが姿は見えなかった。
ここのアルベルゲにはドイツ人の管理人がいた。なかなか規律が厳しそうであった。
パキはここで新しいクレデンシャルを手に入れた。
ベッドルームは二つあり、私たちは誰もいない方に通された。 シャワーを浴び、少し寝ることにした。みんな疲れが出る頃だった。
休んだ後、外に出る。
待ちに待ったプルポ(蛸)を食べることになった。
一人一皿づつ、おいしいリベイロ(ガリシア地方の白ワイン)も飲んですっかりいい気持ちになった。
カテドラルでは巡礼に関する展示をやっていたので覗いてみることにした。
ガリシア屈指の街とあって、どこも立派だ。
この旅行記のタグ
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
0
10