2001/04 - 2001/05
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jojoさん
次の日も、町はやっぱり廃墟だった。(笑)
誰に聞いても、クジラ・ウォチングは先週終わった、
の一点張り。先週って、そんなみんながみんな
同じ日にいっせいに北極を目指すわけ?
1匹や2匹ぐらい残っているクジラだって、
いるんじゃないの???
そんな訴えは、誰にも聞いてもらえない。
ここは、もう次の目標を定める引き際なのかも・・・
外は風が吹き荒れていて、モノスゴク寒い。
できるコトといえば、おかわり自由のコーヒーを
すすりながら、宿のレストランで
暇をもてあましているスタッフに、
スペイン語を教えてもらったり、
町の話を聞くぐらいのこと。
なんでもこの町は20世紀の始めまでは、
捕鯨基地だったとか!
グレーロ・ネグロという名前は、
この入り江で沈没したハワイの捕鯨船の名前
『黒い戦士』から、きているらしい。(怖);
捕鯨基地っていうことは、クジラたちにとっては、
本当に悲しい「Killing Field」だったということ?!
今では日本やノルウエーだけが続けているみたいな捕鯨。
だけど19世紀〜20世紀前半には、アメリカ、オーストラリアを中心に、
たくさんのクジラを油のために殺していた。(肉は食べないんだって)
私はもちろん、クジラもイルカも好きだから、
「捕鯨」は、できるだけ少なくしてほしいと思ってる。
かといって、「絶対にダメ「」ということもできない。(と思う)
特にそれしか食べるものがないアラスカのエスキモーの人たちには。
なぜって、クジラは頭がいいから、殺すのがいけない・・・
ということになると、命は脳の問題か・・・ってことになってしまう。
個体数の問題となると・・・話はまた変わってくるけれども。
生きるために他の生き物の命をもらうのは、自然のルールで、
自然のサイクルだから、どんな生き物でも、
そこからぬけだして生きることは、絶対にできないもんね。
ニンジンやじゃがいもだって、立派な命なんだし。
ただ、やっぱりお金もうけのために「必要以上に」トカ、
生きるためでもないのに殺すのは、このルールに違反している。(と思う)
だから本当に、食べ物を大量に腐らせている先進国は、
見直さなくちゃいけないことがイロイロあるよね・・・。
日本人が捨てている食べ残しは、年に2000万トン。
そして世界の食料援助の量は、年1000万トンなんだって。
☆
さて、グレーロ・ネグロに話しをもどすと、ここはコククジラたちの
お産の場でもある!毎年、冬になるとえさを求めて、
極寒のアラスカから7000Kmも旅をして南下してくる「Birth Field」
捕鯨が行われていた時、人びとやクジラたちは、この信じられない
矛盾を、どう考えていたんだろう。
とにかく、この入り江では、その冬生まれたばかりの赤ちゃんクジラが
春、お母さんといっしょに長旅ができるようになるまで、
の〜んびりと生活している。
生まれたばかりのコククジラは、とっても好奇心が旺盛で、
人間のボートに近寄って、遊んでほしそうにするらしい。
大きな口をあけて、ニコニコしているような証拠写真もあった。
「そんなクジラに会うって、どんな気持ちなんだろう。」
そう思って、こんな廃墟の星までやって来たっていうのに。
「ま、これも人生ってやつか・・・。」 文句を言っててもしかたもないので、
帰りのバスの時間をチェックしようと、またもや笑えるぐらい孤独な感じを
ただよわせているバス・ディッポへ出かけた。
持ってる夏服を重ね着しまくって・・・。
☆
「やっぱり、バスがナイんだなぁ。南下するのは1日2本かぁ・・・」
そんなことをブツブツぼやきながら、ふと窓の外の壁に目がいった。
その壁には、底抜けに明るいペンキで大きなクジラの絵と、
電話番号が書いてある。
「まさかね・・・」 (・v・)
そんな風に思いながら、「でも、もしかして・・・」なんて、
絶対になくならない期待がかすかに動きだす。
視線の間には、アメリカ製のクールな公衆電話が立っていた。
つづく・・・☆
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