十字軍を知りたくて１（ゴゾ島）

2001/09/06 - 2001/09/16

なぜマルタか？
地中海の島・中世の騎士団の島・冷戦の「終結」地等々、魅力はたくさんありますよね。予定なしでフラッと行っても何とか見所を回れちゃう程度の大きさ＝観光に終始せずにヴァカンスできる、ということですし。まったくのフリーで、久しぶりの一人旅となりました。

エリア ゴゾ島(マルタ)

ゴゾ島で宿をとったシャーラは本当に小さい町（村？）です。これといったレストランも土産物屋も少なく、ジュガンティーヤ神殿の周りに少しあるくらいです。日中歩いていても、ほとんど人と会うことはありませんでした。9月8日の大切なフェスタの日には、この静かな町にとんでもなく大勢の人が集まりました。大包囲戦で対オスマン=トルコ勝利の日、第二次世界大戦でイタリアが降伏した日、そして大好きなマリア様のお誕生日、ということで、マリア様はOur　Lady　Victoria、勝利の女神様とされているとのこと。お祭りもかなり大規模でした。前日から花火がバンバン打ち上げられてましたし、街中の飾りつけも派手なものでした。当日はパレードもあり、かなり盛り上がります。

シャーラには紀元前3500年頃に起源をもつジュガンティーヤ神殿があります。シャーラの町自体が丘の上にあり、その中腹に位置するこの神殿は、ユネスコの世界遺産に登録されています。見学できるのは大小2つ祭壇をもつ、奥行き20mくらい・横幅50mくらいの（目分量ですので違っているかも）、楕円形の神殿です。かなり荒削りだけれど巨大なサンゴ質の石灰岩で作られており、特に裏側から見ると大きな石を左右から支えるようにしてあったりと、精巧なつくりが確認できます。アフリカに程近い地中海に残る神殿として、歴史のロマンが感じられますね。ただ、風の強い日にここを訪れる方はご注意を。風をさえぎるものがないばかりか、あたりは砂だらけなので、かなりじゃりじゃりになりますので。

マルタでも数少ない砂浜（かなり赤茶けた砂です）のラムラ湾に行ってみました。かなり風の強い日だったので、それほど海水浴客はおらず、若干海草が漂う小石交じりの水際で、足だけ入りました。結構冷たいです。この湾を見下ろす崖には、妖精にとらわれたオデュセウスが7年間いた洞窟なるものがあります。「カリプソの洞窟」と呼ばれていて、本当に見晴らしのいい崖です。伝説を感じるものは何もありませんが。

この島の中心都市ヴィクトリアには中世の要塞（チタデル）があります。かなり分厚い城壁のゲートをくぐると広場、そして大聖堂がそびえています。大聖堂まではさらに階段となっていて、一周徒歩で15分もかからない程度の狭い敷地内でも結構高低差があります。数箇所から城壁に登る事ができ、砲台であったであろう広い場所も含めて、眺めは最高です。城壁を一周すれば、ゴゾ島の全景を確認することもできます。途中カフェもありますし、気持ちがいいですよ。しかしまぁ、こんな何にもない島（失礼）なのに、これほど堅固な要塞があることに驚きました。オスマ＝トルコなどとの死闘の歴史があるからでしょうが、騎士団の国ということを認識させられます。

ホテル「コルヌコピア」は、イギリス人に人気のあるらしい４つ星ホテルで、農家を改築したカントリームード一杯のホテル＆コテージ＆ヴィラがあります。滞在形態にあわせて選べるのがうれしいですね。この町にはレストランがほとんど無いので、ハーフボードがおすすめです。かなりボリュームのあるディナーが楽しめます。金曜日の夜はプールサイドでのガーデンレストラン（セルフサービス）で、地元の人にもかなり人気があるようです。