2004/09/03 - 2004/09/03
2581位(同エリア3084件中)
黒田夫妻さん
アムステルダムでは、どうしても行きたいところがありました。それは、第2次世界大戦中、ナチスの犠牲になったアンネの隠れ家でした。http://www.kuroda-home.netもご覧ください。
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●アムステルダムに張り巡らされた運河を船で行く
ふたたびアムステルダムまで帰り、ゴッホ国立美術館を見学。さまざまな時代のゴッホの作品が展示され、作品数では世界一といわれる美術館だ。受付で日本語の説明が聞けるイヤホンガイドを借りて、ゴッホの絵を一つ一つ見ていく。初期の作品である「馬鈴薯を食べる人々」は、ひたすら暗くて真っ黒な泥に汚れたような重苦しい場面や、人々のごつごつした顔つきから、当時の農民の苦しみや哀しみ、力強さが伝わってくる。
これら初期の作品とは正反対に、明るい色彩を好んだ晩年の絵も、たくさん展示されていて、「カラスの群れ飛ぶ麦畑」もそんな南仏アルルで暮らした時代の作品だが、ゴッホが37歳で自殺する数日前に描いたものだという。
美術館には、ゴッホ以外の作品も展示しているが、とてもそこまで時間がなく、一回りしてミュージアムショップで絵はがきなどを買うと、すでに集合時間になっていた。
午前の最後の観光は、昨日やり残した運河巡りである。アムステルダムに存在する運河は160本以上、そこに架かる橋は、1200本以上だと言われている。「アムステル」ダムという名前の通り、水をせき止めて石と土で作りあげられたオランダの首都は、いたるところに運河が張り巡らされている。
運河巡りは、アムステルダム中央駅近くの船着き場から出発して、約1時間かけてもとに戻ってくるというものだ。船に乗り込む頃には正午を過ぎ、強い日差しが船上にも差し込み、オランダのこの時期ではめずらしいほどの暑さとなった。そのなかを、50人ほどを乗せた船がゆっくりと運河をすすみ、市内の名所を回っていった。テープによる解説は、オランダ語、フランス語、英語、日本語と続く。
西教会にほど近い「アンネの家」の入口には、たくさんの人たちが長い行列をつくっていた。ここには、午後の自由時間を利用して行く予定を立てていた。 -
●戦争の悲惨さをあらためて思い知らされた「アンネの家」
船を下りると、午後からは自由行動となる。すでに午後1時を回っていたが、昼食も食べず、お目当ての「アンネの家」に駆け足でむかう。アムステルダムでは、ここだけは行きたかったので、さっき見た行列が、さらに長く伸びているのではないかと気が気でなかったからである。
地図を便りに、少々迷いながらも、「アンネの家」に到着する。入口には誰もいない。「よかった!」と思うと同時に、いささか拍子抜けしてしまった。腹が減っていることも忘れて、入場券をひったくるようにして受け取り、展示室に入る。
狭い階段をあがっていくと、隠れ家への入口をカムフラージュした本棚が当時のままに備え付けられており、蝶番によって本棚が移動するようになっている。ナチスの目を逃れてアンネの一家は、この隠れ家に2年間ひっそりと身を隠していたという。その生活を克明に記録した「アンネの日記」は、囚われの身になったものの、かろうじて生き延びた父親のオットー・フランクが娘の日記をまとめ、戦争の悲惨さ、ユダヤ人弾圧の理不尽さを世に伝えるため、出版に踏み切ったものだった。
アンネの部屋には、彼女が、雑誌から切り抜いて壁に貼っていた映画スターの写真が、当時のままに残っていた。もちろん外には出られず、階下にジャム工場の従業員がいる昼間は足音を立てることさえ許されず、ひたすら息を殺して多感な時期をおくらなければならなかったアンネの気持ちを、残された品物の一つ一つが語りかけてくるようだった。
展示室では、各所でビデオでの説明があったり、ユダヤ人弾圧を記録した写真や、実物の日記などが展示してあった。それらの説明は外国語だが、日本語のパンフレットを頼りに見ていけば、おおむね理解できるようになっている。約1時間ほど見て回り、ショップで日本語の解説書を買った。 -
●ツアー最後の夜のディナーに思い出話で盛り上がる
西教会の前にあるアンネの銅像の前で写真を撮り、昼食を食べていないことを思い出し、教会の敷地内で店を出していた屋台でサンドイッチを買い、二人でベンチに座って食べた。空腹は最高の調味料とはよく言ったもので、そまつなサンドイッチが抜群にうまい。教会にたくさんの鳩がいて、食べている姿を見て、私たちに寄ってくる。あっちへいけと追い払っても、しばらくするとまた来る。食べていて、偶然、パンを一切れ落としてしまったのだが、鳩は、ここぞとばかりにそれをくわえて飛び立っていった。このあたりは、日本の鳩もオランダの鳩も同じなのである。
腹ごしらえができたところで、トラムに乗って、ふたたびゴッホ美術館に行く。ゴッホ美術館は、入場券があれば、再入場ができるのである。午前中に見逃したモネの作品を中心に見て回る。
美術館を出た後、再度、トラムでホテルの近くの停留所まで帰ってきて、「ミッフィー」ショップに立ち寄り、おみやげを買って、ホテルに戻った。
ツアー最後の夕食は、アムステルダム郊外の「風車のレストラン」でいただく。行ってみれば、確かに、レストラン全体が風車になっていて、他のツアー客もバスを乗り付けて、そのレストランに入っていっていく。いかにも観光客むけのレストランのように見えるが、中に入ってみると、落ち着いた雰囲気で、地元の少し裕福そうに見える人たちが、金曜日のディナーを楽しんでいた。家族連れで来ている人たちもいる。
すこし窮屈なテーブルに19人が並んで腰掛け、ツアー最終日の懇親へ。料理もおいしく、あと1日という安心感もあり、そのうえ、アルコールも手伝って、みんな饒舌になっていた。ツアーを振り返っては、思い出話に花が咲き、あちこちから笑い声がわき起こる楽しい夜となった。
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この旅行記へのコメント (2)
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- Professor Lさん 2004/11/07 08:56:20
- ゴッホの浮世絵模写
- ゴッホ美術館では、リュックサックを背負っていると、受付で預けないと入館できませんよね。
ゴッホが浮世絵を模写した見返り美人等の作品はいかがでしたか。
ゴッホ美術館は、居住地点等の違いで作品の移り変わりを堪能できて面白かったです。
- 黒田夫妻さん からの返信 2004/11/07 11:34:51
- RE: ゴッホの浮世絵模写
- 荷物を持って入れないのは、テロ対策とうかがいました。
確かにゴッホの作品は多彩ですね。
「ひまわり」のような華やかな作品よりも、私には、「馬鈴薯
を食べる人々」の重々しさが心に残りました。
何よりも、「ホンモノ」が見られて、幸せでした。
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