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第一部-山陽路<br />~第一節 山陽本線を行く-神戸~<br />~第二節 風と光の間で-尾道<br />~第三節 神の見守る海-宮島<br />~第四節 山中にかかる橋-岩国、錦帯橋<br /><br />台風に挑むような尾道~岩国の旅。

西へ~nach Westen~第一部

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2004/08/28 - 2004/08/29

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kobasさん

第一部-山陽路
~第一節 山陽本線を行く-神戸~
~第二節 風と光の間で-尾道
~第三節 神の見守る海-宮島
~第四節 山中にかかる橋-岩国、錦帯橋

台風に挑むような尾道~岩国の旅。

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  •  8月28日、米原駅。<br /> 米原という駅は彦根城の近くに位置し、北陸本線と東海道本線の交わる所にある。<br /> ここを抜け東の方へ向かえば、不破の関と呼ばれた関ヶ原を抜け東国へと辿り着く。<br /> 逆に琵琶湖岸を西へ向かえば、大津、京都、長岡京、大阪、福原といった、かつての都が立ち並ぶ近畿の土地へと入っていく、そんな所だ。<br /> 西と東の分岐点。<br /> 今回は、東海道線を乗り継いでくれば、必ずと言っていいほど立ち止まる、そんな駅から旅を始めたい。<br /><br /> 北陸本線の長浜駅からやってきた新快速は、時に在来特急よりも速く走り姫路駅を目指していくのだが、ここで乗客を吸い込み、また四両ほど多く車両を繋いでいく。<br /> それでも電車が進むにつれ、席は埋まり立ち席の客は増え、やがて満車に近づいていくのだ。<br /> 電車は左手に彦根城を望み、西へと走る。<br /><br /><br /> 目を覚ましたのは丁度三ノ宮のあたりだった。<br /> 山陽本線の起点は神戸駅にある。旧市街地である神戸駅−新開地と、新市街地といえる三宮との間で、起点を定めるにあたっては一悶着があったそうだ。<br /> この辺は内田百先生の阿房列車に詳しいところで、山陽本線の開通時に訪れた先生が記者陣に囲まれて閉口なさるといった出来事も書き記されている。<br /> 今は三ノ宮で人がわっと乗り降りし、神戸駅ではそれほどでもない。<br /> そして昔の特急と、今の鈍行の速度はほぼ同じだ。<br /> 事実上、新快速の起点にして終点は姫路に譲られ、山陽本線の起点として知る者はさして多くはない。<br /><br /> 神戸駅を過ぎると、海沿いに電車は走り抜けていく。やがて左手に明石海峡大橋、右手に明石城の見える明石駅を過ぎると、西明石、加古川を経て姫路駅だ。<br /> 新快速の旅は此処で終わり、後は綿々と各停の旅。<br /><br /><br /> 姫路から岡山の間は山間部が続く。<br /> 相生で幾らか人が降りれば後はなかなか降りない。18きっぷ愛好者が、この区間を鬼門とする所以だ。<br /> それでも一時間半ほどを経て、緑の生い茂る山間部を抜け、岡山へと辿り着けば、少しは楽な気分になれる。<br /> もっともここから、倉敷を経、岡山を抜け、広島県に入るまではそれほどしんどくもなく、広島に入ってからがまた長いので気は抜けないのだが。<br /><br /> やがて電車は、福山をへて尾道へと走り行く。<br /> しまなみ街道の入り口にあるこの街へ、翌日行くことになるが、夕暮れ時は瀬戸内の海と、そこに浮かぶ島々、全てを照らす夕日が何とも美しい。<br /> 向かいの島には、工業用のクレーンがいくつも空へ伸び、抗うように太陽を浴びている。<br /> そんな町並みを抜けて、糸崎で乗り換えを経れば、後は西条で一度乗り換えるだけだ。<br /> 途中酒の街西条で乗り換えて、広島の奥へ。<br /><br /> 宮島の浮かぶ広島湾の夜景を眺めながら、一日目、電車に乗り続けたまま、夜は更ける。<br /><br />※写真は西条駅の酒樽

     8月28日、米原駅。
     米原という駅は彦根城の近くに位置し、北陸本線と東海道本線の交わる所にある。
     ここを抜け東の方へ向かえば、不破の関と呼ばれた関ヶ原を抜け東国へと辿り着く。
     逆に琵琶湖岸を西へ向かえば、大津、京都、長岡京、大阪、福原といった、かつての都が立ち並ぶ近畿の土地へと入っていく、そんな所だ。
     西と東の分岐点。
     今回は、東海道線を乗り継いでくれば、必ずと言っていいほど立ち止まる、そんな駅から旅を始めたい。

     北陸本線の長浜駅からやってきた新快速は、時に在来特急よりも速く走り姫路駅を目指していくのだが、ここで乗客を吸い込み、また四両ほど多く車両を繋いでいく。
     それでも電車が進むにつれ、席は埋まり立ち席の客は増え、やがて満車に近づいていくのだ。
     電車は左手に彦根城を望み、西へと走る。


     目を覚ましたのは丁度三ノ宮のあたりだった。
     山陽本線の起点は神戸駅にある。旧市街地である神戸駅−新開地と、新市街地といえる三宮との間で、起点を定めるにあたっては一悶着があったそうだ。
     この辺は内田百先生の阿房列車に詳しいところで、山陽本線の開通時に訪れた先生が記者陣に囲まれて閉口なさるといった出来事も書き記されている。
     今は三ノ宮で人がわっと乗り降りし、神戸駅ではそれほどでもない。
     そして昔の特急と、今の鈍行の速度はほぼ同じだ。
     事実上、新快速の起点にして終点は姫路に譲られ、山陽本線の起点として知る者はさして多くはない。

     神戸駅を過ぎると、海沿いに電車は走り抜けていく。やがて左手に明石海峡大橋、右手に明石城の見える明石駅を過ぎると、西明石、加古川を経て姫路駅だ。
     新快速の旅は此処で終わり、後は綿々と各停の旅。


     姫路から岡山の間は山間部が続く。
     相生で幾らか人が降りれば後はなかなか降りない。18きっぷ愛好者が、この区間を鬼門とする所以だ。
     それでも一時間半ほどを経て、緑の生い茂る山間部を抜け、岡山へと辿り着けば、少しは楽な気分になれる。
     もっともここから、倉敷を経、岡山を抜け、広島県に入るまではそれほどしんどくもなく、広島に入ってからがまた長いので気は抜けないのだが。

     やがて電車は、福山をへて尾道へと走り行く。
     しまなみ街道の入り口にあるこの街へ、翌日行くことになるが、夕暮れ時は瀬戸内の海と、そこに浮かぶ島々、全てを照らす夕日が何とも美しい。
     向かいの島には、工業用のクレーンがいくつも空へ伸び、抗うように太陽を浴びている。
     そんな町並みを抜けて、糸崎で乗り換えを経れば、後は西条で一度乗り換えるだけだ。
     途中酒の街西条で乗り換えて、広島の奥へ。

     宮島の浮かぶ広島湾の夜景を眺めながら、一日目、電車に乗り続けたまま、夜は更ける。

    ※写真は西条駅の酒樽

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