コチニーニョ・アサドは好き嫌いがある - マドリードのクチコミ
- フランシスコさん
- 男性 / マドリードのクチコミ : 8件
- 旅行時期 : 1997/07(約29年前)
有名なボティン。マドリードのダウンタウンのようなところです。なにしろ創業が16世紀という店です。ヘミングウエイも常連にしていた店で、外観も内装もひと昔、ふた昔前を連想させます。彼がいつも座っていたという席に案内してくれました。路地を見下ろせる窓枠もゆがみ、ペンキもはげていました。
ここの名物料理が生後二週間の仔豚の丸焼き(コチニーニョ・アサド)。銀のお盆にアジのひらきのようになってのってきます。もちろん切り分けてあって、普通はひとり1ピース。
豚肉の香りって思い出せますか? 食べながら、牛肉やマトン・ラムだけじゃなく、豚肉には特有の香りがあったことを思い出しました。この頃口にする「清浄ブタ」という名の「工場製品」からは消えてしまった香りです。しかも、母ブタのおっぱいしか飲んだことのない仔ブタですよ。北京ダックより高級です。
喜んで食べていた私ですが、連れの中には、噛めず、のみこめず、もどしそうになっている人もいました。見た目にショックを受けたのでしょうか、「清浄ブタ」しか食べたことがないんでしょうか。それとも、「生後2週間」に哀れを催したのでしょうか。
くるくる巻いたしっぽのフライ! をコリコリかじってごまかしている人もいたほどです。特に御婦人。この店を奨めた私を非難するような態度さえ……。ヘミングウエイ文学まで「野蛮なのよネ」なあんて、とばっちりが行きそうな始末。
店の人が険悪な空気を読んで、シェリーを一杯ずつごちそうしてくれましたが……。
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