ホテル・フェネラリーフェ - グラナダのクチコミ
- フランシスコさん
- 男性 / グラナダのクチコミ : 2件
- 旅行時期 : 1998/07(約28年前)
グラナダ駅の前をラ・コンスティチュシオン通りを抜けコロン大通り、カテドラルの角を左折するとヌエバ広場だ。狭いゴメレス坂にかかると両側にみやげ物屋が並ぶ。バス1台がやっとという狭さである。ザクロ(グラナダ)の門を通り抜けると、急にうっそうとした木立の中に入っていく。くねくね曲がりながら、アルハンブラのお膝下、ホテル・ヘネラリーフェまで一気に登っていく。アルハンブラ宮殿の城壁をぐるりと回ってヘネラリーフェ近くまで登っているはずだが、木立が深くて城壁は見えない。
ホテルも木立の外れに立っていて、眺望などはさほどよくない。とは言え、アルハンブラの離宮(フェネラルフェ)の懐の中である。
ロビーもどことなくごたごたしている。古い感じはするが、洗練されたとはいいがたい。とはいえ、大理石をふんだんに使ったやはり重厚な内装である。
部屋の窓を開けると、古城の空堀のようで、木立に面しているが、それとても格別趣があるという木立ではない。ここは二階の廊下をいくつも曲がったいちばん奥まった部屋である。石造りの内装だから空気がひんやりしている。夏の南スペインでは日当たりの悪いのは、むしろ歓迎である。
プールがあるというバルコニーを覗いたら、太った外国人のおば(あ)さんが2人ほどプールサイドに見えた。まだ、斜めだが強い日差しの下だ。
アルバイシンのフラメンコを見に行く前に食事をしておこうと思ってビュフェに行く。このホテル内にこんなにたくさんいたかと思われるほど賑わっている。スペイン各地、それに中南米からかと思われる人達の団体だ。ごたぶんに漏れず、おばさんのほうが圧倒的に多い。
食事半ば、ギターやヴァイオリンを抱えた若者が数人現れた。黒いマントに黒い頭巾だ。中央で1人が口上を述べはじめる。最初はスペイン語で、ついで英語でやる。
「僕たちはグラナダ大学の学生音楽サークルです。ふだん学内や町の広場で演奏などしていますが、週末にはこちらのホテルでもお食事中のみなさんに演奏を聴いていただいています」
というようなことを言う。なるほどそれで中世の巡遊学徒のかっこうをして現れたのかと思った。グラナダ大学なら、詩人ロルカの後輩だ。
演奏が始まった。ギターもフラメンコなどとは違って、のんびりした、素人っぽい演奏である。席のあいだを回りながら歌う。よく知られた曲目が多い。ララの「グラナーダ」とか「乾杯の歌」「バイア・コンディオス」その他、スペイン民謡だった。下手ではないがうまくもない。温かい感じだ。中南米のおばさんたちは巨体を揺すって一緒に歌っている。
1通り演奏が終わると、またリーダーらしき学生が話す。CDとテープを手にしている。
「これは僕たちの演奏を入れたCDとテープです。カンパだと思って協力してください。市内でも売っていますが1500ペセタします。今日は特別1200ペセタでお分けしますのでよろしくお願いします。」
なんてことを言う。学生らしいと言えば学生らしいが、流しと言えば流しだ。テーブルに来たが、僕もそっけなく「ノ、グラシャス」と断った。悪びれもせず、学生は他のテーブルに移っていった。元気のよかったおばさんたちも、みんながみんな
買っているわけでも無さそうだった。
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