映画「市民ケーン」のモデルになった新聞王ハーストの館「ハースト・キャッスル」
- 4.5
- 旅行時期:2018/09(約6年前)
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by porculsさん(非公開)
サン・シミオン クチコミ:1件
カリフォルニアの海岸の、ロサンゼルスとサンフランシスコの間辺りにあるサンシメオンという街の、海岸から少し内陸に入った山丸ごと(目視で確認した感じでは山2つ分くらい)を自宅として所有していた「新聞王ハースト」ことウィリアム・ランドルフ・ハーストの屋敷です。ハーストは、オーソン・ウェルズの映画「市民ケーン」のモデルとして有名な20世紀前半のメディア王で大富豪で、ハリウッド映画草創期のスタ―たちとの交流も深く、「ハースト・キャッスル(ハースト城)」という名の通りお城みたいな大豪邸に、チャップリンやクラーク・ゲーブル、グレタ・ガルボなど多数のハリウッドスターが毎日のように訪れて滞在していた「黄金期の聖林の夢のあと」ぶりが垣間見られて、背筋ぞくぞくです。山のふもとに入場券を買うところがあり、中に入るとカフェテリアやお土産屋が並び、そこからバスに乗って、山頂のお屋敷に向かいます。屋敷までは細い山道をくねくね上がっていくので、バスで15分ほどかかりました。かつては途中の山のところに動物園みたいに猛獣などが放し飼いにされていたそうです。お屋敷は当時としては珍しい女性建築家のジュリア・モーガンの作品ですが、たぶんハーストさんの趣味で、古代ローマや中世お城建築をそのまま移築したみたいな、多くのパーツをヨーロッパから取り寄せて、内装だけでも20年ほどかけて整えたというヨーロッパ趣味全開で、女性建築家の仕事!みたいな観点で見る感じではなかったです。たとえば屋外と室内2つあるプールはどちらも古代ローマ風で遺跡みたいだし、室内インテリアもヨーロッパのお城や教会みたいで、感心するよりアメリカ人のヨーロッパコンプレックスに悲しくなりました(多くの昔のアメリカのお金持ちの屋敷はどこも、ヨーロッパへの憧れ全開すぎて、いつも悲しくなります)。とはいえ、こんなにお金と手間暇をかけた、しかも山丸ごと2個分くらいの規模の屋敷は、今では絶対造れないので、わざわざ足を延ばして見る価値は十二分にあり、ここを訪れたハリウッドスターや政治家などセレブの面子を見ているだけでくらくらするほど華麗な世界です。映画ファンなら、「市民ケーン」への想像力と、オールド・ハリウッドへの憧れと、ダブル・ファンタジーでめまいがすると思います。建築好き、お城好き、歴史好き、観光好きな方にもお勧めです。
アクセスは車しか難しいと思います。運転できない私はLAから現地ツアーを利用しました。遠いので、丸1日かかるツアーになります(途中でサンタバーバラ、ソルバングと、トド?が大量に集まる海岸に立ち寄ります)。ショップも充実していて、特に書籍が多数揃っているので、ここの文化に興味があれば、買いあさることもお勧めです。
- 施設の満足度
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4.5
- 利用した際の同行者:
- 一人旅
- 観光の所要時間:
- 半日
- アクセス:
- 3.0
- LAとSFの中間点辺りのサンシメオンにあり、車でしか行けないと思います。運転できない私はLAから現地ツアーを利用しました。
- コストパフォーマンス:
- 4.0
- これは価値観で、新聞王ハーストや、その時代の映画などに興味ある人は充分価値あり、単なる観光地としても一級なので、個人的にはコスパ大。
- 人混みの少なさ:
- 3.0
- 僻地ですが車があれば簡単に行けるので、アメリカ人観光客は驚くほど多かったです。
- 展示内容:
- 5.0
- 屋敷だけでも素晴らしく、牧場のあった山丸ごとの敷地、敷地内のプールや庭園などの施設…唯一無二の「展示」だと思います。
クチコミ投稿日:2021/02/11
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