ファージャス (バレンシアの火祭り) Fallas de Valencia

祭り・イベント

春の訪れを告げる、元は大工の祭り

5.0
旅行時期：2015/03（約11年前）

by MILFLORESさん（女性）

バレンシアクチコミ：5件

スペイン三大祭りと呼ばれるのは、セビージャの春祭り、パンプローナの牛追い祭り、そしてこのバレンシアの火祭りです。セビージャの春祭りは地元民でないと楽しめない雰囲気（訪問経験あり）、パンプローナの牛追い祭りは街中が酒と尿臭くなるといいます（訪問経験なし）。そんな中で、バレンシアの火祭りは開催中のどの日に行っても、一観光客でも十分に楽しめます。

毎年、3月15日深夜にファージャ（人形）が通りに設置される日から19日深夜それぞれのファージャが燃やされる日までが祭り期間となっていますが、市役所広場の14時の爆竹ショーは3月に入ると毎日やっています。

この祭りのクライマックスは3月19日、サンホセ（聖ヨセフ）の日です。キリストの義父である聖ヨセフは大工でした。大工職人が1年余った木材や木屑を、春の訪れを祝いながら燃やしたのが起源と言われています。18世紀中旬には、木材を人形型に作り上げた、現在のファージャの原型のような祭りが始まったと言われています。

今では、各地域の町内会のようなグループがファージャを作製設置します。ファージャ職人は1年かけてファージャを作り、誇りと喜びをもって3月19日のクレマ（燃やすイベント）を迎えます。

火祭りに行ったらは、まずは昼間にあちこち、街角に設置されている大小のファージャを見て楽しみましょう。各ファージャには大人の大きいファージャと、子供の小さめのファージャが作られます。ファージャのある周囲には、様々な屋台が出ていて日本の神社の祭りのような雰囲気が楽しめます。ファージャ時期のバレンシア名物ブニュエロス（瓜入り揚げドーナッツ）なんか美味しいですよ～

14時には市役所広場にてマスクレタと呼ばれる派手な爆竹ショーがあります。15分ほどですが、すっごい迫力です。この時間に滞在ならば、是非市役所前付近まで人混みを掻き分けて踏み入って下さい（祭中ならば1時間前から市役所前に陣取るべき）。周囲の通りから聞くのとは、迫力が全然違います。この時、注意！　鼓膜が破れないように、口は半開きで鑑賞してくださいね～

17日と18日に行ける人は、一日中バレンシア民族衣装に見に包んだ地元民のパレードが見られます。このパレードの最終目的地は聖母広場で、そこに設置されたバレンシア守護聖母デサンパラドスに献花するのが目的です。　スペイン中で一番華やかな民族衣装であるファジェーラ姿の女性陣は、本当に美しいです。特に女の子達の姿は愛らしくて、ずーっと見ていても飽きません。

献花された花束で、聖母像は美しく着飾ります。これを18日夕刻から19日にかけて見るのも良いもの。

祭中に夜滞在する人は、トゥリア公園で開催される花火も見ものです。日によって0時、または1時です。

そして19日の夜、祭のクライマックスであるクレマ（燃やす儀式）は、22時に各子供ファジャから始まります。その後、22時半に第1位の子供ファジャ、23時に市役所の子供ファジャ、24時に各ファジャ、0時半に第1位のファジャ、そして1時に市役所のこのファジャが燃やされます。

昼間に燃えるのを見たいファージャを決めておくことをお勧めします。そして、燃やすのは遠くから眺めた方が無難です。初めて行った20数年前、一番前に陣どって喜んでいたら、点火されてから火の粉が飛んでくるし、熱風がすごくって参った経験があります。

最後の市役所のファージャの燃えるのは、時間も遅いし、一番人出がある場所なので、ホテルでTV鑑賞・・・なんてのも有りかも。

ファージャ中、一番困るのはトイレ事情。バールやレストランに入るか、路上の簡易トイレを利用するしかないのですが、はっきり言ってどこも汚いし、女性はどこも行列覚悟しないと。

でも、私はそれでも、部外者でも十分に楽しめるファージャスが大好きです。スペインの祭りでは、コルドバのパティオ祭と並んで、好きな祭りです。