ヴィチェンツァ周辺のホテルが宝石の見本市の影響なのか満室で、範囲を広げてリサーチした結果、ヴェネツィアの名門貴族コルナーロ家の16世紀のヴィラを利用したホテルを発見し予約しました。「女王コルナーロのヴィラ」とは、塩野七生『ルネサンスの女たち』にも登場するキプロス女王カタリーナ・コルナーロゆかりのヴィラということのようで、パッラーディオ風の列柱が印象的な邸宅でした。
階段を上がった先の中央ホールは宴会場で、到着時は披露宴の真っ最中でした。客室は一番上のフロアでエレベーターはありませんが、荷物はスタッフが運んでくれます。バスルームの真下が宴会場でパーティー会場の音楽を聴きながらのバスタイムとなりました。部屋の窓から見える庭園では、招待客が花火を持って二列に並び、その間を新郎新婦が歩いて祝福を受けていました。
このヴィラは宿泊客より結婚式場利用者を優先しています。驚くことに到着時はホテルの正門の扉が閉まっていて、ヴィラの前までのアクセス方法すらわかりませんでした。宿泊客への案内標識は全くありません。自力で列柱階段前まで到達して荷物をおろすと、パーティースタッフがやってきて「駐車場は建物の裏側です。至急移動してください。」と違法駐車扱いを受けました。パーティーの雰囲気を壊したくないのなら、宿泊客に駐車場・フロントの場所とアクセス方法を事前に知らせるべきです。宿泊予約客がホテルの敷地内に入らないよう門を閉ざして締め出すという非常識な対応には本当にびっくりしました。翌朝は正門は開放されていて、静かな庭園を散策できました。イベントの有無で滞在の印象がかなり変わるであろう施設です。よってイベントの可能性のある金曜から日曜にかけての利用は避けた方がいいと思います。