国内で旅行する際に、鄙びた風情ある旅館で雰囲気を満喫したい方でしたら、モロッコ旅行で一泊は素晴らしいリアドに宿泊したいところ。しかし一口にリアドと言ってもそのクオリティーはピンからキリまであり、星の数ほどあるリアドから好みのものを見つけるのは至難の業。
日頃、旅をしている際に宿泊先は寝床さえ確保できれば良しとしている小生でさえ、モロッコでは宿を楽しむリアドの魅力に魅せられました。そんな私がモロッコで体験したリアドの中で最もオススメしたいのがフェズのリアド・サラーム。
外部からはのっぺりし装飾が見えないどころか、そもそもここが宿である事すら解らないモロッコ建築様式のリアド。リアドとはそもそも「内庭」を意味するらしく、その言葉をそっくり使用している事から解るようにリアドの内庭の装飾は目を見張ります。
19世紀のリアドを改装し一流ホテルに。
リアドの装飾は人それぞれの好みとセンスが大きく左右するでしょうが、私が滞在したリアドの中で最も「雰囲気のある」リアドは間違いなくこのリアド・サラーム。
内庭に面した壁面は4階のバルコニーまで美しく細かいタイルで装飾され、リアドに通されるや息を呑みます。装飾は細かいながらも眺めていて疲れる事なく、煌びやかでありながら嫌味なく落ち着いた雰囲気を醸し出してくれます。
このリアドの一番のオススメポイントはこの美しい装飾に限るのですが、あいにくこればかりは小生のつたない文才では筆舌し難く、実物を見て頂くより他ありません。しかし、近辺の別な宿に宿泊していた友人が訪ねて来た際に、30分以上写真を撮り続けていた事がこのリアドのフォトジェニックさを物語っているでしょう。
一方客室についてはタイル等の装飾は最低限に抑えられ、ゆっくりと時間をすごせる様に配慮されています。
リアド特有な中庭の構造上、廊下に面した窓がある事を嫌う方もいらっしゃるかもしれませんが、同じく構造上宿泊客以外が入る事ができなく、部屋数も多くないのでカーテンや木製の鎧戸を閉めてしまえば視線も遮断する事は容易。
レトロな雰囲気がある部屋ですが館内全体にWi-Fiもしっかり飛んでおり、旅をするにおいて必要不可欠な情報収集にも不便はしません。視聴する事はありませんでしたが、液晶テレビも備え付けられております。
バスルームは総タイル張りで雰囲気はあるものの、多くの部屋ではバスタブは併設されておりません。湯量が少ないのが難点で、冬場の寒い夜は辛いものがあるかもしれませんが、個人的にせっかくモロッコなので部屋のシャワーではなく近隣のハマームに出かけるのも代替手段ではないかと。
朝食はモロッコ旅行で何度も食べるパンとお茶だけの簡素なものですが、リアドを眺めながら頂く朝食はなんとも贅沢。夕食もこちらで頂くことが可能で、多くの宿泊客が食事を取っていましたが、あいにく私はこちらで頂く事なく過ごしたのが若干心残り。
全体を通して言えば、最もコスパの良いリアドの一つに名を連ねる事は必至。
外国人の方が日本で旅館を楽しむように、モロッコでリアドを楽しんではいかがでしょうか。