Tarifa Unicaという割引価格でスタンダードツインの部屋に100ユーロで1泊しました(ホテルズドットコムから予約・食事はなし)。他に35歳までが対象の「若者割引」と55歳上が対象の「シニア割引」があって、これらは朝食もつくようです(うちの夫婦はどっちにも当てはまらないんですが、パラドールの朝食はヨーロッパらしからぬ充実ぶりですし、該当する方はコチラも良いかもしれません)。
事前にパラドール公式サイトで調べた際に、「TOWER ROOM」という特殊な部屋(料金自体はスタンダードツインと同じ)を見つけ、予約の際に「タワールーム希望」とリクエストしておいたところ、4本ある尖塔のうち左手前の塔の上の部屋=501号室を用意してくれていました。
宿泊当日の昼間はブルゴスを観光し、17:30ブルゴス発18:09レルマ着のALSAのバスでレルマのバスターミナルに到着。意外にも立派なターミナルで売店や軽食コーナーなどもあり、ちょっとしたドライブインという感じ。ここからパラドールまで歩くと20分くらいかかるので、タクシーを呼んでもらう方が良いです(私達は何も考えずに歩き始めましたが、夕方とはいえ日も高く汗だくになり、かなり後悔しました)。
町外れのバスターミナルから町の城門を経て、レルマの小さな古い町並みの坂道をまっすぐ上がるとパラドールが建つ広い広場に出ます。この町は、17世紀に「寵臣」レルマ公爵が建てたこの王城のような建物を中心にした「城下町」といった感じの静かな町。
チェックインの際には、「あなたの予約したタワールームは、変わった作りの部屋で、エレベータを降りてから30段以上階段を登らないといけないけど、それでもいいか」とフロントから念押しされ、案内されました。エレベータで4階まで上がり、501のドアまでは直ぐなのですが、ドアの向こうには、グルグルと登る30数段の狭い階段。たしかに念押ししてないとクレームが出そうな造りで、機内持ち込み可の小型スーツケースでも少し苦労しました。
タワールームは、狭い尖塔の屋根裏部分を利用した部屋なので、かなり変わった造りです。バスルームは独立しておらず、ベッドのヘッドボードの向こう側にバスタブがあります(広いバスタブなので、意外と使い勝手は良い)。大きな窓やバルコニーはないですが、四方に小さな出窓があります。オリテの古城をリノベートしたパラドールに宿泊した際にも感じたことですが、パラドールの建築は本当によく考えて設計されており、こんなイロモノじみた部屋でも、階段の登り降りを除いては、ほとんど不便を感じること無く快適に過ごすことができました。
レルマ公はフェリペ3世の時代に国政を牛耳った人物。その邸宅に、王にしか許されないはずの4本の尖塔を建てたのですが、この部屋は、そんな曰くつきの尖塔にあるお部屋。レンタカーで訪れる人が多く、宿泊当日もスペイン国内やイギスナンバーの車が目につき、電車やバスでの旅行ではやや不便な立地ではありますが、泊まってみる価値のある部屋でした。オススメします。