このホテルは当初ホテル予約サイトを通して、部屋を確保していたが、ネットで利用者の体験談を読んでいて、サイトからではなく、ホテルに直接予約すると、ノイシュバンシュタイン城やホーエンシュヴァンガウ城内部見学のチケット等全てホテルが手配してくれて、自分でチケットセンターで購入したり、オンライン予約するよりもスムーズだったとのことだったため、ホームページ記載の日本サイドの予約担当にメールで確認したところ、直接の方が安くなるし、すぐにサイトの予約を取り消して直接予約して下さい、との回答が来た。まだ、無料キャンセル可能期間だったため、早速予約を取り直した。
実際には料金は全く安くならなかったが、ほぼ同額だったし、当初は担当者の方から、すぐ電話もあり、いろいろアドバイスもしてくれたので、まあ良いかという感じだった。
電話ではいろいろ説明もあったので、その後いくつかメールで質問をしたところ、ほとんどの質問に関して、まともな回答が返って来なかった。何を聞いても、ほとんどが当日の状況により変更のある可能性があるから、答えられないという内容だった。もしもの場合に責任を取りたくない、ということだろうがあまりにも同じ回答ばかりで嫌になった。
例えば、バスの停留所からホテルまでの距離を聞いたところ、停留所は毎回同じではないような回答が返って来た。小さな町なのに大きなバスが止められる場所なんて限られているのではと思いながら実際現地に行ってみると、やはり、どこから来るバスも停留所は皆同じで、看板やらサインが固定されていて、滅多なことで場所が変わるようなことなんてあり得ない、というより他に場所もない、というような町だった。せめて、大抵はここですが、事情により変わることもあります、という案内があっても良かったと思う。
また、この人は早とちりの傾向があるようで、何だか質問したことと回答がずれている、と思っていたら、その後慌てたように訂正のメールが届くこともしばしばだった。
人が記載した内容をきちんと読む習慣のない人なのか、私が初めから二つのお城と博物館をセットで見たいと言っているのに、後になって2011年に出来た新しい博物館の見学をお勧めします、と言ってきたのだが、私は博物館の存在はお城とのコンビチケットがあるというだけの情報で、博物館の名称など詳細を知らなかったため、別の博物館(つまり博物館が二つある)と勘違いしてしまい、当初到着当日に観光予定だったノイシュバンシュタイン城を翌日回しにしてしまったのだが、このことが最終的に私たちに大きな損失をもたらした。到着当日は遠くのホテルからでもくっきりその美しい遠景が見れていたのに、肝心の見学当日はひどい霧が出て、マリエン橋からは方向を示されなければどっちを見てよいか分からないほどで、真近に言っても、城の上部は霧がかかってぼんやりしか見えなかった。
特に朝はそういうことはよくあるそうなので、現地ホテルの関係者であれば、ホテルからよく見えている時がチャンスというぐらいのアドバイスがあっても然るべきところ、こちらがその予定だったのに、その計画を困難などと反対するなど言語道断。フュッセンの観光を諦めて、現地で余分に待ったものの結局、限界の時間までに、霧が晴れることはなく、最初に立てた予定どおりにしていれば、と思うと悔しくてならなかった。ぎりぎりまで城近くで待っていたため、慌しい出発となってしまい、名残を感じている暇もなかった。当初予定では、昼過ぎに到着し、まず、ノイシュバンシュタイン城を見て、時間があればホーエンシュバンガウと博物館の予定だったが、絶対無理だし、他にも見所があるからと案内されたため、到着当日にホーエンシュバンガウと博物館、フュッセンを夕刻に見て、翌日ノイシュバンシュタイン城を朝一番で見て、時間が余ればその他の見所を回る計画に変更してしまった。ところが、実際行ってみると、博物館は始めから予定していたものと同一(一つしかない)、他の見所として案内された、コロマン教会は水曜日のみの開館で、月火のみの滞在の私たちには、どちらにしても見られない(自分で予約を取っておきながら、見られないものを案内するなと言いたい)という事が判明したし、ほとんどの観光客は午前中に見学を済ますようで、夕刻近くの観光は空いているため、非常にスムーズで3つ一度という私たちの当初の計画でも十分可能だったことも分かった。チケット購入時点ではそれが分からなかったため、分かってからではチケット追加購入にも間に合わず、翌日に備えて、その日は早目にホテルに戻ることにし、余裕ができたとして、フュッセンも翌日回しにしてしまったのだが、前述のような状況に陥ってしまった。
このホテルの売りである、チケットの手配も大したものではなかった。ホテルの人が行くことでチケットセンターが便宜を図るのかと解していたが、そんなことはなかったので、英語に自身のない人ならともかく、通訳を生業とし、多少のドイツ語も解する自分には、無意味だった。ノイシュバンシュタイン城は14-days-ticketを渡すことで、完全に任せておけたが、他のチケットはクレジット利用だと結局自身も付いて行かなくてはならないし、それでも一応、係員とのやりとりをしてはくれたが、博物館とのコンビチケットを希望したのに、博物館に着いたところで確認したら、コンビになっておらず、結局その場で支払わされて、むしろ全部自分でした方が良かったぐらいだった。ノイシュバンシュタイン城の方も一応手配はしてくれていたが、英語のツアーを希望したのに、お城の入り口で希望者が二人だけだから、日本人のグループに入れと言われた。チケットにはEnglishと記載があったので、これはホテルの責任ではないかも知れないが、結局その場で自身で交渉してドイツ人のグループにオーディオガイドを持って付いて行く事で決着した。何故なら、示された日本人グループは非常に大きな団体で人と交差して見学がしにくいことは明らかだったからだが、こういう交渉が自分でできる人間には結局ホテルのケアなど必要なかったのだ。その程度のサービスなのに、到着当時、フロントに立っていた年配の方のスタッフは二つの城の内どちらか一方しか手配しないなどと、のたまわったのだ。私の不機嫌な顔を見て、もう一人若い方のスタッフが慌てて飛んできて、取り成しをしたが最終的には上記のような結果だった。
そういうわけで、現地もいまいちだったし、何と言っても日本サイドのスタッフは最悪。
帰国してから、メールをよく確認して気付いたのだが、彼の回答のほとんどはホテルのサイトに記載の説明をコピペしたものだった。道理でこちらは昼過ぎにについて、翌日昼までしか時間はないと回答しているのに、お城や博物館以外の見所を書き連ねた同様のメールが何度も送られて来たり、私たちの宿泊日と開館日の合わない教会を紹介したり、
やりとりを全て確認し、総合的に判断して、この担当者は現地の事を全く分かっていないことがよく分かった。部屋はさほど広くないものの、清潔で快適だったし、夕食も美味しく、レストランからのお城の遠景は本当に美しかった。ウエイターも感じが良かったので、ホテル全体としては、悪いことばかりではなかったが、日本サイドの対応は全く役に立たないというよりは、アドバイスなど求めない方が良かった。サイトのポイントも貯まるのだから、変更などせず、最初の予約を保持して、他は全部自分で手配すれば良かったのだと大いに後悔している。いつか、マリエン橋からの景色を見に再訪したい場所だが、このホテルに宿泊することはないだろう。