星の王子様をテーマにしており、予約サイトの写真でも感じが良く、この地域のホテルとしては価格もまずまずだったし、アフタヌーンティーのサービスもあるというので予約を入れた。到着時の応対は悪くなく、お部屋の雰囲気も良かった。バスルーム、特にバスタブがゆったりしていて、母も喜んでいた。しかしながら、アフタヌーンティーはケーキの種類が少なく、簡単なサンドイッチのような物もなく、甘い物ばかりでは食べられるものも限られ、部屋代込みのサービスはこの程度のものかという感じ。まあ、有料ではないので、仕方がないが、ひどかったのは夕食。盛り付けも凝っていて、味も悪くはないのだけれど、サービスが遅過ぎる。日本に比べればどこでもスローだし、ゆったりと食事を楽しむことは、私たちも考慮の上だったけれど、旅行中利用したどこのレストランと比べても極端に遅かった。ここよりもっと豪華なレストランにも行ったが、もっとずっとテンポは心地良かった。全体的にそうなら、まだ合点が行くのだけれど、他のテーブルで、後から来たお客の方に先にメニューが出されていたり、注文を取りに行ったり、始めの内はうっかり間違えたかと思っていたが、あまりに繰り返されるので、わざとそうしているように感じられた。実際メニューが出てくるまでに20分、飲み物のオーダーを取りに来た時には、来店後35分が経過していた。声を掛けようにも、室内に立っているウエイターはおらず、出てきたと思ったら、他のテーブルにサービスし、何か持って足早に去ってしまうので、チャンスがなく、まさか厨房の方まで行って声をかけるわけにも行かずといった感じだった。その上、アペリティフにはミネラルウォーターのみ、別にグラスで白ワインと頼んだのに、何故か白のポートワインが運ばれてきた。すぐに確認したところ、間違いは訂正されたものの、それにも時間がかかり、謝罪もなかった。日本に比べて何でも量が多く、味も濃い目なので、いつも一人分を注文して母とシェアしているので、その日も、スープ、サラダ、肉料理を一品ずつ頼み、後にデザートのみ二人分頼んだだけ。シェアするから、こちらが食べる時間はそんなにかかっていないのに、3時間以上を要した。帰るころには、私たちと同時期に来た客、後から来た客でも既に帰っている人もいた。その日は、ヨーロッパには珍しく、一日中、雨で観光も大変だったため、疲れていたので少しでも早く部屋に戻って休みたかったのに、20時少し過ぎにはレストランに入ったのに、部屋に戻ったのは23時を大幅に過ぎていた。ハウスゲストに対するサービスとは思えない。
駅から中心まで遠く不便だし、雨のせいもあって、バーデンバーデンという町自体にもあまり良い印象がなく、再訪する気はもとよりあまり起きないが、たとえ行くことがあってもこのホテルを再び選ぶことはないだろう。