パイプ・オルガンの演奏を聞く。思ったほど、パワフルではないが。。
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- 旅行時期:2017/09(約8年前)
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by tadさん(男性)
赤坂 クチコミ:16件
この大ホールは何度も来ているが、無料で入場したのは初めてだ。9月に再開されるまで、ホールは閉鎖されていたのだが、オルガンも手入れされたと聞く。実は、ここでは、パイプ・オルガンが使用される演奏会はまだ聞いたことがなかったので、今回、来る気になった。2000人収容のコンサート・ホールとしては、6千本近いパイプのオルガンが十分な音量だろうと推測していたが、今回の30分の演奏会では、バッハのフーガを聞いて、一応満足できる水準だった。
なお、コンサート・ホールのパイプ・オルガンで、やはり、圧倒的に思い出が残るのは、1999年にロンドンのロイヤル・アルバート・ホールで聞いたサン・サーンスの交響曲第3番だろう。9999本のオルガンが地響きをたてた!いまだかつて、あれほどの迫力あるオルガンの音は聞いたことがない。BBCのオーケストラと共演したのだが、オーケストラよりも迫力ある音だった。名手サイモン・プレストンがオルガンを弾いたが、あの後、プレストンの演奏するバッハ・オルガン全集を買ったものだ。送風装置が力強くないとあんな迫力は生まれないだろう。
もう一例、魅力的なコンサート・ホールのオルガンの音は、やはり、ウィーンの黄金のホール、ムジークフェラインの正面にあるパイプ・オルガンだろう。ケルビーニの交響曲ニ長調をオルガンとウィーン交響楽団と合唱団が共演した時の圧倒的なホールの響きも生涯忘れないだろう。これは、迫力だけではなく、優美な響きでも傑出した会場だ。
実は、以上の私の思い出のベスト2と比べると、サントリーホールのオルガンの音は、もっと迫力があってもよかったのだが、、。意外と遠慮がちに響いた。。
比較の話になったので、序に思い出すと、ロンドンのロイヤル・フェスティバル・ホールのパイプ・オルガンは修理前も後も聞いたが、これなら、サントリー・ホールと比べても、お互い、それほど変わらないかもしれない。バービカン・ホールのオルガンは、ホールの音響が酷くて響かない。
ただ、私にとってはパイプ・オルガンはヨーロッパの教会で聞くのが最高だ。すべて、異なった響きが楽しめる。バロック・オルガンなどの名器があちこちに残っているし、ピッチも異なることが多いので、さまざまな響きが楽しめるからだ。
日本では、ICU教会で、日本初の本格的パイプ・オルガンで、何度も聞いている。特に思い出に残るのは、マリー・クレール・アランさんの演奏やセミナーなどだろう。
なお、CDのバッハ・オルガン曲全集で、ヨーロッパの各地の名器のオルガンで録音したものとしては、サイモン・プレストン、マリー・クレール・アランがどちらも優れているので、オルガンの名器をいい音響の会場で聞きたい場合は、ぜひ、お薦めしたい。これらの録音は、素晴らしいオルガンを素晴らしい音響で聞ける教会が選択されている。
NHKで鈴木雅之氏がオルガン演奏したビデオを放送したことがあるが、あれも、ドイツなどの素晴らしい会場が選ばれていたと記憶する。鈴木氏には全曲あちらで録音して欲しいものだ。
- 施設の満足度
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5.0
- 利用した際の同行者:
- 一人旅
クチコミ投稿日:2017/09/17
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