休山トンネルの上に広がっていました。

5.0
旅行時期：2017/04（約9年前）

by たかちゃんティムちゃんはるおちゃん・ついでにおまけのまゆみはん。さん（非公開）

呉・海田・安浦クチコミ：12件

現長迫公園は海軍墓地として明治23（1890）年に大日本海軍墓地として開設されました。それ以降海軍呉鎮守府管理の下、毎年慰霊祭が挙行され続けてきました。しかし昭和20（1945）年の呉軍港空襲と枕崎台風の被害を被り、この場所はかなり荒廃していたようです。さらに輪をかけて終戦によって慰霊行事そのものが廃止され、有志の方々の手による手入れだけで維持できている状況にまで荒んでいたそうです。

沖縄に於ける慰霊碑群が建立された時期と同じころ、この地でも慰霊碑の建立が急速に進んで行きました。加えて昭和61（1986）年に旧軍港市転換法に基づき、旧海軍墓地は国から呉市に無償譲与されたことを受けて呉市が再整備し長迫公園と命名しました。

広さ2.9ヘクタールの敷地内には海軍所縁の戦没者を祀る多くの慰霊碑が立ち並び、その脇には子供達が元気に遊ぶ公園があるなど、お墓であれど地域住民の生活の一部に溶け込んでいる様子が伺えます。

アップダウンが激しく、足腰に自信のない方にはなかなかチャレンジするのも難しいかと思われます。しかし頂上にある展望台から眺める呉の街と海、その風景を眺めながら永遠の眠りについている戦没者の方々の気持ちをふと感じられたような気もします。

建立されている一部の慰霊碑には、墓地直下で行われている〝休山新道〟の工事によって出てくる〝振動の問題〟に対し、鎖で引っ張っている姿も見られます。確かに生活が便利になることは住人にとってはメリットなのでしょうが、もう少し何とかならないものだったのか…と少し残念にも思えました。