松蔭が監獄を福堂に変えた野山獄跡・岩倉獄跡を訪れました

4.0
旅行時期：2014/03（約12年前）

by 風待人さん（男性）

萩クチコミ：217件

野山獄跡・岩倉獄跡は吉田松陰が外国船で密航しようとした首途幕府に伊豆は下田で捕らえられ萩に送られた後に収監された江戸時代の監獄跡です。
野山獄は武士等身分の高いもの、岩倉獄は町人等身分の低いものが収監されました。
吉田松陰は野山獄、弟子の金子重輔は商家の出だったため岩倉獄に入りました。
この二つの獄は元々は二人の藩士の家でしたが、酒に酔った岩倉孫兵衛が道を隔てた野山六右衛門の屋敷に斬り込み家族を惨殺。
岩倉孫兵衛は捕らえられ、野山宅に幽閉された後に斬首、しかし、喧嘩両成敗ということで切り込まれた野山家もお取り潰しとなり、両家は没収され、牢獄となりました。
この時、切り込んだ岩倉孫兵衛に非があるとして、岩倉獄が身分の低いものを収容し、野山獄には身分の高いものを収容することとなっようです。
そんな曰くつきの獄中には実に様々な囚人が居て、中には家族や親族から疎まれて厄介払いのために投獄された人も居たようです。
吉田松陰はこの獄に繋がれてもその向学心は止むことはなく、差し入れられた本を読むばかりでなく、論語を説き、本を読み、和歌を詠み、またそれぞれの囚人の得意なことはその囚人を先生として教えを請うたといいます。
松蔭のここでの門下生は、囚人だけに限らず、門番や役人までが講義に耳を傾け、またその結果、囚人たちの環境も改善され本当に獄中を福堂にしてしまったようです。
こうして彼は監獄を福堂に変えたのです。
そんな、野山獄跡・岩倉獄跡はJR東萩駅から橋を渡って萩城跡方面へ直進します。
萩グランドホテル天空を越え、左手に中島医院が見えたらそのすぐ横の小路を左折すると５mも奥に入ると着きます。
今は石碑や場内の様子を知らせる図が書かれた看板が残るのみとなっています。
幕末ファン、吉田松陰のファンにはオススメのスポットです。