お手頃価格の温泉旅館

マイクロバスは穏やかな天候の中を快適に走り、金津インターから粟津温泉の街並みに入り、ゆったりとした旅程であったにもかかわらず予定より1時間も早く嬉しの美肌香房「ぐらばあ亭」に着いた。エントランスの「お達者会御一行様」と書かれた歓迎看板の横で、なぜか馬を引いたカウボーイの像が出迎えてくれるのだが、ぐらばあ亭のホームページによると、このカウボーイの名前がトーマス・グラバーで、ぐらばあ亭と名付けられた由来となっているのだが、そのトーマスさんが何者なのかは結局分からずじまいだった。ロビーで一休みするうちに部屋割りが決まって、中居さんの案内で３部屋に分かれて夕食までくつろぐことになった。大浴場「天神の湯」は１階にあって、かけ流しの温泉による癒しの空間となっており、遠くの白山連邦を借景にした庭園を背にした露天風呂につながっている。ここ「あわら温泉」の周囲は田圃しかない平坦な土地柄であるので、進出した旅館はこぞって立派な庭園を造ることで温泉宿としての情緒を醸し出す工夫をしたと言われており、永平寺の精進おとしの宿として、また東尋坊などへの観光客を受け入れる北陸観光の拠点としての賑わいを見せている。昨年訪れた「ゆ楽」は純和風作りであったが、この「ぐらばあ亭」は出迎えのカウボーイ・トーマスと言い、中庭には水浴びを楽しむ３匹の親子象が庭木の雪吊りとともに配置されているなど、それぞれの旅館ならではの差別化がなされているようだ。

クチコミ投稿日：2015/05/01