猫の営業部長がいる、お得な風呂屋兼旅館です！

まず、ここは、旅館といより「町の御風呂屋さん」であることが第一の特徴と思う。
玄関から入ると正面に銭湯風に風呂への入口があり、湯上りに常連客が寛ぐラウンジがあり、瓶牛乳があり、マッサージチェアとテレビあり…。そして番台の代わりにフロントがある。御風呂屋さんの奥に旅館が併設されている…というつくりである。

フロントの接客態度は常にそこそこ丁寧でフレンドリー。言葉は丁寧でも機械的な人あしらいをするホテルは多いが、こちらはその点は町の旅館らしく、接客の言葉づかい等は人によってバラバラだが、総じて誰もが品よく親切で愛想がよい。細かい部分はともかく、一人旅でも迎え入れてくれている心地良さを感じる。

しかも適当に客を放っておいてくれるのが有難い。もっとも、部屋にはお茶セットや湯沸し、バスタオル、洗いタオル、浴衣やブラシ、カミソリ等、一通り揃っているのであまりフロントを呼び出す必要もない。

猫が営業部長をしているだけあり、ペット付きで泊まれるらしく、廊下にゲージ等の設備もあった。

食事処は客室・浴室棟にはなく、敷地内で隣にある飲み屋さんになる。朝食は量・内容ともそこそこ出してくれる。さすがに飲食店で作る食事なので味はそこそこだが、なんとく飲み屋さんのメニューに近い。まあ、湯豆腐が朝に出るのは珍しいが、秋田の冬の朝などには温まって良いのではないだろうか？
食事の評価は人によるところだろうが、周囲に朝食が食べられるような場所がないので、朝食は必ず付けて予約したほうが良い。当日朝にいきなり朝食を頼むことはできないらしい。

備え付けの作務衣を白いガーゼ地で作ったような浴衣が肌に気持ち良く着やすい。ただ、厚い生地ではないので風呂上りなど女性は肌がちょっと透けてしまうかもしれない。風呂に来ていくときは下着になるようなものが一枚必要である。

温泉は設備自体がまだ新しく、きれいで湯量もあり、快適な温泉である。最初に書いたように『町の銭湯』なので、近所の人も普通に入りにくる。

客室については作ったばかりで新しく気持ちが良い。一人では十分広く、布団を引いたままで物が広げられるのが助かる。大きめの洗面台からはお湯も出るし、電気便座トイレもあり、掃除もきれいにされている。ちょっとキャリーが入るクローゼットもあり、追加の布団は押入れに予備が入っている。

まあ、難点といえば、客室内部から客室入口が丸見えなので、中で座っているとやや落ち着かない。少し長めの暖簾か何か、邪魔なときに自分で取り外しできるような目隠しが、客室内の洗面スペースと室内の間に軽くあると尚良いと思う。

木造だからなのだろうか、客室はビルのように空気が籠ったり乾燥したりすることもなく、ちょうど季節が良い頃だったこともあり、夜はエアコンを消して清潔な布団で久しぶりに爆睡できた。

新築の友人宅に泊まったような感じで、何とも言えず過ごしやすかった。

クチコミ投稿日：2014/10/04