不思議な露天風呂

このホテルの売りは、大浴場にあって、そこから放出され、大浴場に広がる天然ラジウムが、あらゆる疾患に効くという特別天然記念物「北投石」のようです。たしかに、そのような石は大浴場にあって、大浴場は放出される天然ラジウムを逃さないよう、扉はあけたらすぐに閉めるようにという張り紙が貼られています。そのおかげで、浴室内は、ものすごい熱気（これが効くのかしらん）。あまりの暑さに、露天のほうに逃れましたが、この露天風呂は、少々、不思議な感じのするお風呂です。見上げると、東屋風という雰囲気を醸し出す張り出しの屋根があるのですが、目の前はすぐに高い塀のようなものが迫っています。この塀のようなもの、実は、ターンパイクの路肩といいますか、そのノリ面といいますか、そのすぐ上を車が通っているのです。もちろん、その姿は見えません（向こうからも見えないのでしょう）、ただ通り過ぎてゆく車の音が聞こえるというばかりですが、前面は、そのターンパークのノリ面、背後にはホテルの建物が迫っていて、それに挟まれるかたちでの露天風呂ということになります。露天なのに、閉じている。なにか、不思議です。圧迫感もありますが、しかし、不思議なことに、なにか居心地のよさは感じました。
　ホテルへの道は、必ずしもわかりやすくはないです。国道一号線で箱根湯本方面に向かって、三枚橋で左折、そして、セブンイレブンの角を曲がるとのことでしたが、そのセブンイレブンの脇の道というのが見えづらく、いったん、ゆきすぎてしまいました。そしてこの道は急な上り坂。駐車場からホテル入口までも上り坂で、荷物が多いと、「えっ!?」と思ってしまいます。
　フロントのある棟と、客室のある棟があって、フロントのある棟は、やや冷房がきつめ。逆にいうと、客室のほうは冷房の効きはあまりよくはありませんでした。また、使用上、なんの問題もありませんが、トイレは便器に補修された跡があるなど、設備の設備の維持管理にはいろいろ苦労をしているようでした。食事はフロントのある棟の上階の食堂で、バイキング形式。いろいろな料理が並んでいますが、基本的に、当たり障りのない料理です。また、時間帯によって、品切れになっていて食べられなかった料理もありました。従業員の方々は親切で、接客態度には好感を持ちました。
　ゆたかに、贅沢に時間を楽しみたい、旅を、宿泊そのものを楽しみたいという人には、やや不満を感じざるを得ないホテルだとは思いますが、たとえば研修といったような目的で利用する、実をとった宿泊を目的とするならじゅうぶんかなとは思いました（ただし、それにしては、少し高いかも）。

クチコミ投稿日：2007/10/14