偽皇帝プガチョフ伝説のコペルニクス的転回の町　ロシア連邦バシコルトスタン共和国ウファ紀行

2007/08/15 - 2007/08/16

　つい数年前は、日本では、北朝鮮の本が、よく本屋さんに並んでいました。その中の１冊に、人民を導く偉大な首領様となる、金日成将軍様の事が書かれていました。
　将軍さまは、戦争中は、抗日パルチザンとして、日本軍と戦ったのではなく、ずっとソ連にいて、第二次世界大戦が終結してから、１ヶ月くらいたって、ソ連船「プガチョフ号」に乗って、祖国の土を踏んだとありました。
　プガチョフといえば、エカテリーナ２世の時代に、偽皇帝を名乗り、虐げられた農民を率いて反乱を起こした人物です。私は、このプガチョフに対して、いいイメージを持っていませんでした。
　しかしスターリン統治下のソ連において、プガチョフが否定されるなら、ソ連船「プガチョフ号」が存在するのは、おかしいのではと思いました。
　プガチョフのことを、調べているうちに、プガチョフとともに、行動を起こしたバシキール人のサラヴァト・ユラーエフという人物の存在を、知りました。サラヴァト・ユラーエフは、現在でもバシキールの英雄とされています。
　それでは、偽皇帝プガチョフも、このウラルのウファという町では、肯定的に評価されているのかどうか、知りたくなりました。それで、このウラルのウファまでやって来ました。

エリア その他の都市(ロシア)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0
• ホテル: 5.0
• 交通: 5.0

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 50万円 - 100万円
• 交通手段: レンタカー
• 航空会社: 大韓航空
• 旅行の手配内容: 個別手配

　インチョンからモスクワに飛びます。このあと、真夜中の飛行機に乗り、再びアジアとヨーロッパの境のウラルに戻ります。
ウファ空港で、私を待っていたのは、バシキール人のガイドのオレックさんです。
　オレックさんによれば、サラヴァト・ユラーエフさんは、英雄です。プガチョフさんについて尋ねると、「ハハハ」と笑いましたが、「勿論彼も英雄だ」と、答えました。
　このホテル・バシコルトスタンは、とてもいいホテルです。ここのフロントの女の子にも、プガチョフさんについて尋ねます。３人とも、「ハハハ」と笑います。この「ハハハ」の意味が、私にはよくわからないのですが。

連邦保安局の建物です。ホテルの真ん前です。

劇場です。

バシコルトスタンの石油会社です。

ロシアとバシキールが、一緒になって４５０年。

ロシアとバシキールの友好の碑

この碑の建っている高台から

産院なのでしょうか？

石油景気に沸いています

古いモスクです

サラヴァト・ユラーエフ像です。
偽皇帝プガチョフに呼応して、モスクワのエカテリーナ２世に、反乱を起こします。
バシコルトスタンの英雄です

偽皇帝プガチョフ　「余に忠誠を誓えば、自由を与える」

プガチョフの反乱に加わるように呼びかける、サラヴァト・ユラーエフ。

バシキールの農民反乱軍です。
旧式のピストルに、弓矢です。

政府軍は、新式の銃を。

エカテリーナ２世です。
老醜漂う風貌ですが。
本当は、男妾をかかえ、もっと美しかったはずですが。

捕らえられたプガチョフです。
人の評価は、時代や場所によって変わります。
太閤秀吉は、戦前は日本では、英雄でした。
文部省唱歌にも、なりました。
韓国では、秀吉は大悪人です。
薩摩が生んだ英雄、西郷隆盛も、征韓論を唱えたので、韓国では悪者です。

プガチョフは、８つ裂きの刑にされます。
サラヴァト・ユラーエフは、笞刑の後、鼻孔を抜かれ、バルト海岸の町の監獄に。

反乱に参加した首謀者たちの処刑です。
当時は、「神は、２種類の人間をおつくりになったと。支配する人間と、支配される人間と。」

新しく出来た、チューリップ・モスクです。