2006/06/01 - 2006/06/01
106位(同エリア156件中)
シベックさん
'06年6月初め抹茶の里・西尾を歩いてきました。
西尾は、名古屋から車で約1時間。名古屋の東南約35km。矢作川の河口近くにあり、三河湾にも程近い平野にひらけた静かな城下町です。
これまでにも何度か訪れてはいましたが、用が済めばすぐ帰るか、吉良方面へ行くために通るだけでした。この日は、西尾で生まれ育ち、今も在住の知人が案内してくれると言うので、数人でお邪魔しました。西尾は、お茶の生産地。抹茶生産量が日本一だそうで、無知で恥をさらすことに・・。
- 同行者
- 友人
- 交通手段
- 自家用車
-
西尾城・鍮石門(ちゅうじゃくもん)
昼前11:00に歴史公園内の旧近衛邸に集合。
梅雨時の晴れ間、蒸し暑い日でした。 -
旧・近衛邸(京都から移築)
この座敷で抹茶を頂き、知人の奥様から建物を案内してもらった。ボランティアで案内をされているらしい。 -
旧・近衛邸の庭
笹や竹が植えられていた。木陰が涼しい。 -
城址の新緑
西尾城は、承久の乱(1221年)の戦功により、三河国の守護に任じられた足利義氏の築城が、始まりと伝えられている。
西尾城の特徴は、「総構え城郭城下町」であることだそうだ。土塁や堀で城下を全て囲み、家臣や町人、農民までもが、共に城内に居住したと言われ、全国的にも珍しい様式だそうである。
現在では、城郭の面影は殆ど見られないが、昔の西尾城下と、今の町と重ね合わせると面白い。市発行の「散策マップ」は新旧が重なって作られていて、地名や通りが以前のままだったり、路地が昔のままだったりしていて、古い時代が偲ばれる。
西尾には、旧城下に由緒ある神社やお寺が多くあり、戦いの時には重要な役割を果たしたそうだ。
◇散策マップWeb
http://ksktsphoto.web.fc2.com/tizu-nishio.html -
茶室
茶室は、6畳で床の間は奥行き4尺(普通は3尺・・91cm)、床框は目測で20cmほどもあり、相当高く畳床で奥も深い。柱は面皮付きが多く使われ、天井は足代天井である。 -
旧・近衛邸 花明窓をもつ床の間
この施設は、京都の公家・近衛家の邸内にあった書院と茶室を平成7年に移築完成したもので、書院は10畳と8畳の一の間、二の間があり、1間幅の広い畳廊下が鍵の字にあり、茶室に続いている。
建物は、京間(関西間)寸法で造られており、全体がゆったりと広い。
当時は公家が、この床の間に座られたそうだ。 -
一の間の床の間
床の間と床脇。ここで抹茶を頂いた。奥様の流暢な説明に聞きほれながら、旧近衛邸を後にした。 -
庭に・・
知人の案内で、城址を見学。
大木の楠の木が目立つ。
平地かと思っていたが、
南側の街はかなり下に見えた。
石垣でもあるような地形。
ガクアジサイが咲いていた。 -
神社と老木
城址には八幡宮が祀られていた。楠木の大木が影を落として、爽やかなそよ風。 -
八幡神社と楠。
大木の楠の木や、
神社の佇まいに当時が偲ばれる。
神社の傍には丑寅櫓(うしとらやぐら)があった。 -
本丸丑寅櫓(うしとらやぐら)
木造漆喰塗りの丑寅櫓に登る。
お城の施設は、
城門の鍮石門(ちゅうじゃくもん)と
本丸丑寅櫓(うしとらやぐら)が復元されている。
今、本丸の復元も検討されているらしい。 -
丑寅櫓(うしとらやぐら)から
西尾の町が360度見渡せる。
遠く吉良(きら)の町もかすかに見える。
写真は、新緑をとったもの・・。
なぜか街の様子は撮りませんでした。 -
西尾市資料館
丑寅櫓から、お堀を隔てた東側に、西尾市資料館がある。館内には、西尾藩時代の資料や古文書、古美術品、武具などが展示されている。昔の人は字が上手かったんだなぁ・・と、みんなでため息!
客はいなく、涼しいので談笑しながら長居をしてしまった。
庭に珍しい、黒檀(こくたん)の白い蕾を発見。間もなく咲きそう・・。 -
踊るクスノキ若葉がみずみずしい
資料館で目に付いたのは、古い時代の西尾の地図と西尾の歴史年表であった。昔も今と変わらず転入、転出が多く、それもかなりの遠方が多い。どんな気持ちで新任地に赴任したことだろうか。そんなことが年表から読み取れる。今のように飛行機や新幹線で簡単に移動できても、一代決心が必要なのに・・と思ってしまう。 -
お城から徒歩で、
尚古荘(しょうこそう)の日本庭園を横切り、地元企業の寄付で建てられた伝想茶屋(でんそうちゃや)で昼食。
尚古荘にあった蹲。 -
きょうがのこ
小さな花が集まって咲く京鹿の子。
日本原産。 -
尚古荘の庭
庭の一角に、
桂垣風の竹垣を背景に、水琴窟と水がめ。 -
つくばい(尚古荘)
錆御影石の丸い蹲。
和風のたたずまい。気分がなごみ落ち着きます。 -
シラン
-
豆腐料理(西尾観光ガイドブックより転載)
尚古荘(しょうこそう)の日本庭園を横切り、地元企業の寄付で建てられた伝想茶屋(でんそうちゃや)で昼食の豆腐料理を食べた。店内は、中年の女性客で賑わっていた。
食後は、炎天下の街中散歩です。建物の蔭を探して蔭から蔭へ移動。 -
ドクダミ
日蔭の隅で・・。
嫌われ者ですが、花は綺麗です。 -
民家
道に面して古い家がありました。
格子やすだれが懐かしい。 -
シャレタ店舗
モダンな構えですが和風のデザイン。 -
康全寺
塩町通りから本町を北へ向かい、
家康ゆかりの康全寺を見たあと、
細い路地を順海町通りへ・・。 -
土蔵
路地を歩いていて見た古い土蔵。 -
傍にもう一棟
近くの民家にもありました。 -
シオン
空き地に咲く白い花。 -
順海町通り1
順海町通りの唯法寺(左)、
崇覚寺(右)を見学した。
昔の面影を残すような、お寺の通り。 -
順海町通り2
通りを進んでいきます。 -
順海町通り3
更に進むと、見通しが効きました。
右手には路地が見えます。そこを曲がって崇覚寺へ。 -
崇覚寺
境内を見学。
西尾はお寺が本当に多いです。
庭には花がたくさん咲いていました。 -
アプチロン
-
聖運寺山門
中央通りに建つ聖運寺の山門。二層で立派です。 -
聖運寺山門
細工が精巧です。木材は硬い欅のようです。 -
聖運寺山門の屋根
-
境内からの聖運寺山門
本堂を見てびっくり!!
地震対策で、耐震補強が太いピアノ線で×型に施されていました。見た目より安全を優先したようです。 -
栗の花
街中にも畑があり、
野菜や果物畑がありました。
人しか歩けない
抜け道を通り次のお寺に・・。 -
縁心寺
珍しい山門の縁心寺に立ち寄り、車の来ない路地をのんびり歩いて歴史公園に戻りました。暑い日の街歩きは修行ですね。今日のお寺周りはここまでです。 -
西尾市岩瀬文庫
レンガ造りの一部を残し、モダンな新館が建てられていた。旧館のレンガ積みの壁に、寄せ棟の瓦屋根の取り合わせがが面白い。 -
街を散歩して
町のほんの一部を歩いただけであったが、路地や昔ながらの鍵曲がりや古い民家、土蔵、重厚な歴史ある神社仏閣などが点在し、趣のある街である。しかしながら、空き家や更地、駐車場が結構目立った。知人の話では、市外に出て行く住民が多く、町の人口は、年々減少傾向にあるらしい。 -
茶畑
西尾で見逃してはいけないものがある。
それは抹茶・・。
ついこないだまで、
抹茶の生産が日本一であることは知らなかった。
機械で茶の木を選定しています。
エンジンの音も軽やか。 -
選定された茶の木
茶畑の上には、黒い日覆いの寒冷紗。
オジサンが黙々と作業中でした。 -
稲荷山周辺
写真は摘み取が終わり、剪定された茶畑。
かなりの強剪定です。 -
西尾の茶畑
稲荷山を中心に広がっている。
一般の茶畑と違って、
黒い遮光ネットで覆われていた。
解放状態の畑は、
枝が剪定された畑のようです。 -
茶畑の風景
右手には矢作川が流れ、霧が絶えず発生するようだ。 -
丸坊主
寒冷紗で覆いをされた茶畑。手摘みの茶のようです。 -
寒冷紗に守られて
少し若葉が伸びだしています。 -
茶畑の風景
-
お茶の若葉と抹茶
抹茶の生産量は、
全国の50%を占めているそうです。
キャッチフレーズ、
「和の心を愉しみ、香りと味に癒される西尾の茶は、
730余年の歴史があります」
実相寺と言うお寺には、
西尾茶の原木が大切に育てられているそうです。
今回は残念ながら見られなかったですが、
是非見てみたいものです。 -
抹茶工場
稲荷山茶公園から細い茶畑の農道を抜け、お茶屋さんの並ぶ通りに出た。一軒のお茶屋さんに寄り、抹茶の工場を見せてもらった。抹茶を頂いて待つこと5分、愛想の良い綺麗な案内嬢に案内されて、工場に入るとお茶のいい香りがする。工場は外観も室内も抹茶色一色に塗装され、清潔感が漂う。 -
臼で挽く
見学者通路と工場内は区画され、大きなガラス窓から工場内を覗けるようになっている。工場内は、当然ながら厳しく管理されたクリーンルームである。蒸す、乾燥、選別などの行程は見られなかったが、石臼で粉にする行程を見せてもらった。茶の軸を除いた葉だけの「てん茶」500gを一日かけて挽くらしい。そんな石臼がズラッと並んで、高速で回っていた。 -
もう一つの名所
町の東のはずれに
源氏ホタルの生息場所があり、
案内してもらった。
そばの梅林には
丸々と育った梅の実が生っていた。
「青梅は絶対食べるな!」・・と、
子供のころ、親から何回も聞いた。 -
源氏ほたるの里
国道23号線を少し南に外れた潅木や孟宗竹の生い茂る沢の湿地に、木道やデッキが設置され、「源氏ほたるの里」があった。
絶えず流れくる山からの水は綺麗だった。地元の小、中学生や保存会が、蛍の餌であるカワニナを養殖し、源氏蛍を育てている。6月中旬には「蛍まつり」で賑わうそうである。 -
桑の実
半日かけて西尾の一部を案内してもらいました。
西尾には、これからもチャンスをつくって訪れ、
じっくりと散策してみたいと思っています。
◇西尾市観光協会
http://www.gld.mmtr.or.jp/~kanko/
◇工場見学した「あいや」
http://www.matcha.co.jp/
最後までご覧いただきありがとうございました。
〜end〜
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この旅行記へのコメント (6)
-
- rokoさん 2007/07/24 23:20:27
- 西尾の抹茶
- ここ西尾が抹茶生産量が日本一なんですか、
全然知らなかったです。
名古屋にこのようなところがあるんですね。
それにしても、どの画像もはっきりしていてとっても美しいですね、
シベックさんにかかれば、野草のドクダミやシオンも立派なお花ですね。
黒檀の白い花、初めて見ました。
アブチロンはオレンジ色が家で咲いてますが、白も可愛いですね。
お抹茶は大好きで、最近山の清水で沸かしていただいたお抹茶は最高でした。
この西尾はいつか訪ねてみたいと思いました。
roko
- シベックさん からの返信 2007/07/25 03:31:57
- RE: 西尾の抹茶
- rokoさん、おはようございます。
抹茶の里、見ていただいたようで・・投票もありがとうございます。
>ここ西尾が抹茶生産量が日本一なんですか、全然知らなかったです。
>名古屋にこのようなところがあるんですね。
地味な愛知県ですが、西尾市の抹茶生産量は一位だそうです。
最近は有名アイスクリームメーカーの抹茶アイスにも使われているとか・・。
>それにしても、どの画像もはっきりしていてとっても美しいですね、
>シベックさんにかかれば、野草のドクダミやシオンも立派なお花ですね。
>黒檀の白い花、初めて見ました。
>アブチロンはオレンジ色が家で咲いてますが、白も可愛いですね。
ありがとうございます。町並み写真は光が強く露出オーバーでした。
花はなんとか写ってくれました。
黒檀は我が家にも鉢植えがありましたので、葉っぱですぐ分かりました。
アブチロンは、今では赤やオレンジなどいろいろな花を見かけますね。
俯き加減で咲き、涼やかな感じがいいですね。
>お抹茶は大好きで、最近山の清水で沸かしていただいたお抹茶は最高でした。
>この西尾はいつか訪ねてみたいと思いました。
抹茶は年数回しか頂けませんが、甘い和菓子にはぴったりですね!
野点もいいですね。作法はさっぱりですが・・。
西尾はお寺の多い町でした。
西尾茶の原木もお寺にあるそうで、私も見たいと思っています。
街中には何箇所か無料で抹茶が頂ける茶所があるそうです。
抹茶を頂きながら街の散策もいいかと思います。
是非、どうぞ・・。
シベック
-
- ユキゴローさん 2007/07/23 16:50:27
- 知りませんでした
- シベックさん こんにちは!
抹茶の西尾…全く知りませんでした。抹茶といえば宇治かと思ってました。
西尾城址の景観もなかなか趣があり、日本の伝統文化ここにありって感じですね!
狭い日本とは言っても、知らない所が一杯ありますよね、というより普通の人なら未知の所のほうが圧倒的に多いわけで、だから人は始めての風景や文化に感動するのかもしれません。
ユキゴロー
- シベックさん からの返信 2007/07/23 19:54:00
- RE: 知りませんでした
- ユキゴローさん、こんばんは。
「抹茶の里」見ていただき書き込み、投票ありがとうございます。
全国に茶所は沢山ありますね。宇治茶は有名ですが、
抹茶は西尾市が全国の出荷量の50%を占めているそうで、灯台元暗しでした。
思い出したように年数回抹茶をたててもらって飲んでいますが、
泡立った緑の抹茶を眺めながら西尾を思い出しています。
確かに狭い日本ですが、知らないことがまだまだ多いですね〜。
シベック
-
- 旅猫さん 2007/07/21 12:07:46
- 抹茶の里
- シベックさん、こんにちは。
抹茶の生産量が日本一という西尾。
地名すら聞いたことがありませんでした。。。
お城の跡もあるのですね。
日本情緒溢れる町並みもあり、とても良いところですね。
まだまだ日本も深い。
旅猫
- シベックさん からの返信 2007/07/21 14:49:26
- RE: 抹茶の里
- 旅猫さん、こんにちは。
抹茶の里見ていただき、書き込み&投票あリがとうございました。
茶畑が目立ち、茶の産地であることは知っていましたが、
抹茶が日本一の産地だったとは、恥ずかしながらこの時知りました。
私たちの食べている名のあるアイスクリームにも、
西尾の抹茶が使われているそうです。
城址も少しですが残っていますし、本丸の復元計画もあるようです。
街には、昔の面影をのこす場所や建物も多く残っています。
市民参加で街の整備計画も、着々進んでいるようです。
シベック
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