夕刻、領事宅によばれる。<br />われわれの訪問を機に、友人たちを集め、日本料理とコントラクトブリッジの会をやるので、是非とのこと。<br />公邸まで車で10分。<br /><br />市の北郊、都心とホテルの中間にある高級住宅街。<br />住宅街の入口には、検問所があり、知っている車ならば黙ってバリアーを開ける。<br />公邸にも門番がいて、重い扉を開いてくれる。<br /><br />さらに庭に入ると、警備兵が自動小銃を構えている。<br />この警備兵は、フィリピン政府から派遣。<br />四六時中、交替で務めているようだ。<br /><br />太郎と次郎。<br />二匹の犬に迎えられ、玄関に入ると、すぐに広いリビングルーム。<br />マンゴやパパイヤが繁る庭に向かってテラスが広がり、ガーデンパーティにもってこいのゆとり。<br />敷地の広さは1000?とか。<br /><br />客の総勢10人。<br />エンジニア、経営者、弁護士、医師など、いろいろな職業が入り混じり、夫人同伴。<br />皆この地での滞在が長いらしく、お互いに打ち解けていて、よほど親密な交わりのよう。<br /><br />食後、コントラクトブリッジ。<br />「ビッドシステムはイタリアンだから、合いにくい」<br />と伺っていたが、始めてみるとそうでもなかった。<br /><br />パートナーは、６０歳がらみの、元気の良い好熟年。<br />滑り出しは絶好調。<br />ディフェンスも決まれば、難しいゲームもメークして、一方的にリード。<br /><br />が、ラバーは手が悪くなると救いようがない。<br />最後に４スペードのゲームビッドに失敗して、逆転された。<br /><br />ゲームの途中、真昼のような稲妻と「ドーン」と大砲に似た雷鳴。<br />猛然たるスコール。停電３回。<br />

心の疼きを求めて　フィリピン行【10】領事宅でのブリッジ

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1987/12 - 1978/12

211位(同エリア246件中)

#ボランティア

ソフィさん

夕刻、領事宅によばれる。
われわれの訪問を機に、友人たちを集め、日本料理とコントラクトブリッジの会をやるので、是非とのこと。
公邸まで車で10分。

市の北郊、都心とホテルの中間にある高級住宅街。
住宅街の入口には、検問所があり、知っている車ならば黙ってバリアーを開ける。
公邸にも門番がいて、重い扉を開いてくれる。

さらに庭に入ると、警備兵が自動小銃を構えている。
この警備兵は、フィリピン政府から派遣。
四六時中、交替で務めているようだ。

太郎と次郎。
二匹の犬に迎えられ、玄関に入ると、すぐに広いリビングルーム。
マンゴやパパイヤが繁る庭に向かってテラスが広がり、ガーデンパーティにもってこいのゆとり。
敷地の広さは1000?とか。

客の総勢10人。
エンジニア、経営者、弁護士、医師など、いろいろな職業が入り混じり、夫人同伴。
皆この地での滞在が長いらしく、お互いに打ち解けていて、よほど親密な交わりのよう。

食後、コントラクトブリッジ。
「ビッドシステムはイタリアンだから、合いにくい」
と伺っていたが、始めてみるとそうでもなかった。

パートナーは、６０歳がらみの、元気の良い好熟年。
滑り出しは絶好調。
ディフェンスも決まれば、難しいゲームもメークして、一方的にリード。

が、ラバーは手が悪くなると救いようがない。
最後に４スペードのゲームビッドに失敗して、逆転された。

ゲームの途中、真昼のような稲妻と「ドーン」と大砲に似た雷鳴。
猛然たるスコール。停電３回。