2011/07/17 - 2011/07/19
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yukibxさん
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数年前にバスク地方のガイドブックを読んでいた時、一枚の写真に惹きつけられた。バスク地方でもっとも高い山、オリ山 (標高2017米)の麓にある小さな村、ラローの写真だった。山の奥の峡谷にかかっている吊り橋が見えた。バスクにもこんなところがあるのか、と驚いた。
今年の7月になって、友人と3日間でもいいから、どこかに行こうよということになった時、ラローのことを思い出した。夏のバカンスのまっただ中であるにもかかわらず、料理の美味しそうな、料金もリーズナブルなペンションの部屋もとれたのは幸運だった。
そして7月18日、ついに吊り橋を渡ることができた!
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 5.0
- グルメ
- 5.0
- 交通
- 5.0
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まず、フレンチ・バスク地方のラローがどこにあるのか、略図をアップ。バスク地方は、スペインとフランスにまたがっているが、スペイン・バスクはフランス・バスクに比べずっと広い。ラローはスペインとフランスとの国境にあるフランス領の小さな村。標高630米。すぐ裏のオリ山(ORHY)は2017米。(スペインの標識を見ると、2019米になっている!)
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住んでいるボルドーからバスク山岳地方のラローまでは、約270キロ。GPSで最もはやい道程を選ぶ。ボルドーから大西洋沿いに南下し、バイヨンヌに着く前に、ダックス(DAX)方面に左に曲がる。ゆるやかな起伏のバスク独特の風景がつづく。ラローまで40キロという地点に着いても、ゆるやかな丘が続く。山、という雰囲気ではない。
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だが、気がつくと山々の重なりが多くなり、道路がくねくねとしてきた。そして岩山が多くなる。
それにしても、夕立が多い。バスクは雨が多いので有名だ。だから、木々や畑が青々としている。
バスクの風景は日本の田舎の風景にとても似ている。私がバスクに惹かれるわけはそれだ。 -
ラローだ!ラローの村を県道(D26)から見下ろす。
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やっとラローに着く。高い山々が迫った谷間にある小さな村、ラロー。中央に見えるのが一番大きいペンション、エチェマイテ(Etchemaité)。ここに2泊する予定だ。
ボルドーからほぼ4時間かかった。 -
岩山が家々にせまっている。(住んでいて、威圧感を感じないのかなあと思った。)
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岩の山々。
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何もない岩山のようだが、白い点々が見える。放牧の牛だ。急傾斜の岩山でひたすらに草を食べている。
よく落ちないものだ、とびっくりする。4本脚だからそれが可能なんだ。
バスクは雨が多いから草が青々としているから、毎年夏になると様々な場所から、牛、羊の群が連れてこられ、山をおりることなく一夏すごす。移動牧畜だ。なんでも30万頭にものぼるそうだ。 -
中途半端な生き方では、ここでは生活できないと思う。だからこそ、短い夏の日々を快適にしあわせに暮らそうという思いがあるのだろう、ラローの家々には花々がきれいに植えられていた。
遅ればせの紫陽花の花でどこもかしこもいっぱい。 -
高い所に飾られている花々を、この家の主らしき老人が、丁寧に水をやっていた。
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12世紀と17世紀に建てられた村の教会。ここで休み、夜を過ごしたサンジャック・コンポステル巡礼者も数多い。
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エチェマイテのペンション・ホテル。ハイシーズンだが、朝食・夕食付き(ワインは別)で一晩130ユーロだった。ここの料理はフレンチで、かなり本格的。
レストランは、宿泊客、食事に来る人達でフル回転だった。 -
村にはいくつかペンションがある。この次は、この可愛いペンションにも泊まってみたい。
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ラロー村は、オリ(ORHY)山の麓の山だ。あの山の向こうはスペインだ。
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翌日は快晴であるという。
それで吊り橋(正式にはホルザルトの吊り橋)に行くのは、翌日の18日にする。 -
翌日、朝から青空が見えた。ラローから県道26号 (D26)をタルデ(Tardets)方向に7〜8キロいったところに、ロジバー(LOGIBAR)というお茶屋さんがある。そのパーキングに車を止め、お茶屋の裏の山道に入る。
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5分も歩かない内に、左側に黄色い標識が見える。その矢印に沿った道を登る。
右側にゆく小道もあるので、気をつけたほうがいい。 -
最初はこんな山道だから、こんなもんか、と私は安心した。
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渓流に沿って山道をのぼる。かなりの勢いの流れ。
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十和田湖の奥入瀬を思い出してしまう。せせらぎ。
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素朴で可憐な百合が咲いていた。
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そして滝!日本の山歩きをしている感じだ。
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踏みつぶしそうになる可憐な野の花。
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桔梗とりんどうのあいの子のような花。
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そして素朴な野の百合。
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岩に白と赤の2本のラインがある。GR (GRANDES RANDONEES)だ。この印に沿ってゆけば、危険もなく道を間違えることもない。
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夏休みだから、家族連れも多い。登りもきつくはないけれど、前日は雨と曇りの1日だったから、道が濡れていてすべりやすいのが問題だった。友人も2度も尻餅をついた。
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そして、突然、目に飛び込んできたホルザルテの吊り橋!(Le pont suspendu d'HOLZARTE)
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早く近づいて見たくて、ほとんど駆け足になった。
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角度によっては、一本のケーブルのように見える。
こんな深い峡谷にどうやって吊り橋をつくったのだろう。
パンフレットによれば、まず、ひもにピストルの弾をつけて、向こう岸に投げかけた、そうだ。しかし、ひもが切れてしまって失敗。つぎに鶏の足にひもをつけて、向こう岸におくろうとしたが、ニワトリは向こう岸に行く代わりに出発点に戻ってしまう。 -
凧を使う手も考えた。そして、最終的には、両側から綱を投げる。一方、ロジバーから歩いて渓谷の下までなんとか辿り着き、2本の綱を結ぶという方法で成功した。
出発点のロジバーから渓流をのぼるときに滝があったりで、極めて難しい作業だった、という。1884年のことだ。1920年にイタリア人のきこり達によって、修復された。
(橋の上から下を眺めた写真) -
渓谷の深さは橋から150メートル。
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吊り橋の長さは67メートル。橋は最近再び修復されたのか、新しい感じで、怖さは全くない。
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橋を渡りきったところから、振り返ると、巨大な岩山の下の道を歩いてきたことに気がつく。
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最高の景観に満足して、私たちは山を下りる。往復で1時間半位。滑らない靴さえ履いていれば、誰でも行ける。
この吊り橋からさらに2つのハイキング・コースがある。青と紫のラインがそれで、それぞれ5〜6時間コース。
吊り橋だけでのコースは赤のライン。
午前中に登ってから、私たちは、午後はオーリ山を越えて、スペイン国境の村にも行くことにする。というのも翌日は雨天が予測されていたからだ。 -
ラロー村からの登り道は一台の車が通れる位の幅で、急坂だ。すぐにこんな風景になる。
天候の変わりやすいバスク地方だが、今日はすばらしい天気。 -
放牧の牛たちも、新鮮な草をおいしそうに食べていた。この辺の牛や羊は毛並みがつやつやしている。栄養がいいんだ。
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ああ、夏はやっぱりいいなあ。きれいに描かれたような雲ものどか。
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そして木々が少なくなってくる。遠くにみえるのがオリ山。
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なんだか知らないけれど、ちょっと恐くなった。非日常的な風景ゆえなのか。おおげさに言えば、地球が本当の顔をチラッとみせたかのような。
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ここにも放牧の牛や羊がいる。車が停まっていて、そこから牛たちを監視している人がいる。現代版、羊飼いか?そういえば、女性もいた。
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落石注意の看板があったので、車をゆっくりと走らせる。しかし、そういったって、どうやって注意するんだろう。
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そして国境に着く。中央のオリ山に向かって右がフランス、左がスペイン。
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スペインに向かう道路にも国境であることがわかる。
この辺はバスクでもナバール地方。
注;ウイキペデイアによれば、「スペイン側にバスク自治州があるが、歴史的な「バスク国」(広義の「バスク地方」)には、スペインのナバーラ州およびフランスのピレネー=アトランティック県の各一部が含まれる」 -
スペインに向かって、左側には、こんな美しい景色がみられる。スペイン側のピレネーの連峰。
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スペイン側のピレネー連峰。
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国境地点は絶景地点でもあり、スペイン側のピレネー山脈イラスト地図が建てられていた。
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そして私たちが来たフランス側ピレネーを振り返ると。。
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オリ山に登ろうっていうのだろうか、スペイン人の一家が急な斜面を登ってゆく。
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フランスとスペインをまたがっているような、醍醐味があった。
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この斜面を転がり落ちることもなく(!)、放牧の羊の群が見えた。
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地図で見ると、15キロ位走れば、イサルツ(IZALZU)という小さな村があるので行ってみることにする。
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スペイン側に下山するまえに、オリ山の顔をしっかり見ることができた。
この周辺の村々の人達は、オリ山にとても愛着していて、「オリ山から離れても、きっとオリ山に戻ってくる。」という表現があるそうだ。 -
イサルス村への下山の途中、こんな風景が見られた。
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15キロの道程は大したことはないが、曲折した道で、時間がかかった。森に囲まれた道路だった。
そして地図通り、イサルス村に着く。きれいなちいさな山村。 -
どの家も思いっきり花で飾られている。
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通りのプレートも飾られていた。
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HOTEL RURALという小さなホテルがあった。中をチラッとのぞくと、洗練されたインテリア。主か家族とすれちがうと、彼はフランス語は全くわからなかった。ひとつの山を越えたらフランスなのに。ラロー村のフランス人だって同じだろう、多分。
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この辺は冬になるとカントリースキーをする人達がくるのだろうか。
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こうして、もと来た道をラロー村にむかって上る。途中、道路をゆっくりとわたったり、道端で横になっている羊やら牛に邪魔されながら!
いずれにしても、最高の1日でした。
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この旅行記へのコメント (7)
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- フルリーナさん 2011/10/23 17:04:46
- すごいつり橋!!
- ラロー、全く初めて聞く地名ですが、すごいつり橋ですね!
最近オロロンの近くのバスクで修業をした若いご夫婦がなさってる、すごくおいしいバスク料理のお店が東京からシェフの故郷・・・我が家の近く♪へ移転してきました。
バスクがますます、身近に感じてます。
ラロー行ってみたいです♪
- yukibxさん からの返信 2011/10/28 04:05:05
- RE: すごいつり橋!!
- フルリーナさん、
御返事が遅くなってしまって、ごめんなさい。
日本から帰ってからかなりボオーっとしていたので4travel も
見ていませんでした。
ラローの旅行記に一票いただいて、ありがとうございます。
バスク地方の山岳地方というのは、私もはじめてでした。
オロロンで、料理を修業なさったご夫妻のバスク料理って
どんなお料理なのでしょう?バスクはやっぱり家庭料理中心なので
敷居がたかくない気軽にいけるおいしいレストランなんでしょうね。
フルリーナさんは、再びピレネー地方にいらっしゃる予定がおあり
ですか?まだガヴァルニーもイタリアのチンクエテッラにも行っていませんが、いづれもフルリーナさんの旅行記に魅せられたからでした、まだ
決して、あきらめてはいません!もしかしたら、来年行けるかも。。
では、よい旅を!
yukibx
- フルリーナさん からの返信 2011/10/29 00:21:05
- RE: すごいつり橋!!
- yukibixさん
ピレネーはしばらく予定がないのですよ。
来年は母が80になる年なので、もう一度ソーリオと、スイスとイタリアの国境に行きたいというリクエストにこたえて、ルガノ湖のMorcoteあたりかその近辺とマジョーレ湖のcannnobio、ソーリオとエンガディン、アッペンツェルあたりを考えてます。
cannnobioは町もさることながら、泊まりたい素敵なホテルがあって♪
バスク料理のお店は、いままで西荻窪でレストランをしていたシェフが故郷に帰ってきてお店を移転したそうです。
写真はないけど
メニューが見れます。おいしいんですよ♪
http://coulis-rouge.com/
寒くなってきましたのでyukibixさんもお体大切になさってくださいね〜♪
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- カヌ太郎さん 2011/08/28 08:00:58
- yukiさん
- こんにちは。
100回目の記念すべきご訪問
ありがとうございます。
これからもよろしく
お願いします。
ラローの吊り橋、すごいですねぇ
今度ピレネーに行く友人のところに
地図を渡したので
場所を確認できませんが
ぜひ行きたいところの一つになりました。
バスク、実に魅力的です。
かぬ
- yukibxさん からの返信 2011/08/29 06:45:19
- わざわざありがとうございます。
カヌ太郎さん、
あっもう100回も見せていただいているのですか。
ご親切に掲示板へのメッセージをありがとうございます。
写真のきれいさは勿論、コメントがのほほんとしているようで、
ちゃんとポイントをつかれているので、読むのが実に楽しいです。
これからもよろしくお願いします。
よき旅を!
yukibx
-
- badia35さん 2011/07/20 14:47:07
- すごい!
- yukibxさん、こんにちは。
こんなところがあるんですね。
この後の旅行記、楽しみにしています。
すみません、すごい渓谷のお写真だったので、先走ってしまいました。
badia35
- yukibxさん からの返信 2011/07/23 00:55:40
- RE: すごい!
- badia35さん、早速メッセージをありがとうございます。
山岳地方なので、交通手段もなく、レンタカーでの旅になってしまうためか、
あんまり日本人には知られていないとおもいます。
しかも健脚でなくても、歩けるので私みたいな人間も充分たのしめます。
ちょっと時間をいただいて、ラロー、およびその周辺の迫力ある雰囲気が
伝えられればいいのですが。
badia35さん、いい夏をお送り下さい。
yukibx
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