2000/05/08 - 2000/05/15
139位(同エリア154件中)
早島 潮さん
http://sankei.jp.msn.com/world/asia/100812/asi1008121014002-n1.htm
パキスタンで洪水の被害が伝えられている。筆者は2000年05月08日〜05月15日にカラコルムハイウェイをドライブしている。そのとき目撃したインダス川流域の荒涼とした光景を思い出す。
http://4travel.jp/traveler/u-hayashima/album/10057775/
以下は上記旅日記よりの抜粋である。
パターンの集落を過ぎると次第に周囲の様相が厳しいものに変わってくる。インダス河は断崖の遙か下を激しい勢いで流れており、周囲の切り立った山々には草木一本生えていない荒涼たる光景に変わる。しかも水の色は丁度セメントを水に溶かしたような灰色をしており、岩石に激突して泡立つ波の色さえ灰色である。更に通っている道路は岩盤を爆破して切り開いたもので、頭上の岩盤にはひび割れが生じていて、今にも巨石が落下してくるのではないかという恐怖にかられる。その上、道幅は狭く路肩が崩れている箇所さえあるので、対向車と行き違うときには思わず手足に力が入り、冷や汗が背筋をしたたり落ちる。
インダス河とは当地で使われているウルドウ語で「危険な河」という意味の通り、河の流れはとても速い。不思議なことに河が流れているにもかかわらず、河岸には緑が見当たらない。インダス河には魚さえも住んでいないというから不可解である。何故かと同行の人達と議論になったが、微粒子を含んだ水では魚も鰓に砂が溜まり呼吸ができなくなるからではないかという結論に達した。またこの河には危険で渡し舟も使えない。
このカラコルムハイウエイでは軍隊から派遣された兵隊が二人一組でブルトーザー1台を守って野営しているのを目撃した。崖崩れが生じたときには直ちに駆けつけて応急措置をとるためだという。ことほど左様に崖崩れの多い道路なのである。
たまに道路沿いに生えている街路樹は植樹されたもので、水の少ない場所に強いディヤァールという木である。
草木の全然生えていない荒涼とした山岳と遙か断崖の下を激しく流れるインダス河を窓外にみながら進んで行くと突如として、緑の段々畑が現れ立木も何本が立っていて、石組みと土で作った民家が畑を見守るロケーションでうずくまっている場所が現れる。砂漠でいうオアシスである。
緑地と荒蕪地を交互に眺めながら高度は次第に上がって行く。
やがてパキスタンでは第二に高い山ナンガーバルパット8125mが見えてきだした。
- 同行者
- その他
- 交通手段
- 観光バス
- 旅行の手配内容
- ツアー(添乗員同行あり)
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