2003/08/17 - 2003/08/19
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旅〜kimamaさん
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シーギリヤでの余韻に浸りつつ、一路東へと進んだ。
きれいな湖や緑多き林、野生の象が見られるなどトリンコマリーへの道すがらスリランカの大自然を満喫でき、のどかな雰囲気が流れる村々を通り過ぎるのであるが、そんなゆったり気分を中断せざるを得ないのが、度々にわたって行われる検問である。
キャンディでチャーターしたドライバー曰く、「今はテロの危険性は低く、トリンコマリーまでは問題なく行ける」ということであったが、チェックポイントが随所に設けられており軍が睨みをきかせていた。
やはり物騒だなぁと思いながらも、本当に危険度が低いのか、それとも日本人であると判断できるからなのだろうか、執拗なチェックや尋問を全く受けることなく、ジロッと顔をのぞかれ日本人だと見るや否や、「よし、行ってよい」みたいな感じで、ドライバーの宣告どおり問題なくトリンコマリーに到着できた。
このテロの根源は、周知の通りスリランカの抱える民族問題シンハラ人とタミル人の間に確然と存在する確執である。
ジャフナを中心とする北部やトリンコマリーを中心とする東北部はタミル人の多く住む地域であり、反シンハラ族の風潮が強いと思われ、テロの危険性も高いのだろう。
しかし、すべてのタミル人が過激な行動をとっているかと言うとそうではなく、タミル人テロ組織LTTE(Liberation Tiger of Tamil Eelam:「タミル・イーラム解放のトラ)がまさしくテロの根源となっている。
植民地時代イギリスに重用されていたタミル人も第2次世界大戦後はスリランカの多数派であるシンハラ人中心の政府となってからは劣勢に追いやられた。
シンハラ人はこれまでの待遇に対する不満の反動から、反タミル人運動、タミル人への差別行為、民族浄化の動きへとエスカレートしていった。
もちろん、タミル人も黙ってはおらず武装闘争やゲリラで応酬し、ついには過激化テロ組織LTTEが組織されるに至った。
政府とLTTEとの争いにより多くの血が流され続けた。
2000年にノルウェーの調停で停戦合意がなされ、その後和平交渉も開始され、今回のスリランカ訪問直前(2003年6月)には、東京にて世界70カ国から代表者が集まりスリランカ復興支援に向けた国際会議が開催された(ただしLTTEは欠席を表明)。
しかしながら、このような努力のかいなく、依然としてテロは続いた。
(2009年5月に大統領により内戦終結宣言がなされた。)
LTTEの記載が長くなってしまったが、ここトリンコマリーの街中は実に穏やかな空気が流れており、人々の顔にも笑顔が溢れていた。
民族闘争やテロといった負のイメージをほとんど感じることはなかったが、やはり民族の話題などを持ち出すことは憚られた。
トリンコマリー滞在中宿泊先は郊外にあるニラウェリ・ビーチのそばにした。
あいにく滞在期間中一度も太陽の姿を見ることはなかったが、地元の人たちがビーチで海水浴を楽しんでいた。
ビーチにはホテルやスキューバの施設などもあったが、不安定な状況の中、まだまだリゾートと呼ぶには程遠いように感じた。
このビーチに多くの観光客が押し寄せ、リゾート地として名をは馳せるようになった時が、スリランカの平和の訪れを意味することなのかもしれない。
ちなみに、トリンコマリーは自然の良港を有していることからも、ポルトガルやオランダ、イギリスなどの支配を受けてきたが、第2次世界大戦中(1942年4月)日本軍の補給船により海軍・空軍施設が攻撃を受けた歴史も有する。
自分はここに来るまでその事実について全く無知であった。END
- 旅行の満足度
- 4.0
- 観光
- 4.0
- 同行者
- 一人旅
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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-
ニラウェリ・ビーチ(Nilaveli Beach)
地元の人たちがビーチの散歩や海水浴を楽しんでいた。
緊張感といった雰囲気とは程遠いものである。
自分が滞在している間は雨季の始まりだったようで、太陽の姿を見ることはできなかったが、地元の人たちが和気あいあいと楽しいひと時を過ごしている姿を見ることができたのは心が和むものであった。 -
ニラウェリ・ビーチ付近の街角。
リゾートの雰囲気は全くなく、小さな食堂や雑貨屋などが立ち並んでいるだけだった。
ただ、ここで飲んだオレンジ色のヤシの実ジュースはとても甘くて美味だった! -
コネスワラム寺院(Koneswaram temple)
スリランカを代表するヒンドゥ寺院の一つであり、タミル人の心の拠り所でもある。 -
かつてはアジアで最も豊かで数多くの参拝者を受け入れていた有名な寺院であったようだ。
自分が訪れた時は、人もまばらで閑散としていた。 -
のんびりと寺院内を散策。
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牛と言えばヒンドゥ教では神聖な動物。
ここトリンコマリーにもちゃんといました。 -
コネスワラム寺院はシバ神を祀る寺院であるそうだ。
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ヒンドゥ教の神話上の王であるラヴァナ王をモチーフとした像。
顔の数といい、手の数といい、顔と腕からなるギターのようなわけのわからないものといい、ヒンドゥの世界は全く持って謎である。 -
コネスワラム寺院の一角にこのようなレトロな車が止められてあった。
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トリンコマリー市内の一角。
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港町と言うだけあって魚の干物も売られていた。
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インドには一度も行ったことはないが、タミル人が多く住むトリンコマリーの街中にも牛は普通に歩いていた。
街中の雰囲気もいたってのどかなものである。 -
トリンコマリーのバスターミナルにあった商店の一つ。
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これもバスターミナルの店。
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緑・赤・オレンジと毒々しい色をした飲料が瓶詰にされていたが、一体何なのだろう?
結局聞かずじまい、味見せずじまい。
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この旅行記へのコメント (2)
-
- ドク金魚さん 2011/01/28 09:29:16
- 貴重な体験
- はじめまして 旅〜kimamaさん
2003年にトリンコマリーとは、凄いですね。
最近はじょじょに観光地化してるそうで、いつかは家族旅行
したい地域です。
ただヒッカドゥワやゴールの様な気の利いたサービスや
モルディブ的な美しさは期待しないほうがいいでしようね。
でもヒンドゥウ寺院の牛のお写真はまるでインド!
懐かしくもワクワクしました。
今でも移動は車なのでしょうか〜
気軽に飛行機を利用できたら短い滞在でも
楽しめそうですが。
過去の歴史も教科書に載っているのは一部なんですね。
英語が苦手なので、ガイド付きでその辺のお話も
現地にて聴きたいなと思いました。
お邪魔しました ドク金魚
- 旅〜kimamaさん からの返信 2011/02/06 17:46:50
- RE: 貴重な体験
- ドク金魚 さん
書き込みありがとうございます。
返信メッセージが遅くなり申しわけありません。
2003年当時は結構ドキドキしながらトリンコマリー方面へ旅したものです。
でも、タミル人はとてもフレンドリーで気さくに話しかけてくれたおかげで、移動時のチェックポイントを除き、トリンコマリー滞在時緊張感はそれほど感じることはありませんでした。
LTTE(タミル・イーラムのトラ)のような一部の過激派ゲリラ組織の影響が強く、2003年当時もテロ行為を続けていたわけですが、一般のタミル人はシンハラ人に対する印象はどうであれ、日本人にはいたって親切でした。
2009年5月の内戦終結宣言以降、北部・東部も安心して旅ができるようになったのではないかと思います。
コロンボ〜トリンコマリー間の国内線フライトがあるのかどうか分かりませんが、シーギリヤロックから緑豊かな大地を車で横断するのも悪くないかと。
ただ、自分が訪問した当時はまだほとんどビーチ開発されておらず、地元民専用のローカルビーチといった印象でしたが、ここ数年で新たな開発が進んでいるのかもしれません。
もしドク金魚さんがスリランカでタミル人地域を訪問される機会がありましたら、その旅行記を楽しみにいたしております。
旅〜kimama
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