日本の古代、今の岡山にも吉備という大きな勢力があったそうです。やがて近畿の大和朝廷に吸収され、日本の中央集権化が進むこととなりました。岡山ではその過程を桃太郎の昔話になぞらえて町おこしをしています。<br />古代に思いを馳せながら吉備路古墳巡りをしました

吉備路巡り

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2023/06/10 - 2023/06/10

113位(同エリア270件中)

エリア

総社・吉備路(岡山)

旅行の満足度: 4.0

観光: 4.0

交通: 1.0

まずは造山古墳周辺の古墳を廻ることにしました。車を停めてビジターセンターで情報収集してから出発です。
古墳周辺のトイレはここしか無さそうです。
中では古墳のことが詳しく説明されています。
吉備の大王(おおきみ)の像
なぜか昔のロボットアニメを思い出す。
超合金…
巨大な造山古墳の周りに、いくつもの陪塚が点在しています。
口コミには近くにある作山古墳(こちらも「つくりやまこふん」と、同じ読み方なので紛らわしい)と混同しているものがありますが、大きいのはこちらの造山古墳の方です。
長閑な町並みの中を歩くのも楽しいてす。
静かな路地を抜けると…
綺麗に整備された丘が見えてきました。
こじんまり、すっきりしたかわいい丘です。

千足装飾古墳です。
造山古墳の陪塚のひとつです。
埴輪が並べられています。
階段もつけてあり、登りやすくなっています。
変わった形の埴輪が復元されています。
コンパクトな古墳ですが、一番綺麗に整えられています。
石室が覗けるようになっています。
この古墳は石室が２つあり、とても珍しいそうです。

周りの陪塚も一望にできます
このような小さな陪塚が、徒歩数分の場所に点在しています。
古墳を見ながら田園の中を散策。
馬もいます。
こちらは引退した競走馬が過ごす施設だそうです。
いよいよ造山古墳にのぼります。
かなり急です。もう山のようです…
造山古墳は全国でも有数の大きさの古墳で、登れるものでは最大だそうです。
頂上には小さなほこらがあります。
少し寂れています。
石棺の蓋が放置され、風化されるがままになっているのが勿体ないです。

桜の木がたくさんあります。春には古墳の上で花見ができるって、なかなか凄いですよね。今は結構草が繁っています。
豊臣秀吉の高松城水攻めの際にはこの古墳も砦として利用されたそうです。
先程の千足古墳とは高さが全然違います。下界を一望できます。
古代の大王の気持ちになってみたり…

遠くに高松城跡が見えます。水田に水が張ってあるので、水攻めの際にはこんな景色だったのかなと思ったり…
古墳を降りたら、近くの備中国分寺に行ってみます。
この風景、大好きです。
五重の塔が美しいです。
ここから徒歩数分のところにも古墳があり、
石室に歩いて入ることができます。
そして石室の中にはなんと石棺がそのまま置いてあります。
石棺の前には柵がありますが、在りし日の姿のままを見られるのは貴重ではないでしょうか。
次は岡山市に戻り、吉備津神社にやってきました。
国宝の比翼造りの屋根。

回廊。
吉備津神社は温羅（ウラ）の首がまつられています。
ウラは地元勢力の首長の名前で、大和から来た吉備津彦命(きびつひこのみこと)に制圧されてしまいます。
この歴史から、ウラを鬼、吉備津彦命を桃太郎になぞらえているのです。
地元からしたら負けて制圧されているのに、敵である桃太郎？？(どっちの立場？？)と不思議に思います。
しかも、伝説によると、ウラの祟りで首が夜な夜な大声でわめくので、弱りはてていると、吉備津彦命の夢にウラか出てきて、首の上に釜を据付け、妻に手入れをさせれば、鳴り具合で吉凶を占ってやる、と言ったということから鳴釜の神事が始まったとのことです。
鳴釜の神事は今でも随時おこなわれています。
桃太郎より、鬼の存在感！！
紫陽花が咲き始めています。
もうすぐ満開かな。
神社の裏手は山でジャングルのような遊歩道があります。
バナナ(芭蕉)も生えています。
ジャングルを抜けて登りきると、山の上にさらに古墳があります。
これは桃太郎のモデルとなった吉備津彦命がまつられています。
朝廷側の人物の墓なので、宮内庁管理で立ち入ることはできません。
その山を反対側に降りると、小さな石室などがあり
吉備津彦神社に出られます。
吉備津神社と名前がそっくりで紛らわしいのですが、こちらは吉備津彦命（桃太郎の方）がまつられている神社です。
桃太郎の墓がある山を挟んで、鬼の神社と桃太郎の神社があるのは何か象徴的だなぁと思います。
大自然の中にある古代の遺物を訪ね歩いていると心洗われる気分になれます。
岡山には温羅(ウラ)VS吉備津彦命(きびつひこのみこと)の戦いに由来する遺跡が他にも多数あり、そちらもまた巡ってみたいと思います。