2022/10/21 - 2022/10/21
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montarouさん
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2022年の10月3日から31日にかけて、カラコルム山脈のスカルドゥ、マチュルー、カプル―、ギルギット、フンザ、パスー、タリシングなどを訪れ、またラホールやイスラマバード辺りを歩いた記録を記す。
ここでは、21日にタリシングから歩いてナンガパルバットのルパール壁を見に行った経緯を書く。
- 交通手段
- 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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翌10月21日は天気がほぼ回復、少し雲が残っているが、まずまずの天気、ナンガパルバット北壁である、ルパール壁を見に行く。ルパール壁の高度差は4千m余りで、世界最大の北壁である。アルプスの三大北壁など、比べるに値しない。朝5時に起き、乾物とマンゴージュースで朝食、5時半に出発。6時前に出発し、チャングファー氷河(Chhungphar)のモレーンの上で、ナンガパルバットに日が当たるのを待った。写真は北方向のナンガパルバット北東尾根からのチャングファー氷河上流と、その北東尾根の末端のチョンラピーク6830mからのチョングラ氷河。
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ナンガパルバットのピークは寒そうだが、雲はなかった。
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南西方向はルパール(Rupal)村で、その奥にある6千m峰
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ナンガパルバットのピークに朝日が当たってきたが、光ってきたが,雲も増えた。
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風は弱いようだが、かなり雪が積もったようだ。
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日が昇ってきたので、氷河を渡り始め、その真ん中からのチョンラピーク方向、クレパスの上に、かなり雪が積もったように見える。
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ルパール村に入ると、方々に氷が張って、光っていた。
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小学校を越えた時、マチュルーで会ったスペイン人が追いついて来た。彼は、“俺はゲストハウスに泊まっている。お前をフンザでも見たよ。俺は今日ベースキャンプの上のキャンプまで行く”と言って飛んでいった。若さは良いね!
民家の集まっている所からナンガパルバットは見えないが、民家が少ないところまで登ると、また見えてくる。 -
少し進むと、小さな谷があり、そこに綺麗な霜?氷?が張っていた。
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ここを越えると、耕した畑のデコボコに雪が乗って、綺麗な模様を作っていた。
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この辺りの建屋は積み石造りで、大半が平屋根で、煙も立たず、建屋から出入りした雪上に足跡がないため、主に夏期に使う小屋のようだ。
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さらに登って行くと、下からバイクの音がして、警察官が後ろに老人を乗せて上がってきたて、小屋で老人を降ろして戻って来て、“誰か先に登っていったか?”と聞き、“スペイン人が一人”と答えておいた。ベースキャンプまで何時間かかるかと聞くと“俺は50分”と言い(これは大嘘か)、そして“去年アメリカ人の年よりがふらふらになって途中まで戻ってきたので、バイクで村まで運んで介抱してやった。無理するな!”と脅し、乱暴な言い草で帰っていった。
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この時、9時半で、例え2時間かかっても、十分に往復できると思ったが、大間違いだった。
ここの標高は3200mで、アストアーの対岸にある標高5500m前後の山々が見えてきた。カラコルムで一般に稜線が標高5千m以上なら氷河があるようだ。 -
標高3400m近くか ら、山のすそ野の登りになる。後ろからロバに荷物を載せた若者二人が登ってきた。
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この斜面を登りきると、標高約3500mで山の斜面と氷河のモレーンで挟まれた平地で、入り口に小さな池があった。綺麗だよ!
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それを過ぎると大岩、馬鹿が登っている。後ろがルパール壁とナンガパルバット、ピークはガスの中。
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初夏のこの辺りは高山植物がきれいかな? 少し先に行くと、バズヒン氷河(Bazhin)のモレーンの斜面で、それを登る。登りきると、ナンガパルバットの南西尾根の末端にあるシャーワリピーク(Sarwali Peak、6326m)(写真の中央の奥の氷河の右峰)が見えた。ここの氷河は高いだけあって、氷の面が方々に見えるが、傾斜が緩く、クレパスは少なそうだ。
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ナンガパルバットも見えるが、薄いガスが掛っている。もう少しだ。
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高さ20mほどのモレーン壁を下り、氷河の上に乗った。時間は11時半で、これから対岸に向かうが、雪のため踏み跡が不明確で、渡りきるのは厄介そうだ。これは氷河の下方の写真。
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大きな音がして、雪崩が起こった。昨日は相当に雪が積もり、今日は好天で温度が上がり、さらにルパール壁に日光が当たり始めた。これは雪崩に絶好の条件だ。
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今度は本峰の南東側から表層雪崩で、高度差3千mほど流れた。当たれば飛ばされて死亡は確実だろう。
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ひどく手間取り1時間以上をかけて、午後1時になって、やっと氷河を渡り切って、壁のようなモレーンの基部に到着した
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モレーンの基部に沿って、上方に15分ほど登り、モレーンを乗っこして、昼食。標高は3650mほど。
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百m近く下に草原が見えるが、ある程度下って、モレーン沿いに登るとベースキャンプと思えたが、既に午後1時半になっていた。ゆっくり歩いたと言いながらチャングファー氷河をこえてから既に6時間である。本峰のガスはまだ取れないが、ベースキャンプまで行く勇気はなくなった。ここで戻る。
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帰りの氷河を歩いていると、今度は大音響が5分ほど続く大きな雪崩、スローモーションのように平坦な氷河上まで白煙で覆われた。エベレストでもベースキャンプが雪崩に襲われたと聞くし、黒部のダム工事小屋(死者多数)や、剣沢小屋や雷鳥荘も雪崩で全壊したので、数百m先まで風雪が襲うことは、驚くことではない。
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氷河を越えて池の辺りまで降り来ると、本峰が少しは見えてきた。
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石造りの平屋根の、多分夏用の小屋の集団。電柱はあるが、電線がなかったり、途中で切れていたりで、夏も通電されていないようだ。
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ルパールの夏小屋と住宅地の中間地点からの遠望が最も優れていた。
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ナンガパルバットも雲が取れてきた。
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村に近づいてきても、まだ良く見える。
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ヤギや牛が一緒に写るのも良い。
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これはヤギか羊か、分らない。
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帰り道で、女性たちが先日分配した小麦のふるい分けをしていた。1m近く幅の、ちりとりのような木製器具に小麦を入れ、頭近くの高さに上げて、揺すりながら落とす。軽い麦の枯れ葉などが風で飛んで行く。女性たちが5~6人集まり、遊んでもいるようで平和な雰囲気。冬の前の平和な時間だ。だが撮影は厳禁。
タリシングの村のカラフルな色の屋根。三角屋根の家が多いのはナンガパルバットの山麓の特徴で、雨や雪が多いことを示す。土をかぶせた平屋根では雨漏りがするのだ。 -
タリシングの村に降りると、朝会った警察官がいて、笑っていた。宿に戻ると、庭に一人用のテントが張ってあり、イギリス人の客がいた。彼は、33歳だったかな? 病院勤めの理学療法士で、そこを辞めて2ヵ月間旅行しているという。日本でも、再就職しやすい看護師の女性などには、長期旅行者の割合が高いように思う。会社や公的施設に勤めている人間の場合、一度辞めると、それが優秀な人であろうとも、満足な就職口は少ない。このため日本人の正規労働者は外国を見る機会を失い、視野も狭くなり、偏った日本の常識で固まってしまう。これは進歩の妨害で、忠誠心を求める永久就職の文化は変えるべきだろう。
彼はアメリカ人と二人で十人ほど雇い、11日間でK2を見に行ったが、十分に見えなかったと言う。それで5千m以上の峠を越えて、フーシェ(Hushe)村を経てマチュルーに来て、2泊3日でマチュロ・ラ(Machulo La)からK2を見ることを試みたが、また見えなかったという。このナンガパルバットの後は決めていなが、ネパールに行くかも、と言っていた。遊び過ぎだよ! 今夜はなぜか、一晩中の停電で、充電もできず、明日の宿の予約ができなかった。どこかで充電しなければ、地図も見られないが、翌22日は早朝の7時発の公共バンで降りる。ただ朝、外にでると、すごい好天で、ナンガパルバット稜線の全貌が見えた。K2と違い、ここの8千m峰は、イギリスの若者に優しいようだ。
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