大阪・紅葉の箕面大滝まで、滝道を歩く。

2019/12/11 - 2019/12/11

箕面国定公園の箕面山は大阪・梅田から阪急電車で３０分。

　箕面大滝までは、滝道が整備されていて、手軽に気軽に

自然を満喫できます。

とりわけ秋の紅葉は有名です。

箕面山は今では都会から近くで自然に親しむことのできる観光地ですが、

その昔は修験道の修行地として有名で、修験道にゆかりの神社仏閣にも

お参りしてきました。

エリア 箕面(大阪)

• 旅行の満足度: 5.0

• 交通手段: 徒歩

阪急箕面線の箕面駅を降りるとすぐ滝道が始まります。

箕面駅 駅

滝道を登る前に、駅前のみのおサンプラザというビルの地下一階にある箕面市立郷土資料館に行ってみました。

箕面市立郷土資料館 美術館・博物館

入館は無料です。

箕面の古代から近代までの歴史に関する展示を行っています。

写真は箕面市の止々呂美地区にあった水車。

箕面市立郷土資料館 美術館・博物館

銅鐸が出土していたんですね。

箕面は古来から栄えた場所のようです。

箕面市立郷土資料館 美術館・博物館

鎌倉時代末期、後醍醐天皇側の赤松軍が箕面の瀬川というところで鎌倉幕府六波羅探

題軍を打ち破った瀬川合戦の古戦場もあります。

箕面市立郷土資料館 美術館・博物館

その瀬川（現在の瀬川・半町地区）には西国街道が通り、江戸時代には本陣がありました。
あの伊能忠敬も全国測量の折にその本陣に泊まったという記録があるそうです。

箕面市立郷土資料館 美術館・博物館

瀧安寺は、宝くじの起源である「箕面富」という富くじ発祥のお寺です。

富くじを入れた富くじ箱が展示してありました。

箕面市立郷土資料館 美術館・博物館

明治時代になり、１９１０年には小林一三が設立した箕面有馬電気軌道の梅田~箕面間が開通。

宝塚線池田室町と同様、箕面線沿線でも、郊外住宅地を販売し、沿線開発をおこないました。阪急箕面線は桜井・牧落・箕面の３駅しかありませんが、沿線にはきちんと区画整理された住宅地が開かれ、今でも良好な住宅地となっています。

鉄道乗客集客のために箕面駅には動物園まで造りました。もっとも１９１６年には閉園したみたいです。小林一三は撤退も早い。

箕面市立郷土資料館 美術館・博物館

駅前にあった日本初の珈琲喫茶店とも言われるカフェ・パウリスタの建物の模型。

閉店後は建物の所有者だった箕面有馬電機軌道が開発した宝塚線豊中の住宅地に移設され自治会館として使われました。数年前に訪れたことがありますが、すでに建物は建て替わっていました。ただ、部材は豊中市が保管しいるそうなので、いつかどこかで再建されるかもしれません。

箕面市立郷土資料館 美術館・博物館

ミスタードーナツの日本一号店は箕面だったんですね！

箕面市立郷土資料館 美術館・博物館

駅前に戻りました。

ハイキングの始まりです。といっても、滝道は普通の舗装された道路なので、歩きやすい靴さえ履いていれば、ごく普通の恰好で大丈夫です。

石碑に東海自然歩道西の起点とあります。ちなみに東は東京高尾です。
箕面市の公式ゆるキャラ・滝ノ道ゆずるくんといっしょに写真が撮れます。
ゆずるくんはゆるキャラグランプリでずっとトップ１０をキープしている人気キャラです。

紅葉がいい感じに赤くなっています。

丸いポストが珍しい。

箕面大滝に向かって滝道をスタートです。お店の看板にある「箕面名物」とは「もみじの天ぷら」です。ごまを入れた甘い衣をつけて揚げたもので、香ばしくてほんのり甘いカリカリの食感がおいしいお菓子です。

滝道は箕面川の渓谷に沿って続いて続いています。

渓谷にはけっこうごつごつした岩肌が。

明治の森箕面国定公園【箕面大滝】 公園・植物園

箕面山の紅葉。

明治の森箕面国定公園【箕面大滝】 公園・植物園

水もきれいです。

夏には川床も開かれるそうです。

明治の森箕面国定公園【箕面大滝】 公園・植物園

紅葉真っ盛りではありませんでしたが、その分人出が少なくてよかったです。

ピークの時はすごい人出だとか・・。

明治の森箕面国定公園【箕面大滝】 公園・植物園

野口英世の銅像がありました。

野口英世が親孝行で箕面にお母さんを連れてきたことがあるそうで、それを記念して浄財で建てられました。

野口英世像 名所・史跡

多くの倒木は２０１８年の台風の痕です。

明治の森箕面国定公園【箕面大滝】 公園・植物園

唐人戻り岩と呼ばれる巨大な石です。

昔、唐の貴人が滝を見ようとやってきたところ、道を塞ぐような巨石のところで、先に進むことをあきらめて戻ったという伝説からついた名前です。

でも、この唐人戻り岩を過ぎると、滝はすぐそこです。

唐人戻岩 名所・史跡

滝が見えてきました！

織田信長の生涯をまとめた「信長公記」に信長が１５７９年に見物に来たという記述があり、松尾芭蕉も、その紀行文「笈の小文」に箕面の滝を訪れたことが記されています。

箕面大滝 自然・景勝地

箕面大滝。

落差は３３メートル。とても雄大な滝です。

箕面大滝 自然・景勝地

帰り道には瀧安寺にお参りしました。郷土資料館で見た、富くじを行っていたお寺です。

「箕面山瀧安寺　修験根本道場」

古来箕面山は箕面大滝を中心とした修行の場で、役行者が滝の下に弁財天を安置しお堂を立てたのが、瀧安寺の起源と言われ、修験道の寺院として多くの修行者が入山し修行を行ってきました。

瀧安寺 寺・神社・教会

瀧安寺は下山の際にお参りしたので、普通の参拝の順路とは逆になっています。

こちらは本堂である弁天堂で、境内の一番上・奥にあります。
江戸時代、後水尾天皇の寄進によるもので、奥殿と拝殿からなる神社形式になっています。

瀧安寺 寺・神社・教会

修験道は神仏混合なので鳥居もあります。

石垣も立派ですね～。

瀧安寺 寺・神社・教会

今でも修験者（山伏）が集まり修行を行う大護摩道場もありました。

瀧安寺 寺・神社・教会

山門は光格天皇が１８０９年に京都御所より移築させたもの。

聖護院と縁の深い光格天皇が同じ修験道の瀧安寺に寄進したのでしょうか。

瀧安寺 寺・神社・教会

こちらが境内入口になる鳥居です。

本来ならここからが参道です。

瀧安寺 寺・神社・教会

箕面川に架かる赤い橋・瑞雲橋と武田五一設計の鳳凰閣はとてもきれいな撮影スポッ

トですが、鳳凰閣はやはり台風の被害で修復中で工事シートがかけられていました。

瀧安寺 寺・神社・教会

旅館だった建物を利用した「MINOH　KAJIKASOU」というイタリアンダイニングでお昼をいただきました。

ミノオ カジカソウ グルメ・レストラン

とても趣のある建物です。

店内も広々していました。

ミノオ カジカソウ グルメ・レストラン

パニーニ。

シャキシャキのレタスに、クセのない食べやすいハムがおいしかったです。

ミノオ カジカソウ グルメ・レストラン

食後は、滝道の東側にある中の坂途中にある西江寺にお参りしました。

西江寺は日本で最初に聖天＝歓喜天を祀ったところで、鳥居には「聖天宮」の扁額が。

聖天宮西江寺 寺・神社・教会

こちらの鳥居には「歓喜天」の扁額が掲げられています。

箕面山で修行中だった役行者の前に歓喜天が現れ、歓喜天が祀られたのが始まりだそうです。
歓喜天というのは元々はインドのヒンズー教のガネーシャを起源に持つ神様なので、宗教関係には疎い私には仏教なのか、神道なのか、修験道なのか、よくわからない。

聖天宮西江寺 寺・神社・教会

階段下の片側には「真言宗　西江寺」とはっきり書かれた石碑があります。

聖天宮西江寺 寺・神社・教会

もう片側には「日本最初　歓喜天霊場　聖天宮」の石碑が。

聖天宮西江寺 寺・神社・教会

縁結びにご利益があるそうですよ。

聖天宮西江寺 寺・神社・教会

そして、境内の紅葉がきれい。

聖天宮西江寺 寺・神社・教会

この「中の坂」と言う坂道は瀧安寺を中心とした霊場への入り口にあたり、今でも古い建物が残っています。

４つの地域が共同で利用していた用水路の分水地が今でも残っています。

共同の洗い場としても使われた場所で、貴重な民俗資料となっています。