2020/12/26 - 2020/12/26
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puricさん
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新年のご挨拶を申し上げます。
日常が戻りつつあるかと思われたのもつかの間、盛大に襲い掛かってきたコロナ第三波により、旅行どころか遠出すら叶わぬ状況になった2020年の年末です。
ある日、近鉄の片道フリー乗車券を2枚もらったので、どう使おうか沿線地図をにらみながら何日も悩んでいたのですが、行先を鳥羽に決めました。
理由は、鳥羽の地図の中に「江戸川乱歩館」の文字見つけて以降、気になって、どうしても行かずにはいられない!という気持ちになったからでした。
puricは小学生の頃に出会ったポプラ社の江戸川乱歩シリーズを読んで以来、乱歩作品の大ファンです。
しかし江戸川乱歩という人、いわゆる平井太郎氏はどんな人なのか。
あの独特の世界観を発想する人間がどういう人生をおくったのかについては、一度も考えたことが無いまま過ごしてきました。
そもそも、乱歩作品の舞台は東京が多いので、当然乱歩も東京出身の人だと思い込んでいたのですが、調べてみると(便利な世の中です)三重県名張市の生まれという。
東京の大学を卒業した後は鳥羽の造船所に就職し、庶務課に配属されて数年を過ごすうちに画家の青年と出会い、離れ島に住む女性と出会って結婚したという。
あれ?
こんな感じの話、乱歩作品にいくつか心当たりがある!
これまで知らなかった乱歩作品と鳥羽との関係をもっと知りたくなると、いてもたってもいられず、足を運んできました。
【追記】
江戸川乱歩館は2021年、火災により半焼し、一時閉館になっていましたが、現在はリニューアルオープンになっています。良かった。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- グルメ
- 5.0
- ショッピング
- 5.0
- 交通
- 5.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 1万円未満
-
朝の近鉄「大阪難波」駅です。
伊勢志摩ライナーに乗り込みます。 -
朝ごはんは車内で食べると決めていました。
思ったより売店が空いておらず、何を買うか迷いましたが、天むすの赤い箱を見つけて飛びつきました。 -
旅のお供は江戸川乱歩「孤島の鬼」
江戸川乱歩の世界観や醍醐味、はらはらする探偵譚やゾクゾクするフェティシズムを一冊のお話に詰め込んだ、乱歩・ザ・ワールド!
ボロボロになるまで繰り返し読んだ…ように見えますが、お風呂に持ち込んで読んだため表紙が破れてしまい、中はわりときれいだったりする。 -
ガタガタ揺られて約2時間。
久しぶりの鳥羽駅に到着しました。 -
何はなくともまずは海。
海を見に行こう。 -
海を見たら海沿いを走る線路を横切り、鳥羽駅山手側出口付近にやってきました。
鳥羽は観光地の代表格である水族館、真珠島、遊覧船の船着き場などが海側一か所に集約されています。
逆にいえば、その場所を堪能したら「用済み」状態になりがちなのかもしれない。
puricも足を向けたのは初めてですが、昭和の「夢の跡」的な光景を見ることができました。 -
シャッターの絵が素晴らしいじゃないですか。
昔はこういう階上食堂にわくわくして、入りたい~!とごねたものです。
中には豪華なタイル張りの湯殿のような池と噴水とかがあったりするんでしょう?
窓からは駅舎越しに海が見えるんでしょう?
いいなあ~!
垢抜けたカフェが並ぶ観光地も増えましたが、逆に地域の個性を消してしまっている場所もある気がしますし、これはこれで残していってほしい。
ここから海沿いをはなれ、山側に沿って歩きます。 -
大山祇神社に立ち寄りました。
しまなみ海道がとおる大三島にある大山祇神社の末社です。
なぜかすごく夕方っぽい雰囲気ですが、まだ12時にもならない時間なんですよ・・・。 -
着いた!
かつての鳥羽城跡を含むの城山公園西側エリアです。
鳥羽城はかつて海に向かって島のようにせり出していた浮城だったので、その城下町にあたるのでしょうか。
海岸線からは少し離れた場所にあるのですが、町中にはところどころ常夜燈があったりして、かつては海のそばの町だったのかな?という雰囲気が無いでもない一角です。
訪れる前からそういう雰囲気を感じとってはいましたが、鳥羽遊郭跡です。 -
今は昭和テイストあふれてレトロ&ポップな外観のスナック街。
遊郭の風情を残す建物は取り壊しが進んだらしく、ほとんど残っていません。 -
スナック「うず」
いいね~ -
結構店先が物置状態になっている場所もありました。
近いうちにこの光景すら無くなるかも。 -
今日は違う!
遊郭を見に来たわけじゃない!
この界隈を訪れたのはこの「江戸川乱歩館(鳥羽みなとまち文化館)」を見学するためでした。
まず、やや紛らわしいのですが、ここは江戸川乱歩の住んでた家とかではありません。
画家、岩田準一氏の生家を保存した建物で、絵画や研究資料、さらに岩田準一氏と交友の深かった江戸川乱歩や竹久夢二との書簡などが展示されている資料館です。
そのほかに、鳥羽付近を題材にした文学作品などについての解説など、観光者向けに発信する場として公開されています。 -
鳥羽で就職した乱歩は、岩田準一氏と出会い親交を深めます。
岩田氏のもう一つの顔である風俗(とくに男色)研究は、小説家に転身した後の乱歩作品に大きな影響を与えているそうです。
鳥羽での暮らしがヒントになった作品は「パノラマ島奇談」「算盤が恋を語る話」などが挙げられるそうですが、「孤島の鬼」は、特に男色の研究の影響と要素、さらにえらく美青年だったという岩田準一の存在そのものを、色濃く反映した作品といわれているそうです。
「孤島の鬼」は前述のように乱歩ワールド全開の作品ですが、推理小説としても大変面白い。
puricはその探偵譚部分を大変好んで読んでいたので、正直にいえば物語の中にちらつく美青年が美青年をどうのこうの・・・という要素にかなり戸惑いました。
そもそも物語内における男色テイストの必然性についても疑問でしたし、あまり好きにはなれなくて・・・(長くなりそうなので略 -
準一氏のお部屋再現。
手前で黒猫がこちらを見ています。
怒ってるのかな? -
母屋を抜けると、映画「潮騒」の看板が目立つ中庭があります。
なぜここで唐突に「潮騒」?(伊勢湾の離島が舞台)
江戸川乱歩と岩田準一氏が男色文献研究に精を出していたこの地で三島由紀夫・・・アレとかアレとか色々あるのに、かなりオーソドックスな恋愛物語である「潮騒」かあ~・・・なんて。 -
敷地内には土蔵があり、中は乱歩ワールドを表現した空間「幻影城」となっています。
執事の「猿田」がお出迎え。
「猿田」とは乱歩作品「三角館の恐怖」の登場人物です。
余談ながら、横溝正史「犬神家の一族」には「猿蔵」という名の下男が出て来ます。
召使い的な人の名に「猿」の文字を使うところに時代を感じる。 -
土蔵の中。
ありとあらゆる怪奇グッズがあふれていて、なんじゃこりゃ??といった感じ。
これが乱歩の世界ですと言われると、閉口するしか無い・・・
でも、乱歩ワールドを誰もが納得する形で可視化するのは不可能だと思うので、こうなるのもわからないでは無い。
色々と映像化作品がありますが、一つとして「これだ!」というものに巡り合わないですし。
でも乱歩的お化け屋敷を作るなら「鏡地獄」や「八幡の藪知らず」を再現して欲しかったなあ・・・
もしくはピエロとかサーカスとか・・・巨大な昆虫の被り物とかね。 -
壁にはどっかで見た誰かの服が。
なにこれ?
小林少年のイメージかな?などと思ったけど、たぶんストレートに江戸川コナン君のコスプレ衣装と判断します。 -
ポプラ社の江戸川乱歩シリーズの数々。
これは懐かしい。
でもここはお化け屋敷内で、実際にはかなり薄暗いので読めないんです。
図書室とか作ってほしいなあ・・・。 -
黄金仮面?
「黄金仮面」といえば「正体はアルセーヌ・ルパンだった」というぶっ飛んだ結末には苦笑いを禁じえなくて、一周回って大変面白いし、さらに天地茂の「美女シリーズ」ではフランス人の犯人を伊吹吾郎さんが演じるという怪奇っぷりも好き。 -
まあ、これはこれで・・・という気持ちで土蔵を退出。
中は触れると大きな音がでるとか、ギクッとさせられる仕掛けがあるので、怖がりな人はちょっと気を付けたほうがいいかも。 -
土蔵を出て庭を進むと、展示館があります。
-
よかった、普通だ・・・
乱歩の愛用品や、手紙などの展示。
その他、鳥羽が舞台になった作品の紹介パネルの展示などがありました。 -
「蜘蛛男」
これまで何度読み返したかなあ・・・「蜘蛛男」「魔術師」「吸血鬼」の三部作。
エログロナンセンス要素強めの代表的長編作です。
これらも、前述「孤島の鬼」もポプラ社のシリーズで、児童小説向けにリライトされています。
あの頃乱歩シリーズに夢中になってた同級生たちのうち、何人が大人になって原作を読んだんだろう?
原作のおどろおどろしい雰囲気はそのままに、18禁的な部分はきれいに伏せてあるので、大人になってから読み比べがお勧め。 -
乱歩が撮影したという真珠島の海女の映像が流れています。
鳥羽の町といえば「水族館」「真珠」「海女」。
考えてみれば乱歩作品には
「水族館の水槽に美女の死骸をぶちこむ」
「美男美女を真珠にする」
「海の中に美女がたわむれる竜宮城的ワールドがある」
「盲目の男が海辺でたわむれる海女となんちゃらかんちゃら」
などとぶっ飛んだ場面が度々出てきます。
こじつけですが、結び付けてみると作品内には「鳥羽っぽさ」が随所にあるんですね。 -
展示室裏手の文学館小径。
古い看板と板塀で、昔の昭和の風景っぽさを表現しています。
夕暮れにこういう道を小林君と少年探偵団のお友達が歩いていたら、「妖怪博士」とかいう見るからにおかしな人に化けた怪人二十面相が現れて・・・みたいな場面なんです。
なんですよ! -
さて、期待していた乱歩館、どう日記に書いたものか・・・と頭を抱えながらお昼ごはんです。
事前に調べていた「七越茶屋」にやってきました。 -
いろいろメニューが多いので迷いましたが、伊勢うどん(卵入り)とミニてこね寿司をオーダーしました。
極太うどんにタレをからめて食べる伊勢うどん。
個人的に伊勢うどんのタレはもう少し甘い方が好みだったかなー。 -
食後の運動で、城山公園にいってみます。
-
インスタ映えそうなモニュメントがありました。
桜の木に覆われている広場なので、春に来たらもっときれいだろうな。 -
天守台にむかって歩きます。
-
快晴でした。
何となくですが、2020年はあまり雨の記憶が無く(大阪は)、こういう快晴の日が多かった気がする。 -
本丸跡です。
以前は小学校の運動場だったらしい。 -
映画「この世界の片隅に」で、海に白波がたつ光景を「兎が走る」と表現していましたが、風にふかれるススキもそんなふうに見えるなあ・・・。
-
鳥羽を横切る近鉄特急。
大きなカーブがあるためか、駅から発車したあとも減速状態で走っていること、海や空がきれいに背景に入りやすい位置に線路が通っていることから、電車撮影にもよさそう。 -
遊覧船と近鉄特急。
-
船の向こうにあるのは坂手島です。
江戸川乱歩は鳥羽で過ごした期間に、この坂手島で育ち、小学校の教師をしている女性と出会い、結婚したのだそうです。 -
ミキモト真珠島。
帰りの特急まで時間があったので、渡ろうか迷ったのですが、ここまででやや疲れたので諦めました。
「黒蜥蜴」の緑川夫人が人間真珠でも製造しているなら迷わず渡ったけどね。 -
鳥羽一番街でお土産を購入して、帰りの特急に乗りました。
-
志摩はよし
鳥羽はなおよし
白百合の
真珠のごとき
君の住む島
江戸川乱歩が妻の隆に詠んだ歌。
この歌に一番心を揺さぶられる思いがしました。
かなり美男子だったらしい岩田準一氏と乱歩の関係については、興味が尽きない部分でしたが、この素敵な二人の姿を見るとどうでもいい事ですね。
さらに江戸川乱歩が好きになれた、いい日でした。
久しぶりに映画「江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間」を見たい・・・
おしまい。
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