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次男坊の高校受験が終わり、見事第一希望に合格したお祝いを兼ねて、二人でソウルを訪ねた。旅の目的は、「食」と「エンタテインメント」。彼の中学最後の思い出になればと航空券を取った。

息子と行くソウル食い倒れの旅

162いいね!

2015/03/19 - 2015/03/22

72位(同エリア25666件中)

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76

SamShinobu

SamShinobuさん

次男坊の高校受験が終わり、見事第一希望に合格したお祝いを兼ねて、二人でソウルを訪ねた。旅の目的は、「食」と「エンタテインメント」。彼の中学最後の思い出になればと航空券を取った。

旅行の満足度
4.0
観光
4.0
ホテル
4.0
グルメ
5.0
ショッピング
4.0
交通
4.0
同行者
家族旅行
交通手段
高速・路線バス タクシー 徒歩

PR

  • 2015年3月19日(木)(画像は3/22の帰国便)<br />12時25分羽田空港発の大韓航空で金浦空港に向う。<br />3ヶ月前、大韓航空の女副社長がファーストクラスに乗客として乗った際、ナッツの出し方がなっていないとクレームをつけ、サービス責任者を降ろすために旅客機を搭乗ゲートまで引き返させたいわゆる「ナッツリターン事件」は、その後の展開も含めてまるで韓国ドラマを見ているようだった。今まで韓国へはアシアナ航空で行くことが多かったが、大韓航空が面白すぎる!ので、乗ってみることにした。もちろん最大の楽しみは、袋入りナッツである。ところが、事もあろうになんとナッツが出ない。大韓航空っ!おたくの今一番の売りは、ナッツだろうが!ナッツ姫(その副社長)のイラスト入りのナッツを作らないでどうする!<br /> という僕の憤りも知らず、息子は「ねえ、映画、なに見る?」と呑気な事を言っている。プログラムをチェックすると、今一番気になっていた「セッション」というアメリカ映画があるではないか。2015年のアカデミー賞で作品賞はじめ5部門にノミネートされ、助演男優賞を獲得した作品だ。金浦空港まで2時間35分の短いフライトで最後まで見ることができるのかというスリルのなか、息子と同時に見始めてぎりぎり全編見ることができた。見終わった時、あまりの衝撃にふたりとも脱力感から言葉が出なかった。旅の最初から凄い映画に出会ってしまったようだ。有名音楽学校に入ってプロのドラマーを目指す貧乏学生と、才能のない生徒は虫けら扱いする最低な教師との魂のぶつかり合い。ラストの演奏会では、まるでこの二人の殴り合いのようなバトルが繰り広げられる。きっと息子にとっても忘れられない映画になったことだろう。<br />空港で両替すると、1ウォンが0.11円。円安ということもあってレートは良くない。<br />ソウルの鉄道は切符が完全に無くなり、全てプリペイドカード制になっていたが知らなかった。<br />慌ててセブンイレブンでSuicaのようなT‐moneyカードを2枚購入する。レジのおじさんが、T‐moneyカードについてカタコトの英語で一生懸命説明してくれたので助かった。このカードでバスやタクシーも乗れるし、残額はまたコンビニで払い戻してくれるらしい。そして各20,000ウォン(2,200円)ずつチャージしてもらった。<br />

    2015年3月19日(木)(画像は3/22の帰国便)
    12時25分羽田空港発の大韓航空で金浦空港に向う。
    3ヶ月前、大韓航空の女副社長がファーストクラスに乗客として乗った際、ナッツの出し方がなっていないとクレームをつけ、サービス責任者を降ろすために旅客機を搭乗ゲートまで引き返させたいわゆる「ナッツリターン事件」は、その後の展開も含めてまるで韓国ドラマを見ているようだった。今まで韓国へはアシアナ航空で行くことが多かったが、大韓航空が面白すぎる!ので、乗ってみることにした。もちろん最大の楽しみは、袋入りナッツである。ところが、事もあろうになんとナッツが出ない。大韓航空っ!おたくの今一番の売りは、ナッツだろうが!ナッツ姫(その副社長)のイラスト入りのナッツを作らないでどうする!
     という僕の憤りも知らず、息子は「ねえ、映画、なに見る?」と呑気な事を言っている。プログラムをチェックすると、今一番気になっていた「セッション」というアメリカ映画があるではないか。2015年のアカデミー賞で作品賞はじめ5部門にノミネートされ、助演男優賞を獲得した作品だ。金浦空港まで2時間35分の短いフライトで最後まで見ることができるのかというスリルのなか、息子と同時に見始めてぎりぎり全編見ることができた。見終わった時、あまりの衝撃にふたりとも脱力感から言葉が出なかった。旅の最初から凄い映画に出会ってしまったようだ。有名音楽学校に入ってプロのドラマーを目指す貧乏学生と、才能のない生徒は虫けら扱いする最低な教師との魂のぶつかり合い。ラストの演奏会では、まるでこの二人の殴り合いのようなバトルが繰り広げられる。きっと息子にとっても忘れられない映画になったことだろう。
    空港で両替すると、1ウォンが0.11円。円安ということもあってレートは良くない。
    ソウルの鉄道は切符が完全に無くなり、全てプリペイドカード制になっていたが知らなかった。
    慌ててセブンイレブンでSuicaのようなT‐moneyカードを2枚購入する。レジのおじさんが、T‐moneyカードについてカタコトの英語で一生懸命説明してくれたので助かった。このカードでバスやタクシーも乗れるし、残額はまたコンビニで払い戻してくれるらしい。そして各20,000ウォン(2,200円)ずつチャージしてもらった。

  • ゲストハウス「Sopia」<br />地下鉄「安国」駅を出て10分ほど歩くと、今夜の宿「Sopia」に着く。このあたりは、かつての王宮「景福宮」に程近いので、一世紀前までは貴族や皇族が多く住んでいたエリアだ。この「Sopia」も、築150年の韓屋をリノベーションしたゲストハウスで、韓国の伝説的テレビドラマ「砂時計」(チェ・ミンス主演)のロケ地でもある。細い路地の突き当たりにひっそりとたたずむ趣のある扉を開けると、オーナーのソフィアさんが出迎えてくれる。<br />

    ゲストハウス「Sopia」
    地下鉄「安国」駅を出て10分ほど歩くと、今夜の宿「Sopia」に着く。このあたりは、かつての王宮「景福宮」に程近いので、一世紀前までは貴族や皇族が多く住んでいたエリアだ。この「Sopia」も、築150年の韓屋をリノベーションしたゲストハウスで、韓国の伝説的テレビドラマ「砂時計」(チェ・ミンス主演)のロケ地でもある。細い路地の突き当たりにひっそりとたたずむ趣のある扉を開けると、オーナーのソフィアさんが出迎えてくれる。

  • ソフィアさんは韓国人だが、クリスチャンなのでミドルネームをソフィアというらしい。人懐っこそうな笑顔が素敵なソフィアさんは、英語が堪能で日本語も少し話せる。<br />北京の四合院のような中庭を部屋が取り囲む構造で、そのひとつが朝食を出してくれる食堂になっている。その隣がソフィアさんの部屋で、解放された扉から見える韓国伝統工芸の螺鈿(らでん)家具が存在感を放っている。ゲストハウスなので共同シャワー兼トイレは部屋の外の建物にある。<br />

    ソフィアさんは韓国人だが、クリスチャンなのでミドルネームをソフィアというらしい。人懐っこそうな笑顔が素敵なソフィアさんは、英語が堪能で日本語も少し話せる。
    北京の四合院のような中庭を部屋が取り囲む構造で、そのひとつが朝食を出してくれる食堂になっている。その隣がソフィアさんの部屋で、解放された扉から見える韓国伝統工芸の螺鈿(らでん)家具が存在感を放っている。ゲストハウスなので共同シャワー兼トイレは部屋の外の建物にある。

  • 僕らの部屋は2人用のオンドル部屋(床暖房)で、決して広くはないが、韓国の家にお邪魔している感満載で、雰囲気は抜群。さすがに150年の建物なので建てつけは相当傷んでおり、真冬の宿泊はすきま風が入って厳しそうだ。今日は春の日差しが暖かかったので、部屋の扉を開けっ放しにして暫く庭を見ながら寛いだ。<br />「Sopia」のある一帯は三清洞といって、今ソウルでお洒落な街として注目されており、日本でいうと差し詰め、代官山といった感じだろうか。古い街並みに、カフェ、ブティック、雑貨屋などが立ち並び、平日にもかかわらず若者でいっぱいである。周りには高級住宅街や美術館などがあり、どこか洗練されているので、一言で言って韓国っぽくない。<br />

    僕らの部屋は2人用のオンドル部屋(床暖房)で、決して広くはないが、韓国の家にお邪魔している感満載で、雰囲気は抜群。さすがに150年の建物なので建てつけは相当傷んでおり、真冬の宿泊はすきま風が入って厳しそうだ。今日は春の日差しが暖かかったので、部屋の扉を開けっ放しにして暫く庭を見ながら寛いだ。
    「Sopia」のある一帯は三清洞といって、今ソウルでお洒落な街として注目されており、日本でいうと差し詰め、代官山といった感じだろうか。古い街並みに、カフェ、ブティック、雑貨屋などが立ち並び、平日にもかかわらず若者でいっぱいである。周りには高級住宅街や美術館などがあり、どこか洗練されているので、一言で言って韓国っぽくない。

  • SOFTREE<br />早速、食い倒れの旅にふさわしいスイーツを発見する。なんと蜂の巣がアイスクリームの上に載っている。昨今、韓国ではハチミツが大流行で、「ハニーバターチップス」は、社会現象になるほど入手困難なお菓子だ。蜂の巣アイスは2年ほど前から爆発的に人気になり、SOFTREEはソウルに何店舗もあるが、ここのパクリ店もソウル中にあるらしい。<br />

    SOFTREE
    早速、食い倒れの旅にふさわしいスイーツを発見する。なんと蜂の巣がアイスクリームの上に載っている。昨今、韓国ではハチミツが大流行で、「ハニーバターチップス」は、社会現象になるほど入手困難なお菓子だ。蜂の巣アイスは2年ほど前から爆発的に人気になり、SOFTREEはソウルに何店舗もあるが、ここのパクリ店もソウル中にあるらしい。

  • 食べてみると甘い蜂の巣が口の中で溶けていってとても美味しいが、歯にくっつくのが難点だ。

    食べてみると甘い蜂の巣が口の中で溶けていってとても美味しいが、歯にくっつくのが難点だ。

  • チリサン(韓定食)<br />韓定食というと、宮廷料理と田舎家庭料理があるが、ここの「チリサン定食」は田舎家庭料理を一人15,000ウォン(1,650円)で提供してくれる。<br />

    チリサン(韓定食)
    韓定食というと、宮廷料理と田舎家庭料理があるが、ここの「チリサン定食」は田舎家庭料理を一人15,000ウォン(1,650円)で提供してくれる。

  • かなり大きな韓屋の奥のオンドル広間に案内され、韓国の「CASSビール」を飲みながら待っていると、すぐに料理が運ばれてくる。自家製の豆腐、チゲ鍋、イシモチ(韓国ではポピュラーな魚)、チヂミ、チャプチェ、4種類のキムチ、水キムチ、ナムル、サラダ等、まさに韓国人のソウルフードが15品もテーブル狭しと並ぶ。名物の豆腐は、豆乳のようにどろっと軟らかく実に濃厚。大好きな水キムチはとても美味しく、日本ではまず食べられないので嬉しくなる。化学調味料を一切使っていないという料理は、本当に田舎で振る舞われるような素朴な味で、大変満足した。

    かなり大きな韓屋の奥のオンドル広間に案内され、韓国の「CASSビール」を飲みながら待っていると、すぐに料理が運ばれてくる。自家製の豆腐、チゲ鍋、イシモチ(韓国ではポピュラーな魚)、チヂミ、チャプチェ、4種類のキムチ、水キムチ、ナムル、サラダ等、まさに韓国人のソウルフードが15品もテーブル狭しと並ぶ。名物の豆腐は、豆乳のようにどろっと軟らかく実に濃厚。大好きな水キムチはとても美味しく、日本ではまず食べられないので嬉しくなる。化学調味料を一切使っていないという料理は、本当に田舎で振る舞われるような素朴な味で、大変満足した。

  • 地下鉄「安国」駅から15分ほど乗って、「狎鴎亭」駅で降りる。ここは隣接する「清潭洞」(チョンダムドン)とともに韓国でも最も高級でセレブな街として有名で、お洒落なブランド店がひしめき合っている。ここからJAZZ CLUB「ONCE IN A BLUE MOON」を目指した。<br />実は「狎鴎亭ロデオ」駅のほうが店には近いのだが、地下鉄の乗り換えが面倒だったので「狎鴎亭」駅から歩くことにしたのだ。しかし、これがいけなかった。歩けども歩けども、それらしい店が見えてこない。道を間違えたかなと気付いた時には、もう自分が何処にいるのか分からなくなっていた。<br />仕方がないので、前方から来た女性二人連れにカタコトの韓国語で道を尋ねた。すぐ僕が日本人だと分かったようで、ベビーカーを押していた若い方の女性が、英語は話せるか訊いてきた。それからは流暢な英語で説明してくれ、どうやら僕らは反対方向に歩いていたようだ。彼女たちと向かう方向が一緒だったので、しばらく歩きながら話をした。この二人は親子で、娘さんはなんとソウル大学の教授らしい。お母さんも英語が堪能で、日本にも遊びに来たことがあるとのこと。さすが「狎鴎亭」、住んでる人はハイソだなあ。それでもやはり韓国人気質で、とても世話好き、話好き。息子にもいろいろ話しかけてくれる気さくな親子で、道に迷ったおかげで楽しい出会いができた。<br />

    地下鉄「安国」駅から15分ほど乗って、「狎鴎亭」駅で降りる。ここは隣接する「清潭洞」(チョンダムドン)とともに韓国でも最も高級でセレブな街として有名で、お洒落なブランド店がひしめき合っている。ここからJAZZ CLUB「ONCE IN A BLUE MOON」を目指した。
    実は「狎鴎亭ロデオ」駅のほうが店には近いのだが、地下鉄の乗り換えが面倒だったので「狎鴎亭」駅から歩くことにしたのだ。しかし、これがいけなかった。歩けども歩けども、それらしい店が見えてこない。道を間違えたかなと気付いた時には、もう自分が何処にいるのか分からなくなっていた。
    仕方がないので、前方から来た女性二人連れにカタコトの韓国語で道を尋ねた。すぐ僕が日本人だと分かったようで、ベビーカーを押していた若い方の女性が、英語は話せるか訊いてきた。それからは流暢な英語で説明してくれ、どうやら僕らは反対方向に歩いていたようだ。彼女たちと向かう方向が一緒だったので、しばらく歩きながら話をした。この二人は親子で、娘さんはなんとソウル大学の教授らしい。お母さんも英語が堪能で、日本にも遊びに来たことがあるとのこと。さすが「狎鴎亭」、住んでる人はハイソだなあ。それでもやはり韓国人気質で、とても世話好き、話好き。息子にもいろいろ話しかけてくれる気さくな親子で、道に迷ったおかげで楽しい出会いができた。

  • この店は韓国のジャズシーンの中でも屈指の有名店だけあって、かなりソフィスティケイトされた雰囲気の高級レストランだ。上海のジャズバーでは、Age Limitで息子が入れない店もあったので少し心配だったが、あっさり入れてくれた。すでに演奏は始まっていたが、ラッキーなことに舞台のほぼ正面、一番前のテーブルに案内される。この店はチャージ料はないが、一番安いドリンクでも19,000ウォン(2,100円)。食事などしようものなら幾らかかるかわからない。でもドリンクだけでも構わないので、逆に言えば1杯しか頼まなければ2,100円でこの演奏が楽しめるのだ。

    この店は韓国のジャズシーンの中でも屈指の有名店だけあって、かなりソフィスティケイトされた雰囲気の高級レストランだ。上海のジャズバーでは、Age Limitで息子が入れない店もあったので少し心配だったが、あっさり入れてくれた。すでに演奏は始まっていたが、ラッキーなことに舞台のほぼ正面、一番前のテーブルに案内される。この店はチャージ料はないが、一番安いドリンクでも19,000ウォン(2,100円)。食事などしようものなら幾らかかるかわからない。でもドリンクだけでも構わないので、逆に言えば1杯しか頼まなければ2,100円でこの演奏が楽しめるのだ。

  • 今夜は2バンドが出演しており、前半が &#51076;&#48372;&#46972;(イム・ボラ)QUARTET +女性ボーカル、後半は22時からで&#51312;&#51221;&#54788;(チョ・ジョンヒョン) QUARTET+女性ボーカルという構成だ。スタンダードな甘いボーカルとサックスの響きに酔いつつ、でも今日機内で見た「セッション」が頭から離れず、ドラマーが一番気になるふたりだった。

    今夜は2バンドが出演しており、前半が 임보라(イム・ボラ)QUARTET +女性ボーカル、後半は22時からで조정현(チョ・ジョンヒョン) QUARTET+女性ボーカルという構成だ。スタンダードな甘いボーカルとサックスの響きに酔いつつ、でも今日機内で見た「セッション」が頭から離れず、ドラマーが一番気になるふたりだった。

  • 帰りは迷うことなく「狎鴎亭」駅にたどり着くことができた。地下鉄で「安国」駅まで戻って来ると、息子がお腹が空いたというので、GS25という韓国系のコンビニに入り、辛ラーメンのカップ麺を買ってイートインコーナーで食べた。<br />ペットボトルのお茶を選んでいると、「十六茶」ならぬ「十七茶」という代物が平然とした顔で並んでいる。完全にパクっておきながら、1つ多いからこちらの方が上的なところが実に韓国らしくて笑える。決して不味くはないが、1つ多い感は全くしない。<br />今夜のおやつと寝酒の「百歳酒」を買ったが、コンビニの袋に入れてくれる気配はない。そうだ、韓国のコンビニでは袋は有料なので、中国同様こちらから言わないと必要かどうか訊いてもくれない。<br />時刻は24時を回っていたので、「Sopia」までの夜道はひっそりと静まり返っていた。<br />

    帰りは迷うことなく「狎鴎亭」駅にたどり着くことができた。地下鉄で「安国」駅まで戻って来ると、息子がお腹が空いたというので、GS25という韓国系のコンビニに入り、辛ラーメンのカップ麺を買ってイートインコーナーで食べた。
    ペットボトルのお茶を選んでいると、「十六茶」ならぬ「十七茶」という代物が平然とした顔で並んでいる。完全にパクっておきながら、1つ多いからこちらの方が上的なところが実に韓国らしくて笑える。決して不味くはないが、1つ多い感は全くしない。
    今夜のおやつと寝酒の「百歳酒」を買ったが、コンビニの袋に入れてくれる気配はない。そうだ、韓国のコンビニでは袋は有料なので、中国同様こちらから言わないと必要かどうか訊いてもくれない。
    時刻は24時を回っていたので、「Sopia」までの夜道はひっそりと静まり返っていた。

  • 2015年3月20日(金)<br />台所兼朝食用テーブルのある部屋に行くと、ソフィアさんのお母さんのマリアさんが朝食を作ってくれる。マリアさんは韓国語しか話せないが、ニコニコして優しそうなおばあちゃんだ。きのこのスープ、ゆで玉子、トースト、フルーツ、コーヒーとオーソドックスな朝食で、特にこのきのこのスープが美味しかった。

    2015年3月20日(金)
    台所兼朝食用テーブルのある部屋に行くと、ソフィアさんのお母さんのマリアさんが朝食を作ってくれる。マリアさんは韓国語しか話せないが、ニコニコして優しそうなおばあちゃんだ。きのこのスープ、ゆで玉子、トースト、フルーツ、コーヒーとオーソドックスな朝食で、特にこのきのこのスープが美味しかった。

  • そこへ、白人の女性客がひとりで入ってきた。青い瞳の彼女は息子の隣りに座り、どちらからともなくお互い英語で自己紹介する。彼女はフランスのお嬢さんで、名前はジュリエットさん。友人の結婚式で初めて韓国を訪れたそうで、なんと上海の人民広場の近くに2年半住んでいるという。自分も上海は何度も訪れたことがあるというと、上海は経済的には驚くほど発展した大都市だが、韓国は文化を大切にしていてとても美しいと言っていた。<br />ジュリエットさんが「このスープとても美味しいんだけど、一体なんのスープでしょう?」と作ってくれたマリアさんに悪いと思ったのか、小声で聞いてきた。「きのこですよ」と教えてあげると、安心したように笑顔になったのが可愛かった。ゲストハウスは宿泊料が安いだけでなく、こういう出会いがあるのが楽しい。<br />

    そこへ、白人の女性客がひとりで入ってきた。青い瞳の彼女は息子の隣りに座り、どちらからともなくお互い英語で自己紹介する。彼女はフランスのお嬢さんで、名前はジュリエットさん。友人の結婚式で初めて韓国を訪れたそうで、なんと上海の人民広場の近くに2年半住んでいるという。自分も上海は何度も訪れたことがあるというと、上海は経済的には驚くほど発展した大都市だが、韓国は文化を大切にしていてとても美しいと言っていた。
    ジュリエットさんが「このスープとても美味しいんだけど、一体なんのスープでしょう?」と作ってくれたマリアさんに悪いと思ったのか、小声で聞いてきた。「きのこですよ」と教えてあげると、安心したように笑顔になったのが可愛かった。ゲストハウスは宿泊料が安いだけでなく、こういう出会いがあるのが楽しい。

  • Sopiaから徒歩ですぐの所にある北村(プチョン)は、韓国の伝統家屋・韓屋が数多く建ち並ぶエリアで、かつては朝廷の高官や貴族が住んでいた。

    Sopiaから徒歩ですぐの所にある北村(プチョン)は、韓国の伝統家屋・韓屋が数多く建ち並ぶエリアで、かつては朝廷の高官や貴族が住んでいた。

  • 今はこの韓屋をリノベーションした住宅地になっており、ソウルの昔の景観がそのまま残っていることもあって、近年観光スポットとして見直されている。この町を歩くと、まるで李氏朝鮮時代にタイムスリップしたかのような感覚になる。ただ、中国人観光客も多く訪れており、韓国にいるのに中国語がやたら聞こえてくるのはなんとも不思議な感じだ。

    今はこの韓屋をリノベーションした住宅地になっており、ソウルの昔の景観がそのまま残っていることもあって、近年観光スポットとして見直されている。この町を歩くと、まるで李氏朝鮮時代にタイムスリップしたかのような感覚になる。ただ、中国人観光客も多く訪れており、韓国にいるのに中国語がやたら聞こえてくるのはなんとも不思議な感じだ。

  • 仁寺洞(インサドン)<br />この街は、骨董品や伝統工芸品を売る店が多く、土産物屋も多く並んでいる。一歩路地に入り込むと韓屋を使った韓定食の店や伝統茶屋もある。仁寺洞を端から端まで歩いてみる。ここは歩行者天国になっており、人は多いが歩きやすい。朝晩はまだ肌寒いが、日が出てくるとぽかぽか陽気で大変気持ちがいい。<br />

    仁寺洞(インサドン)
    この街は、骨董品や伝統工芸品を売る店が多く、土産物屋も多く並んでいる。一歩路地に入り込むと韓屋を使った韓定食の店や伝統茶屋もある。仁寺洞を端から端まで歩いてみる。ここは歩行者天国になっており、人は多いが歩きやすい。朝晩はまだ肌寒いが、日が出てくるとぽかぽか陽気で大変気持ちがいい。

  • 昼食は仁寺洞のはずれにあるテジモリクッパの有名店「ユジン食堂」。テジモリとは豚の頭という意味で、クッパに豚の頭肉のぶつ切りがごろごろ入っている。そう聞くと野蛮な感じもするが、豚足だってあんなに旨いのだから、豚の頭もコラーゲンたっぷりで意外とイケる。それに、もつ焼き屋の「かしら」だって豚の頭の肉だ。豚の耳はコリコリしていて知っている食感だが、それ以外はどの部位か分からない。でも美味しければいいので、塩やアミ、キムチなどで自分好みの味付けをして、ビールと一緒にかき込んだ。この野趣あふれる料理を息子は大丈夫かと一瞬心配になったが、一気に食べたようでとっくに完食していた。1杯、5,000ウォン(550円)。

    昼食は仁寺洞のはずれにあるテジモリクッパの有名店「ユジン食堂」。テジモリとは豚の頭という意味で、クッパに豚の頭肉のぶつ切りがごろごろ入っている。そう聞くと野蛮な感じもするが、豚足だってあんなに旨いのだから、豚の頭もコラーゲンたっぷりで意外とイケる。それに、もつ焼き屋の「かしら」だって豚の頭の肉だ。豚の耳はコリコリしていて知っている食感だが、それ以外はどの部位か分からない。でも美味しければいいので、塩やアミ、キムチなどで自分好みの味付けをして、ビールと一緒にかき込んだ。この野趣あふれる料理を息子は大丈夫かと一瞬心配になったが、一気に食べたようでとっくに完食していた。1杯、5,000ウォン(550円)。

  • 食後に韓国の伝統茶を飲もうと、耕仁美術館の中庭にある伝統茶院に入る。仁寺洞は昼になってかなりの人出になったが、ひとつ路地を入ったこの店は静かに寛ぐことができる。広い敷地内にギャラリーがいくつかあり、その中心に建つ韓屋が茶院になっている。ここで息子は五味茶(オミジャチャ)というアセロラのような赤い実から作ったお茶を注文した。甘味、辛味、酸味、苦味、塩味の5つの味を持つというお茶で、呼吸器機能、肝機能、咳の緩和に効くといわれている。お茶といっても、韓国の伝統茶は高麗人参のような韓方や果実などを使ったものが多い。春の日差しに、店の縁側でほっこりさせてもらった。

    食後に韓国の伝統茶を飲もうと、耕仁美術館の中庭にある伝統茶院に入る。仁寺洞は昼になってかなりの人出になったが、ひとつ路地を入ったこの店は静かに寛ぐことができる。広い敷地内にギャラリーがいくつかあり、その中心に建つ韓屋が茶院になっている。ここで息子は五味茶(オミジャチャ)というアセロラのような赤い実から作ったお茶を注文した。甘味、辛味、酸味、苦味、塩味の5つの味を持つというお茶で、呼吸器機能、肝機能、咳の緩和に効くといわれている。お茶といっても、韓国の伝統茶は高麗人参のような韓方や果実などを使ったものが多い。春の日差しに、店の縁側でほっこりさせてもらった。

  • 景福宮(キョンボックン)

    景福宮(キョンボックン)

  • 景福宮は、1395年から韓国併合の1910年まで朝鮮王朝の王宮だった。造りは北京の紫禁城を完全にパクっているが、随所に韓国らしいアレンジが施されていて楽しい。<br /><br />

    景福宮は、1395年から韓国併合の1910年まで朝鮮王朝の王宮だった。造りは北京の紫禁城を完全にパクっているが、随所に韓国らしいアレンジが施されていて楽しい。

  • 風水都市韓国において最大のパワースポットである景福宮の広さは427,000㎡というから、全体をゆっくり見て回ったら半日はかかるだろう。<br />

    風水都市韓国において最大のパワースポットである景福宮の広さは427,000㎡というから、全体をゆっくり見て回ったら半日はかかるだろう。

  • ちなみに紫禁城は、725,000㎡なので、やはり本家はケタ外れということか。

    ちなみに紫禁城は、725,000㎡なので、やはり本家はケタ外れということか。

  • タクシーに乗って、今夜の宿「ホテルコージー明洞」に向う。部屋は4階。エレベーターの回数表示は4階だけ数字ではなくて「F」となっている。息子が「4は縁起が悪いからじゃない?」と言っていたが、後で調べてみると確かにその通りで、韓国のホテルの特徴らしい。部屋に入ると予想以上に狭く、ツインベッドがぴったりくっついているので、これではダブルベッドと変わらない。ベッドの上以外ほとんど居場所がないが、寝るために帰るだけなので問題なし。

    タクシーに乗って、今夜の宿「ホテルコージー明洞」に向う。部屋は4階。エレベーターの回数表示は4階だけ数字ではなくて「F」となっている。息子が「4は縁起が悪いからじゃない?」と言っていたが、後で調べてみると確かにその通りで、韓国のホテルの特徴らしい。部屋に入ると予想以上に狭く、ツインベッドがぴったりくっついているので、これではダブルベッドと変わらない。ベッドの上以外ほとんど居場所がないが、寝るために帰るだけなので問題なし。

  • 明洞(ミョンドン)までホテルから歩いて10分位で着く。ここはソウルで一番賑やかな繁華街だが、雑然としていて、イマイチ洗練されていない。渋谷センター街のイメージか。たぶん、地方から出てきた韓国人や観光客が多いのが原因かもしれない。このころは日本人観光客に代わって中国人観光客が激増し、そこらじゅうで中国語が聞えたし、店員も中国語で呼び込みをしていた。また大ヒットした韓国ドラマ「星から来たあなた」の主演、キム・スヒョンとチョン・ジヒョン(猟奇的な彼女!)のふたりのポスターがいたるところに貼ってある。チョン・ジヒョンは数多くのCMに起用されており、滞在中数えきれないほどの商品PRポスターで彼女を見た。「星から来たあなた」は中国でも大ヒットしたので、中国の観光客頼りの明洞では、この二人のポスターは集客力抜群なんだろう。<br /> <br />

    明洞(ミョンドン)までホテルから歩いて10分位で着く。ここはソウルで一番賑やかな繁華街だが、雑然としていて、イマイチ洗練されていない。渋谷センター街のイメージか。たぶん、地方から出てきた韓国人や観光客が多いのが原因かもしれない。このころは日本人観光客に代わって中国人観光客が激増し、そこらじゅうで中国語が聞えたし、店員も中国語で呼び込みをしていた。また大ヒットした韓国ドラマ「星から来たあなた」の主演、キム・スヒョンとチョン・ジヒョン(猟奇的な彼女!)のふたりのポスターがいたるところに貼ってある。チョン・ジヒョンは数多くのCMに起用されており、滞在中数えきれないほどの商品PRポスターで彼女を見た。「星から来たあなた」は中国でも大ヒットしたので、中国の観光客頼りの明洞では、この二人のポスターは集客力抜群なんだろう。
     

  • 明洞の喧騒に疲れたので、ひと休みするために入ったのは、猫カフェ「コヤンイノリト」。一人、8,000ウォン(880円)を払うと、ワンドリンク付きでいつまでいても構わない。様々な種類の猫が40匹以上いて、勝手に動き回り、客のテーブルに乗ってくることもある。

    明洞の喧騒に疲れたので、ひと休みするために入ったのは、猫カフェ「コヤンイノリト」。一人、8,000ウォン(880円)を払うと、ワンドリンク付きでいつまでいても構わない。様々な種類の猫が40匹以上いて、勝手に動き回り、客のテーブルに乗ってくることもある。

  • 一切セリフの無いノンバーバルミュージカル「NANTA」を観に行く。チケットは、日本で取っておいた。スマホからチケットぴあで予約し、引換券はセブンイレブンで発券してもらって、その場で支払いができる。明日観るミュージカル「WEDDING」のチケットも同様にして取った。なんて便利な世の中だ。

    一切セリフの無いノンバーバルミュージカル「NANTA」を観に行く。チケットは、日本で取っておいた。スマホからチケットぴあで予約し、引換券はセブンイレブンで発券してもらって、その場で支払いができる。明日観るミュージカル「WEDDING」のチケットも同様にして取った。なんて便利な世の中だ。

  • NANTAとは乱打のこと。何を乱打するのか、そこが面白い。設定は結婚式場の厨房。1時間後に始まるウエディングパーティに間に合わせるために、4人のコックと支配人が繰り広げるワンシチュエーションドラマだ。本物の野菜を使って実際に料理するのだが、包丁、おたま、泡立て器、バケツ、ほうきなどをサムルノリ(韓国の農楽)のリズムで乱打し、観客を興奮の渦に巻き込んでいく。実際に凄く速いリズムで野菜を切り刻んでいくので、一歩間違ったら血の海になっていしまう緊張感の中、次々と料理ができてくる。野菜が四方八方に飛び散り、ごみ袋が観客席に飛んでくる。手が滑って、あの包丁がこちらに向って飛んできたらと思うと気が気でない。役者たちは、飛行機で見た「セッション」のような血のにじむ練習を積んだに違いないが、そんな苦労を全く感じさせずに、実に楽しそうに乱打している姿がかっこいい。ブロードウェイでも上演された本格エンタテインメントを息子と大いに楽しんだ。<br /> ただ、10年以上前に初めて観た時から気になっていることがひとつあった。ショーとはいえ、食べ物である野菜を粗末にしているのではないかということだ。今回、ソウルナビの「NANTA」の紹介ページに「農協の協賛により賞味期限の切れた野菜を使い、使用後は家畜の餌にしています」と書かれているをの見つけ、安心した。良識あるおじさんは、そういうところが気になってしまうのだ。<br />

    NANTAとは乱打のこと。何を乱打するのか、そこが面白い。設定は結婚式場の厨房。1時間後に始まるウエディングパーティに間に合わせるために、4人のコックと支配人が繰り広げるワンシチュエーションドラマだ。本物の野菜を使って実際に料理するのだが、包丁、おたま、泡立て器、バケツ、ほうきなどをサムルノリ(韓国の農楽)のリズムで乱打し、観客を興奮の渦に巻き込んでいく。実際に凄く速いリズムで野菜を切り刻んでいくので、一歩間違ったら血の海になっていしまう緊張感の中、次々と料理ができてくる。野菜が四方八方に飛び散り、ごみ袋が観客席に飛んでくる。手が滑って、あの包丁がこちらに向って飛んできたらと思うと気が気でない。役者たちは、飛行機で見た「セッション」のような血のにじむ練習を積んだに違いないが、そんな苦労を全く感じさせずに、実に楽しそうに乱打している姿がかっこいい。ブロードウェイでも上演された本格エンタテインメントを息子と大いに楽しんだ。
     ただ、10年以上前に初めて観た時から気になっていることがひとつあった。ショーとはいえ、食べ物である野菜を粗末にしているのではないかということだ。今回、ソウルナビの「NANTA」の紹介ページに「農協の協賛により賞味期限の切れた野菜を使い、使用後は家畜の餌にしています」と書かれているをの見つけ、安心した。良識あるおじさんは、そういうところが気になってしまうのだ。

  • 終演後、出演者たちと写真を撮ってもらった。

    終演後、出演者たちと写真を撮ってもらった。

  • 本場のサムギョプサルを食べようと、「カンホドンペッチョン明洞店」を訪ねる。カンホドンさんという韓国の有名お笑いタレントが出した焼肉店で、ソウルに何店舗かある。とうとう日本の新大久保にも進出したらしい。庶民的な店だが、炭火で焼く肉の味は本格派で、鉄板のふちに流し込んで焼く卵焼きの旨さも評判だ。息子は店員が豚バラをハサミで切ることに、当初抵抗があったようだがすぐに慣れた。

    本場のサムギョプサルを食べようと、「カンホドンペッチョン明洞店」を訪ねる。カンホドンさんという韓国の有名お笑いタレントが出した焼肉店で、ソウルに何店舗かある。とうとう日本の新大久保にも進出したらしい。庶民的な店だが、炭火で焼く肉の味は本格派で、鉄板のふちに流し込んで焼く卵焼きの旨さも評判だ。息子は店員が豚バラをハサミで切ることに、当初抵抗があったようだがすぐに慣れた。

  • 芳ばしくて肉汁たっぷりのサムギョプサルはとても旨かったが、食い倒れの旅なのでここでお腹いっぱいにせずに、もっと食べ歩くことにした。

    芳ばしくて肉汁たっぷりのサムギョプサルはとても旨かったが、食い倒れの旅なのでここでお腹いっぱいにせずに、もっと食べ歩くことにした。

  • 屋台で「おでん」を食べてみる。韓国語でも「おでん」というが、日本のとは違って種類は1種類のみ。魚の練りものを薄く延ばしたもので、1本1,000ウォンを支払い、自分で取って紙コップに汁を入れ、その汁と一緒に食べるのである。「おでん」と言わなければこれはこれで美味しいが、「おでん」はやっぱり、はんぺんとかちくわとか玉子等いろいろ入っていないとねえ。

    屋台で「おでん」を食べてみる。韓国語でも「おでん」というが、日本のとは違って種類は1種類のみ。魚の練りものを薄く延ばしたもので、1本1,000ウォンを支払い、自分で取って紙コップに汁を入れ、その汁と一緒に食べるのである。「おでん」と言わなければこれはこれで美味しいが、「おでん」はやっぱり、はんぺんとかちくわとか玉子等いろいろ入っていないとねえ。

  • 食い倒れの旅はまだまだ続くとばかりに、今度は南大門市場に出ているポジャンマチャに入る。ポジャンマチャというのは幌馬車のことだが、どの店も暖をとるためにビニールのほろで覆っているので、そう呼ばれている。韓国ドラマを見ていると必ずと言っていいほど出てくるので、この一杯飲み屋で飲むのが今回の楽しみのひとつだった。ただ気をつけなければいけないのが、ぼったくりが多くて特に南大門では、日本人旅行者の被害が多発しているそうだ。そこで店選びは慎重にすべくゆっくり見て歩いていると、看板のメニューに日本語が併記してあり値段も表示してある店があったので、ここなら明朗会計だろうと思って入った。

    食い倒れの旅はまだまだ続くとばかりに、今度は南大門市場に出ているポジャンマチャに入る。ポジャンマチャというのは幌馬車のことだが、どの店も暖をとるためにビニールのほろで覆っているので、そう呼ばれている。韓国ドラマを見ていると必ずと言っていいほど出てくるので、この一杯飲み屋で飲むのが今回の楽しみのひとつだった。ただ気をつけなければいけないのが、ぼったくりが多くて特に南大門では、日本人旅行者の被害が多発しているそうだ。そこで店選びは慎重にすべくゆっくり見て歩いていると、看板のメニューに日本語が併記してあり値段も表示してある店があったので、ここなら明朗会計だろうと思って入った。

  • 席に着くとすぐ、「おでん」をサービスで出してくれる。さっき食べたばかりなのに。「ラミョン、イッソヨ?」(ラーメンありますか?)と訊くと、辛ラーメンがあるとのこと。そう、韓国ではラーメンと言うと基本、インスタントの辛ラーメンだ。それからホルモン焼きとキムチチャーハンを頼む。お酒はもちろん韓国焼酎のチャミスル。ドラマでもポジャンマチャでは焼酎を飲むシーンが多い。ホルモン焼きはチャプチェや野菜がふんだんに入っていて、辛いが旨い。キムチチャーハンも、止まらなくなるほどいい味だ。

    席に着くとすぐ、「おでん」をサービスで出してくれる。さっき食べたばかりなのに。「ラミョン、イッソヨ?」(ラーメンありますか?)と訊くと、辛ラーメンがあるとのこと。そう、韓国ではラーメンと言うと基本、インスタントの辛ラーメンだ。それからホルモン焼きとキムチチャーハンを頼む。お酒はもちろん韓国焼酎のチャミスル。ドラマでもポジャンマチャでは焼酎を飲むシーンが多い。ホルモン焼きはチャプチェや野菜がふんだんに入っていて、辛いが旨い。キムチチャーハンも、止まらなくなるほどいい味だ。

  • 2015年3月21日(土)<br />南大門市場の通称カルグクス通りに朝食を食べに行く。分かりづらい細い路地に、カウンターだけの粉食屋が多く並んでおり、適当に「巨済食堂」という店のカウンターに座った。タングステン灯の電球の明かりといい、それぞれの調理場から立ち昇る湯気といい、実に雰囲気があってまるで映画のセットのようだ。

    2015年3月21日(土)
    南大門市場の通称カルグクス通りに朝食を食べに行く。分かりづらい細い路地に、カウンターだけの粉食屋が多く並んでおり、適当に「巨済食堂」という店のカウンターに座った。タングステン灯の電球の明かりといい、それぞれの調理場から立ち昇る湯気といい、実に雰囲気があってまるで映画のセットのようだ。

  • カルグクスという手打ちうどんを頼むと、それぞれにビビンネンミョンという辛い冷麺がサービスで付くという。朝からそんなに食べられないが、ビビンネンミョンも味見してみたかったので一つだけ貰うことにする。カルグクスはなんと注文を受けてから麺を打ち始めて、たっぷりのお湯に投入。出来上がると、ビニール手袋の指をしっかりドンブリの汁に入れて目の前に出してくれる。息子のドンブリにも同じ指が入っていたそうだ。カルグクスには、もれなくおばちゃんの指がついてくるのか。それも含め、この昭和のノスタルジックな風景は堪らない。

    カルグクスという手打ちうどんを頼むと、それぞれにビビンネンミョンという辛い冷麺がサービスで付くという。朝からそんなに食べられないが、ビビンネンミョンも味見してみたかったので一つだけ貰うことにする。カルグクスはなんと注文を受けてから麺を打ち始めて、たっぷりのお湯に投入。出来上がると、ビニール手袋の指をしっかりドンブリの汁に入れて目の前に出してくれる。息子のドンブリにも同じ指が入っていたそうだ。カルグクスには、もれなくおばちゃんの指がついてくるのか。それも含め、この昭和のノスタルジックな風景は堪らない。

  • そしてこのカルグクスの味だが絶妙で侮れない。打ったばかりのコシのある麺とダシの効いた汁が絶品。うどんの太さ、長さはびっくりするほどバラつきがあるが、それもご愛嬌だ。

    そしてこのカルグクスの味だが絶妙で侮れない。打ったばかりのコシのある麺とダシの効いた汁が絶品。うどんの太さ、長さはびっくりするほどバラつきがあるが、それもご愛嬌だ。

  • 斜めに上がるエレべーターとロープーウェイに乗って、Nソウルタワーへ。

    斜めに上がるエレべーターとロープーウェイに乗って、Nソウルタワーへ。

  • 南山の頂上に建っているためタワー自体は237mだが、地上からは480mある。そのため展望台からの眺めは絶景だ。

    南山の頂上に建っているためタワー自体は237mだが、地上からは480mある。そのため展望台からの眺めは絶景だ。

  • ただソウルもPM2.5の影響があるようで、そのせいかわからないが少し霞んでいた。遠く漢江を望みながら、本日はじめてのコーヒーで寛いだ。やはり朝はコーヒーを飲まないと調子が出ない。

    ただソウルもPM2.5の影響があるようで、そのせいかわからないが少し霞んでいた。遠く漢江を望みながら、本日はじめてのコーヒーで寛いだ。やはり朝はコーヒーを飲まないと調子が出ない。

  • ソウルタワーのインフォメーションのお姉さんに、「バスでソウル駅に行きたい」と伝えると、丁寧に英語でバス停の案内をしてくれた。若者はたいがい英語ができるので、ホテルでさえも英語が通じない中国と違って言葉のストレスがない。教えてもらったバスでソウル駅を目指し、そこから地下鉄でノリャンジン駅に向かう。

    ソウルタワーのインフォメーションのお姉さんに、「バスでソウル駅に行きたい」と伝えると、丁寧に英語でバス停の案内をしてくれた。若者はたいがい英語ができるので、ホテルでさえも英語が通じない中国と違って言葉のストレスがない。教えてもらったバスでソウル駅を目指し、そこから地下鉄でノリャンジン駅に向かう。

  • ノリャンジン駅を降りて線路を跨ぐ歩道橋を渡ると、巨大な水産市場がある。

    ノリャンジン駅を降りて線路を跨ぐ歩道橋を渡ると、巨大な水産市場がある。

  • 2階の回廊から市場全体が見渡せるので、まずその広さに驚きテンションが上がる。

    2階の回廊から市場全体が見渡せるので、まずその広さに驚きテンションが上がる。

  • とりあえずぐるっと見て回ろう。

    とりあえずぐるっと見て回ろう。

  • 珍しい魚介類もあるので面白い。

    珍しい魚介類もあるので面白い。

  • タコの足、でか過ぎ!

    タコの足、でか過ぎ!

  • 水槽で活きのいいタラバガニを選び、値段を訊いてみる。少し予算オーバーだったので、ひとまわり小さいタラバにしてもらい、端数を値切って1匹60,000ウォン(6,600円)で購入。隣の店で、生きたイイダコも2匹買った。

    水槽で活きのいいタラバガニを選び、値段を訊いてみる。少し予算オーバーだったので、ひとまわり小さいタラバにしてもらい、端数を値切って1匹60,000ウォン(6,600円)で購入。隣の店で、生きたイイダコも2匹買った。

  • ここは釜山のチャガルチ市場と同じ方式で、市場で魚を買ってそれを2階の食堂に持込み、調理代を支払って料理してもらうのだ。漢字で「皇帝飯店」と書かれている店に入ってみる。タラバガニとイイダコの入ったビニール袋を渡すと何も言わなくても席に案内される。

    ここは釜山のチャガルチ市場と同じ方式で、市場で魚を買ってそれを2階の食堂に持込み、調理代を支払って料理してもらうのだ。漢字で「皇帝飯店」と書かれている店に入ってみる。タラバガニとイイダコの入ったビニール袋を渡すと何も言わなくても席に案内される。

  • タラバは茹でるのに時間がかかるので、その間、イイダコの刺身「サンナクチ」でビールを飲みながら待つのである。

    タラバは茹でるのに時間がかかるので、その間、イイダコの刺身「サンナクチ」でビールを飲みながら待つのである。

  • イイダコを完食すると、ちょうどタラバガニが出てきた。まだ熱いタラバガニの解体に悪戦苦闘していると、おばちゃんが見かねてハサミで食べやすく切ってくれた。

    イイダコを完食すると、ちょうどタラバガニが出てきた。まだ熱いタラバガニの解体に悪戦苦闘していると、おばちゃんが見かねてハサミで食べやすく切ってくれた。

  • カニの甲羅に残った蟹味噌で作るチャーハンが絶品だが、その名前が分からない。そこで甲羅を指さし、「パプッ」(ご飯)と言って混ぜるジェスチャーをしたら、おばちゃん、分かってくれた。ほとんど無言でタラバをむさぼり続け、最後に蟹味噌を堪能している頃、蟹味噌チャーハンが登場。これにキムチやニンニクを乗せてエゴマの葉に包んで食べたら、もう病みつき!この旅一番の贅沢だった。

    カニの甲羅に残った蟹味噌で作るチャーハンが絶品だが、その名前が分からない。そこで甲羅を指さし、「パプッ」(ご飯)と言って混ぜるジェスチャーをしたら、おばちゃん、分かってくれた。ほとんど無言でタラバをむさぼり続け、最後に蟹味噌を堪能している頃、蟹味噌チャーハンが登場。これにキムチやニンニクを乗せてエゴマの葉に包んで食べたら、もう病みつき!この旅一番の贅沢だった。

  • 弘大は芸術系の弘益大学があるため、街中にアートが溢れている。いたるところでダンスパフォーマンスや、ストリートミュージシャンの演奏が見られる。壁には絵画が描かれ、お洒落なカフェが多い事でも有名だ。

    弘大は芸術系の弘益大学があるため、街中にアートが溢れている。いたるところでダンスパフォーマンスや、ストリートミュージシャンの演奏が見られる。壁には絵画が描かれ、お洒落なカフェが多い事でも有名だ。

  • 暖かくなると毎週末、弘益大学前の公園でフリーマーケットが開かれる。フリーマーケットと言っても中古品の販売ではなく、学生達が手作りの雑貨やアクセサリーなどを売っており、公園の広場では学生ミュージシャンが歌や演奏を披露している。こちらが日本人だと分かると、日本語や英語で話しかけてくれて、そんなコミュニケーションも面白い。見るからに学生っぽい女の子が、オリジナルのキャラクターを描いた手鏡「MOO」を制作・販売していた。息子がひとつ買うと、ホームページに写真を載せたいというので、お互いに写真を撮り合う。<br />ちなみにこの公園は韓国ドラマ「メリは外泊中」によく出てきたし、近くにはドラマの舞台になった「コーヒープリンス1号店」(今も営業中)もあったりして、弘大では韓流ドラマのロケが頻繁に行われている。<br />

    暖かくなると毎週末、弘益大学前の公園でフリーマーケットが開かれる。フリーマーケットと言っても中古品の販売ではなく、学生達が手作りの雑貨やアクセサリーなどを売っており、公園の広場では学生ミュージシャンが歌や演奏を披露している。こちらが日本人だと分かると、日本語や英語で話しかけてくれて、そんなコミュニケーションも面白い。見るからに学生っぽい女の子が、オリジナルのキャラクターを描いた手鏡「MOO」を制作・販売していた。息子がひとつ買うと、ホームページに写真を載せたいというので、お互いに写真を撮り合う。
    ちなみにこの公園は韓国ドラマ「メリは外泊中」によく出てきたし、近くにはドラマの舞台になった「コーヒープリンス1号店」(今も営業中)もあったりして、弘大では韓流ドラマのロケが頻繁に行われている。

  • 昨日の「NANTA」に引き続き、ノンバーバルミュージカルの新作「WEDDING」を観る。<br />

    昨日の「NANTA」に引き続き、ノンバーバルミュージカルの新作「WEDDING」を観る。

  • 9人の出演者が皆様々な楽器を駆使し、歌あり踊りありの楽しいステージで、80分間全く飽きさせない。花嫁と花婿、ウエディングプランナーと、娘の結婚式をなんとか阻止しようとする花嫁の父が、舞台狭しと駆けずり回る。歌も韓国語はもちろん、「LOVING YOU」(英語)、「キューティーハニー」(日本語)、「甜密密」(中国語)を歌ったりして、各国のお客さんを楽しませようとするアイデアは満載。楽しさでは、「NANTA」を上回っていると思う。<br />

    9人の出演者が皆様々な楽器を駆使し、歌あり踊りありの楽しいステージで、80分間全く飽きさせない。花嫁と花婿、ウエディングプランナーと、娘の結婚式をなんとか阻止しようとする花嫁の父が、舞台狭しと駆けずり回る。歌も韓国語はもちろん、「LOVING YOU」(英語)、「キューティーハニー」(日本語)、「甜密密」(中国語)を歌ったりして、各国のお客さんを楽しませようとするアイデアは満載。楽しさでは、「NANTA」を上回っていると思う。

  • ロビーでは出演者と記念撮影もできて、新郎、新婦と一緒に撮ってもらった。

    ロビーでは出演者と記念撮影もできて、新郎、新婦と一緒に撮ってもらった。

  • 夕食は「セマウル食堂」という若者が多い大衆店に入る。店員に韓国語で「何が一番人気がありますか」と訊くと「プルコギ」と「テジキムチ」というチゲ鍋だと言うので、とりあえず「プルコギ」2人前と「テジキムチ」を注文。

    夕食は「セマウル食堂」という若者が多い大衆店に入る。店員に韓国語で「何が一番人気がありますか」と訊くと「プルコギ」と「テジキムチ」というチゲ鍋だと言うので、とりあえず「プルコギ」2人前と「テジキムチ」を注文。

  • ここのプルコギは牛肉ではなくて豚だ。

    ここのプルコギは牛肉ではなくて豚だ。

  • プルコギもとっても美味しかったのであっという間になくなり、さらに2人分追加した。

    プルコギもとっても美味しかったのであっという間になくなり、さらに2人分追加した。

  • 「テジキムチ」はそこにご飯を投入し、韓国のりをこれでもかというくらい入れて、よく混ぜて食べると、「ああ、韓国は何を食べても旨いなあ!」と思わず顔がほころんでしまう。

    「テジキムチ」はそこにご飯を投入し、韓国のりをこれでもかというくらい入れて、よく混ぜて食べると、「ああ、韓国は何を食べても旨いなあ!」と思わず顔がほころんでしまう。

  • ソウル屈指のJAZZ Bar「EVANS」に入ると、開演30分前にもかかわらず、ほぼ満席。店名はもちろんビル・エバンスからとっている。なんとかカウンター席に座れたが、意外と観やすい場所でツイている。その後も客はどんどん入ってきて、店員のほうも客を詰め込む、詰め込む。21時からの演奏が始まる頃には、すごい熱気になっていた。自分はもちろんジャック・ダニエルだが、息子はドクターペッパーをメニューに見つけて喜んで注文していた。

    ソウル屈指のJAZZ Bar「EVANS」に入ると、開演30分前にもかかわらず、ほぼ満席。店名はもちろんビル・エバンスからとっている。なんとかカウンター席に座れたが、意外と観やすい場所でツイている。その後も客はどんどん入ってきて、店員のほうも客を詰め込む、詰め込む。21時からの演奏が始まる頃には、すごい熱気になっていた。自分はもちろんジャック・ダニエルだが、息子はドクターペッパーをメニューに見つけて喜んで注文していた。

  • 今夜の出演者は、&#51060;&#50689;&#44221; (イ・ヨンギョン)TRIOでピアノのイ・ヨンギョンさんは有名らしい。また、ジャンルはモダンジャズで、ドラムのテクニックは半端じゃなかった。

    今夜の出演者は、이영경 (イ・ヨンギョン)TRIOでピアノのイ・ヨンギョンさんは有名らしい。また、ジャンルはモダンジャズで、ドラムのテクニックは半端じゃなかった。

  • 2015年3月22日(日)<br />南大門市場の食堂で、韓国を代表する料理のひとつ、ソルロンタンを食す。

    2015年3月22日(日)
    南大門市場の食堂で、韓国を代表する料理のひとつ、ソルロンタンを食す。

  • これは、牛肉や骨を長時間煮込んだ白濁のスープに麺が入っており、そこにご飯も入れて塩やキムチで味付けして食べる。麺が入っているスープにさらにご飯も入れてしまうセンスには驚くが、旨いのでOK。それにしても、毎日朝からキムチを食べる食生活って、ほんとパワフル!

    これは、牛肉や骨を長時間煮込んだ白濁のスープに麺が入っており、そこにご飯も入れて塩やキムチで味付けして食べる。麺が入っているスープにさらにご飯も入れてしまうセンスには驚くが、旨いのでOK。それにしても、毎日朝からキムチを食べる食生活って、ほんとパワフル!

  • 明洞聖堂のミサに参列した。ここは韓国で最初に作られたカトリック教会で、最も歴史が古く、かつ最大規模の教会だ。

    明洞聖堂のミサに参列した。ここは韓国で最初に作られたカトリック教会で、最も歴史が古く、かつ最大規模の教会だ。

  •  9時からのミサは英語で行われており、一歩中に入ると大聖堂の荘厳さに圧倒される。讃美歌に心身ともに清められ、癒しの時間を過した後は、また喧騒の明洞に戻った。

    9時からのミサは英語で行われており、一歩中に入ると大聖堂の荘厳さに圧倒される。讃美歌に心身ともに清められ、癒しの時間を過した後は、また喧騒の明洞に戻った。

  • 「CAF&#201; DROP TOP」 <br />コーヒーが飲みたくなったので、カフェに入る。この店は、丁度見ている韓国ドラマ「野王」に毎回出てくるので、気になっていた。2階に上ると、中国人のおばさん4人組以外誰もいない。ふと見ると、中国人のおばさんたちが写真を撮りまくっている。どうも彼女達は「野王」のファンらしい。写真を撮っている僕らを見て、シャッターを押してほしいと言ってきた。別に僕らは「野王」のファンだから写真を撮っていた訳ではありませんから、と言い訳したくなった(笑)。<br /><br />

    「CAFÉ DROP TOP」
    コーヒーが飲みたくなったので、カフェに入る。この店は、丁度見ている韓国ドラマ「野王」に毎回出てくるので、気になっていた。2階に上ると、中国人のおばさん4人組以外誰もいない。ふと見ると、中国人のおばさんたちが写真を撮りまくっている。どうも彼女達は「野王」のファンらしい。写真を撮っている僕らを見て、シャッターを押してほしいと言ってきた。別に僕らは「野王」のファンだから写真を撮っていた訳ではありませんから、と言い訳したくなった(笑)。

  • 地下鉄に乗って、「東大門歴史文化公園」駅で降りる。突然、まるで巨大なスペースシップのような建物が目に飛び込んでくる。ここは、DDP(東大門デザインプラザ)といって、ちょうど1年前にオープンしたばかりの韓国最新の観光スポットだ。<br />設計は新国立競技場を当初担当したザハ・ハディド女史。新国立競技場のほうは、予算より倍近くかかることが分かってザハ・ハディド案は白紙撤回されてしまったが、このDDPは彼女の奔放なイメージのまま造形されたのだろう。その為、機能性は全く無視した作りになっており、中に入ると自分がどこにいるのかまるで分からなくなる。533mのデザイン遊歩道は宇宙船の中を歩いているようだし、螺旋状の階段も不思議なデザインだ。<br />

    地下鉄に乗って、「東大門歴史文化公園」駅で降りる。突然、まるで巨大なスペースシップのような建物が目に飛び込んでくる。ここは、DDP(東大門デザインプラザ)といって、ちょうど1年前にオープンしたばかりの韓国最新の観光スポットだ。
    設計は新国立競技場を当初担当したザハ・ハディド女史。新国立競技場のほうは、予算より倍近くかかることが分かってザハ・ハディド案は白紙撤回されてしまったが、このDDPは彼女の奔放なイメージのまま造形されたのだろう。その為、機能性は全く無視した作りになっており、中に入ると自分がどこにいるのかまるで分からなくなる。533mのデザイン遊歩道は宇宙船の中を歩いているようだし、螺旋状の階段も不思議なデザインだ。

  • 息子の友達に韓流グループ「EXO」のセフンの熱烈なファンがいて、その友達にお土産を頼まれているというので、EXOグッズが売っている店を覗いてみる。EXOのメンバーの写真がついたグッズを見ながら「セフンって、どの人かな?」と話していると、親切な日本人の女性が、「セフンは彼で、○○××・・・」と丁寧にいろいろ教えてくれた。きっと、EXOの大ファンなのだろう。「これは新大久保でも買えますが、倍以上するんです。それに・・・」彼女の説明はそれから延々と続いた。

    息子の友達に韓流グループ「EXO」のセフンの熱烈なファンがいて、その友達にお土産を頼まれているというので、EXOグッズが売っている店を覗いてみる。EXOのメンバーの写真がついたグッズを見ながら「セフンって、どの人かな?」と話していると、親切な日本人の女性が、「セフンは彼で、○○××・・・」と丁寧にいろいろ教えてくれた。きっと、EXOの大ファンなのだろう。「これは新大久保でも買えますが、倍以上するんです。それに・・・」彼女の説明はそれから延々と続いた。

  • タッカンマリという鶏がまるまる一羽入った鍋を食べに、東大門市場にあるタッカンマリ通りに来た。タッカンマリの専門店が集まっており、その中の「陳元祖補身タッカンマリ」という店に入ってみる。席につくと、何も言わなくても大きなチキンが丸ごと入った鍋が目の前の炭火にドーンと置かれる。そしておばちゃんが、その鶏をハサミで豪快に切っていく。骨がざくざく切られる音が凄い。

    タッカンマリという鶏がまるまる一羽入った鍋を食べに、東大門市場にあるタッカンマリ通りに来た。タッカンマリの専門店が集まっており、その中の「陳元祖補身タッカンマリ」という店に入ってみる。席につくと、何も言わなくても大きなチキンが丸ごと入った鍋が目の前の炭火にドーンと置かれる。そしておばちゃんが、その鶏をハサミで豪快に切っていく。骨がざくざく切られる音が凄い。

  • 「参鶏湯(サンゲタン)」という似た料理があるが、鶏の中にもち米を詰め、高麗人参やナツメなど韓方をふんだんに入れたそれと比べて、「タッカンマリ」は新鮮な若鶏を独自のスープでただ煮るだけ。それを醤油とからしのたれで食べるのだが、そのシンプルな味がたまらない。断然、「参鶏湯」より旨い。他にはジャガイモとえのきが入っているだけなので、最後にしめの麺を入れてもらって完成。初めて食べたが、これはグルメの旅の最終日にふさわしい新たな韓国料理との出会いだった!

    「参鶏湯(サンゲタン)」という似た料理があるが、鶏の中にもち米を詰め、高麗人参やナツメなど韓方をふんだんに入れたそれと比べて、「タッカンマリ」は新鮮な若鶏を独自のスープでただ煮るだけ。それを醤油とからしのたれで食べるのだが、そのシンプルな味がたまらない。断然、「参鶏湯」より旨い。他にはジャガイモとえのきが入っているだけなので、最後にしめの麺を入れてもらって完成。初めて食べたが、これはグルメの旅の最終日にふさわしい新たな韓国料理との出会いだった!

  • お腹も膨れビールで心持ちが良くなったので、市場を散策してみる。

    お腹も膨れビールで心持ちが良くなったので、市場を散策してみる。

  • 広蔵市場は実に庶民的な市場で、日用品から衣料品、食料品まで多種多様なものが並んでいる。また、一杯飲ませる屋台も数多く出ており、昼間からだら~と呑んでいる人も多い。この雰囲気、いいなあ。今度ソウルに来ることがあったら、是非ここで昼から呑んでみたいものだ。

    広蔵市場は実に庶民的な市場で、日用品から衣料品、食料品まで多種多様なものが並んでいる。また、一杯飲ませる屋台も数多く出ており、昼間からだら~と呑んでいる人も多い。この雰囲気、いいなあ。今度ソウルに来ることがあったら、是非ここで昼から呑んでみたいものだ。

  • 清渓川(チョンゲチョン)<br />かつての清流も水質汚染によって1960年代に暗渠化したが、2005年に全長5.8kmの人工河川として蘇った。僕がソウルを最後に訪れたのは2005年なので、この川のことは知ってはいたが見たことはなかった。ソウル市民の憩いの場として有名だというので、是非歩いてみたかったが、期待していた割にはしょぼかった。<br />

    清渓川(チョンゲチョン)
    かつての清流も水質汚染によって1960年代に暗渠化したが、2005年に全長5.8kmの人工河川として蘇った。僕がソウルを最後に訪れたのは2005年なので、この川のことは知ってはいたが見たことはなかった。ソウル市民の憩いの場として有名だというので、是非歩いてみたかったが、期待していた割にはしょぼかった。

  • 空港のフードコートで、この旅最後の食事をとることにする。しめはジャジャン麺と決めていた。中国から入ってきた炸醤麺(ジャージャー麺)が、韓国で進化して韓国を代表するソウルフードになった。一応ジャンルは中華料理なのでキムチはつかないが、なぜか必ずたくわんが添えられる。珍しく辛くない料理なので、胃にも優しい。韓国では、バレンタインデーやホワイトデーに全く縁のなかった連中が、4月14日に集まって、黒いジャジャン麺を食べるブラックデーなるものがあるが、「今年も14日はジャジャン麺を食べることになりそう。」と言ったら、恋人いない宣言ということらしい。麺がイラっとするほど長くて食べづらいので、これもハサミでジョキジョキ切って食べるのである。<br /> <br />旅の愉しみは何といってもやはり「出会い」だろう。人との出会い、食との出会い、そしてエンタテインメントとの出会い。今回はそんな出会いを求めて、息子にとって初めての韓国・ソウルを旅した。<br />人との出会いはいろいろあった。「ゲストハウスSopia」のソフィアさんの天然なおもてなしには心癒された。宿に着いた時、支払いはネットで済ませていたものの、一応予約のバウチャーを見せようとしたら、大丈夫と言われた。もちろん宿帳の記入なんてものもなかったし、チェックインやチェックアウトといった手続きも一切なかったので、本当に親戚の家に遊びに来ている感覚だった。<br />息子にとって英語を使うチャンスも数多くあった。フランス人のジュリエットさんとの英会話にときめいていたし、親切なソウル大学の教授とそのお母さんとも英語でコミュニケーションをとっていた。アートフリーマーケットでは、何人もの大学生とふれあうことができて楽しい時を過せたようだ。<br />食との出会いは、息子にとって初めて食べるものばかりだったと思うが、韓国の食文化の奥深さを知ってもらえたのではないかと思う。タッカンマリの美味しさには自分も驚いたし、水産市場でのやりとりやタラバガニの旨さ、イイダコの踊り食いなど、きっと忘れられない経験だったのではないだろうか。焼肉は言うまでもなく、屋台で食べた辛ラーメンも美味しかったそうだ。おばちゃんの指がもれなく付いてくるカルグクスは、また是非食べたい。そして何と言っても、屋台で飲む焼酎は格別だ。実は、ポジャンマチャではついつい飲み過ぎてしまい、翌朝少々二日酔いだった。<br />エンタテインメントとの出会いで特筆すべきは、タイプの全く違うソウルの2大ジャズクラブに行ったことだろう。「ONCE IN A BLUE MOON」は、ドレスコードがありそうな高級なレストランだし、「EVANS」は逆に一見さんお断り的なアングラな雰囲気の店だった。息子は高校に行っても吹奏楽を続けるようなので、人に伝える、楽しませるということの基本を感じて欲しくて、ノンバーバルミュージカルにも連れて行った。「NANTA」、「WEDDING」という超楽しいショーも計算されつくしていて、エンタテインメントの観客を魅了するセオリーを体感できたのではないだろうか。<br />今、韓国は反日の嵐が吹き荒れている。これは今に始まったことではないが、国民全員が幼稚園から反日教育を受けている故に仕方がない。しかし、「日本は嫌いだが、日本人は好き」という声も多いという。旅で出会った韓国人は皆、親切で明るく接してくれたので、息子は「本当に反日なの?」と首をかしげていた。データだけでない、そんな皮膚感覚が大事なんだと思う。<br />息子とはいつかまた一緒にこの国を訪れる機会があったら、その時はポジャンマチャで、キムチをつまみに焼酎を飲み交わそうと約束した。<br />

    空港のフードコートで、この旅最後の食事をとることにする。しめはジャジャン麺と決めていた。中国から入ってきた炸醤麺(ジャージャー麺)が、韓国で進化して韓国を代表するソウルフードになった。一応ジャンルは中華料理なのでキムチはつかないが、なぜか必ずたくわんが添えられる。珍しく辛くない料理なので、胃にも優しい。韓国では、バレンタインデーやホワイトデーに全く縁のなかった連中が、4月14日に集まって、黒いジャジャン麺を食べるブラックデーなるものがあるが、「今年も14日はジャジャン麺を食べることになりそう。」と言ったら、恋人いない宣言ということらしい。麺がイラっとするほど長くて食べづらいので、これもハサミでジョキジョキ切って食べるのである。
     
    旅の愉しみは何といってもやはり「出会い」だろう。人との出会い、食との出会い、そしてエンタテインメントとの出会い。今回はそんな出会いを求めて、息子にとって初めての韓国・ソウルを旅した。
    人との出会いはいろいろあった。「ゲストハウスSopia」のソフィアさんの天然なおもてなしには心癒された。宿に着いた時、支払いはネットで済ませていたものの、一応予約のバウチャーを見せようとしたら、大丈夫と言われた。もちろん宿帳の記入なんてものもなかったし、チェックインやチェックアウトといった手続きも一切なかったので、本当に親戚の家に遊びに来ている感覚だった。
    息子にとって英語を使うチャンスも数多くあった。フランス人のジュリエットさんとの英会話にときめいていたし、親切なソウル大学の教授とそのお母さんとも英語でコミュニケーションをとっていた。アートフリーマーケットでは、何人もの大学生とふれあうことができて楽しい時を過せたようだ。
    食との出会いは、息子にとって初めて食べるものばかりだったと思うが、韓国の食文化の奥深さを知ってもらえたのではないかと思う。タッカンマリの美味しさには自分も驚いたし、水産市場でのやりとりやタラバガニの旨さ、イイダコの踊り食いなど、きっと忘れられない経験だったのではないだろうか。焼肉は言うまでもなく、屋台で食べた辛ラーメンも美味しかったそうだ。おばちゃんの指がもれなく付いてくるカルグクスは、また是非食べたい。そして何と言っても、屋台で飲む焼酎は格別だ。実は、ポジャンマチャではついつい飲み過ぎてしまい、翌朝少々二日酔いだった。
    エンタテインメントとの出会いで特筆すべきは、タイプの全く違うソウルの2大ジャズクラブに行ったことだろう。「ONCE IN A BLUE MOON」は、ドレスコードがありそうな高級なレストランだし、「EVANS」は逆に一見さんお断り的なアングラな雰囲気の店だった。息子は高校に行っても吹奏楽を続けるようなので、人に伝える、楽しませるということの基本を感じて欲しくて、ノンバーバルミュージカルにも連れて行った。「NANTA」、「WEDDING」という超楽しいショーも計算されつくしていて、エンタテインメントの観客を魅了するセオリーを体感できたのではないだろうか。
    今、韓国は反日の嵐が吹き荒れている。これは今に始まったことではないが、国民全員が幼稚園から反日教育を受けている故に仕方がない。しかし、「日本は嫌いだが、日本人は好き」という声も多いという。旅で出会った韓国人は皆、親切で明るく接してくれたので、息子は「本当に反日なの?」と首をかしげていた。データだけでない、そんな皮膚感覚が大事なんだと思う。
    息子とはいつかまた一緒にこの国を訪れる機会があったら、その時はポジャンマチャで、キムチをつまみに焼酎を飲み交わそうと約束した。

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