杉原千畝（すぎはらちうね）をご存知ですか？第二次世界大戦の中で「東洋のシンドラー」とも呼ばれた日本の外交官です。<br />　<br />４０年以上前の話だっと思います。<br />ある週刊漫画誌に「偉人伝」の第一号に杉原千畝の物語が載ってました。<br />　<br />ヨーロッパでナチスに迫害されていたユダヤ人を、本国の指示に背いて通過ビザを与えて助け出し、映画にもなった杉原千畝のストーリーです。<br />　<br />漫画を読んですごく感動した記憶が残ってます。戦争中とは言え、人の命を見殺しにはできないと決断した人の偉大さが心に沁みます。そして、帰国後の外務省で冷遇された悲しみが伝わってきます。人として間違えいないのに・・<br />　<br />　<br />そんな杉原千畝の功績を称えて、杉原氏の母校、愛知県立瑞陵高校（旧制第五中学校）の正門西側に屋外展示施設がセンポ・スギハラ・メモリアルとして整備されました。<br />　<br />13日に公開開始されましたので、さっそく見に行ってきました。<br />　<br />　<br />命のビザ　運命の５０日間<br />http://www.chiunesugihara100.com/visa-unmei.htm<br />　<br />違うでしょ！<br />東洋のシンドラーではなく、シンドラーが西洋のセンポ・スギハラでしょ！(^^ゞ<br />　<br />

命のビザ　センポ・スギハラ・メモリアルを訪ねて

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2018/10/18 - 2018/10/18

160位(同エリア389件中)

#街歩き

エリア

鶴舞・堀田(愛知)

旅行の満足度: 4.0

杉原千畝広場
　
名称は杉原氏がリトアニア領事代理時代、自身の名前を音読みし「センポ」と名乗っていたことにちなんだ。瑞陵高校ホームページで名称を募集し、在校生の案が選ばれた。
　
センポ・スギハラ・メモリアルは瑞陵高校の門の横にあり、誰でもいつでも見られます。
ただし、瑞陵高校とは別の施設ですので、トイレ等の設備はありません。最寄りの、地下鉄瑞穂区役所駅の階段に注意書きの貼り紙が出されてます。
施設案内図
　
４つのゾーンに分かれていて、中央はビザを渡す千畝とユダヤ人のブロンズ像があります。
後ろの壁には、ビザを発給したユダヤ人のリストが原寸大で復元されてます。
決断と希望コーナー
ブロンズ像と壁に貼ってあるセンポ・リストです。
　
ビザリストですが、リトアニアがソ連に併合され千畝たちがドイツに引き上げる駅のホームでも書き続けたビザは載ってないと思う？
　
正式にビザリストに記載されているのは2139名だとか
１家族１枚のビザで使用できるから、助かった人は6000人とも8000人とも言われてます。　
余裕をもって書いて貰った人と、ぎりぎりで列車の窓の中から書いて貰った人。
そして、時間切れで書いて貰えなかった人は？まさに運命の分かれ道だったのでしょう。　
　
ブロンズ像の後には瑞陵高校の日の丸の旗がひらめいてます。
誇りにしてよいのか？それとも・・？
運命のビザコーナー
ビザ発給の詳細な過程が説明されてます。
　
ドイツがポーランドに侵攻し第二次世界大戦が勃発します。
ポーランドに住んでいた200万とも言われるユダヤ人は、ナチスの劣等民族政策により迫害を受けることになりました。
　
ユダヤ人の一部はリトアニアに避難しましたが、リトアニアもソ連に合併される恐れが出て、より安全な地を探してました。
　
　
東京朝日新聞の記事が出てますが、ドイツがイギリス・フランスの最後通牒を拒絶とあります。ヨーロッパが大動乱へとの記事です。
窮余の一策を考え出したのがオランダ名誉領事ヤン・ツバルテンディクです。
　
カリブ海に浮かぶ自国植民地キュラソー島なら、税関もないので入国できるということに目をつけ、ビザの発給を決断します。
避難地が決まっても移動ルートがありません。もう、欧州全体が騒乱の真っただ中。
　
唯一のルートが、ソ連に行きシベリア鉄道にてウラジオストックへたどり着き、船にて日本の敦賀へ上陸するしかありません。
　
　
http://www.tmo-tsuruga.com/kk-museum/jewish-refugees/jewish-refugees.html
　
まだ、ドイツがソ連に侵攻する前でしたから、ソ連は行き先が決まってるビザを持った者には通過を許可してました。
　
その「通過ビザ」を大量に発行したのが杉原千畝です。
本国に問いあわせをしたら不可との返事ですが・・
　
　
「人は誰でも、正しいことをしようという意思さえあれば、世界を変えられると杉原千畝は証明した」
　by　レオ・メラメド
　
センポ・スギハラより命のビザを受け取った人は、道中で略奪などの苦難を乗り越えボロボロの姿でウラジオストックへたどり着きます。
　
ウラジオストックでは、杉原に続いて外交官の根井三郎が本国の意に反してユダヤ人を日本へ送ります。
　
敦賀への上陸
やっとの思いで日本上陸を果たしたユダヤ人たちは、生活費のために敦賀の渡辺時計店を訪れ、略奪から免れた貴金属をお金に替えます。
　
後に、敦賀も度重なる空爆でほとんど焼けてしまい、渡辺時計店の娘さんが持っていた腕時計が唯一ユダヤの記念として残ってます。
　
奇蹟の時計です。

敦賀に上陸した後は、ユダヤ協会のある神戸へ
　
神戸においても制約の多かった杉原ビザも、小辻節三の尽力により長期滞在ビザに改められ、ほとんどのユダヤ人が無事に日本を出国できた。
　
ここでも、日本の同盟国であるドイツの政策とは反して人道主義を貫いた勇者が存在した。小辻氏は死後、イスラエルのエルサレムで英雄として称えられ永眠してるそうな。
　
センポ・スギハラに心を動かされたシンドラー日本も多数いたようです。
杉原ビザ
　
この「命のビザ」は、誰も絶対に貸さないそうです。
一度、テレビ局が短時間借りた記憶がありますが、ほとんどのユダヤ人は宝物として大切に保管してるようです。
センポ・スギハラのリストです。
　
千畝の自筆でしょう。最大限の敬意を表したいと思います。
　
杉原千畝以外にもユダヤ人を助けた人がいまして、イスラエル発行の記念切手には彼らの名前と顔が描かれています。
　
　諸国民の中の正義の人
　
ただ、みな本国の指示を無視したため、帰国後に処分を受けたそうな
　
この手渡された一枚の紙が運命を変えることになるとは・・
こんな僅かな狭い広場に、杉原千畝の功績が詰まってます。
晩年の出来事については、写す気持ちが湧きませんでした。でも、人として当然のことでも難しい状況で行動できるのは頭が下がります。
　
日本とイスラエルの友好に乾杯！
唐沢寿明,小雪出演の杉原千畝ストーリーです。
　
　
狼は狼を食わない！
人類だけですね、空腹でもないのに人を襲い殺すのは！
　
また、種の保存のための行為ではなく、愛欲のために性を貪ります。
これは人類に与えられた特権？それとも天に背く行為なのか？
　
人の歴史は調べれば調べるほど殺戮の歴史。自らの一族が被害に遭わないようにするには・・戦う力を持っていなければならない。力のない平和は砂上の楼閣？大きな矛盾です。
　
秦の始皇帝でも、毎年略奪に来る北方騎馬民族に手を焼き、多大な財力と人力をつぎ込んで万里の長城を築いた。そして、力尽きて滅びた・・
　
本当は、殺戮などが好きな種族はいないのに、人の「欲」の煩悩がある限り殺戮の種は尽きません。
　
そんな中、人の心を大切にした杉原千畝の記憶は大切にすべきものでしょう。
岐阜県八百津町にも杉原千畝記念館があり、一度訪れてみたい場所です。
歴史と継承コーナーです。
当然、五中・瑞陵も文字が光ります。
　
瑞陵高校は、ナンバースクールと呼ばれる官立学校のなかでも伝統のある学校です。
　
愛知県のナンバースクールは
一中…県立旭丘高校
二中…県立岡崎高校
三中…県立津島高校
四中…県立時習館高校
五中…県立瑞陵高校
六中…県立一宮高校
七中…県立半田高校
八中…県立刈谷高校
　
計８校が旧制中学から高校へと変更されました。
ちなみに、私も旧第七中学からの流れを組む高校出身です。
　
　
あらっ！
署名な卒業生の中に、日本テレビの女性アナが載っていませんね。まだ若いからか？くりくり目玉で可愛い女子アナは大ファンです！　(^^♪
あまりの懐かしさに校内へ足を踏み入れてみました。
　
んっ？北海道大学と同じポプラ並木？
本来は、関係者以外は立ち入り禁止になってる高校内です。
　
ナンバースクールと呼ばれる旧制中学のシンボルは、このエントランスのロータリー。シュロの樹が植えられてます。旧制中学の玄関はどこもほぼ同じ造り。自校を思いだし、懐かしさを感じると思わず涙が出ます。
　
かつては、ねずみ色のボロボロロ校舎が建っていて、設立以来の雰囲気があったのですが、現在は鉄筋コンクリート造り。時代の流れです。
　
でも、この玄関先のロータリーはナンバースクールの象徴で永遠に残して欲しいものです。